民族と国家―イスラム史の視角から (岩波新書)

著者 : 山内昌之
  • 岩波書店 (1993年1月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302605

民族と国家―イスラム史の視角から (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1993年刊。東京大学大学院総合文化研究科教授。ムスリムの正当継承者たるオスマン帝国の成立と解体過程を描きつつ、宗教にも民族にも寛容であった普遍宗教ムスリムと、西欧国民国家概念により変容を遂げるイスラム諸国の史的展開を描く。本書で描かれるのは民族と国家の共通性・差異性、その中での宗教の役割である。時に従属し、時に独立する関係にある三者。そのダイナミズムが新書サイズでコンパクトに説明される。特に世俗主義者アマルテュルクによるトルコ革命にて、国民国家の紐帯をイスラムに求めざるを得なかったという逆説が興味深い。

  • 職場のNGOの先輩に薦められた本。第一次世界大戦以前のイスラム世界の中での「民族」と「国家」という概念の形成の経緯と変遷を詳しく説明した新書。欧米などで見られる国家観とナショナリズムが中東では決してそのまま適用できるものではない事。また、同様に民族主義という括り方も安直である事が非常に良く理解できた。また、第一次世界大戦前の歴史を参考にしているので、時を経ても褪せない有用性がある。トルコ派遣において一般的に言われるトルコ人・シリア人・クルド人など様々な方と仕事をする事になるので、学んだ事を常に意識し、感度高く居たい。

    メモ:
    ・歴史的地理的所以により形成された「国家観」はある程度ある、
     フセインの提唱した「パン・アラビズム」は侵略者の詭弁
    ・現代アラブ国家の起源:
    1.) イマーム首長一致型支配(イエメン、オマーン、リビア、モロッコ)
    2.) イマーム首長連合型支配(サウジアラビア)
    3.) 非イマーム首長単独型支配(クウェート、バハレーン、アラブ首長国連邦)
    4.) 官僚軍人寡頭型支配(アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプト)
    5.) 植民地委任統治型支配(イラク、シリア、ヨルダン、パレスチナ、レバノン)
    ・イスラムの台頭により、血縁や土地ではなく同一の宗教による統治に遷移
    ・従属的な異教徒と敵対的な異教徒(民族的な相違より重要)
    1.) イスラムの館(ムスリム)
    1.1) ズィンミー(イスラム法の優越と人頭税・土地税の支払いを条件に信仰の保持を約束された)
    1.2) ムスタァミーン(通行安全と保護のための契約関係を持つ事が認められたもの、商人)
    2.) 戦争の館(ハルビー)
    ・全ての人類はムスリムに改宗してイスラムを受け入れるか、キリスト教やユダヤ教の信仰を維持しながらズィンミーとしてイスラム支配に従うかのいずれか。この目標完遂まで戦うのが宗教的義務=ジハード

  • オスマントルコの成り立ち、政策を起点に、近代のイスラム世界の構造を説明している。

  • 民族と国家の歴史やイスラム文化の価値観を知る上での、大変分かりやすい入門編。

  • 世界の局所に存在する国際紛争を民族と国家という枠組みを使ってイスラム史から考察しています。

  • 学部ゼミのディベートのテーマが「紛争への国際社会の介入の是非」であったので、紛争(とりわけ内戦)のメカニズムを民族と国家と言うキーワードで、イスラム史の観点から解く本書を読んだ。
    イスラム世界の通史について、高校時代に習わなかったこともあり、イスラム史独特の単語(ウンマetc)と言った語でつまずくこともあったが、イスラム史の全体の流れの把握、とりわけなぜ現在のパレスチナ紛争が起きているかを知る上では有益な文献だった。

    最後の民族と国家についても、現在の紛争を理解する上で示唆的。

  • イスラムというのは今後のキーワードになるだろうな。

  • 赤の本棚をつくったので
    表紙が赤かったzzz…

  • おもしろいのだけど、難しいんです。
    ある程度の基礎知識が必要。
    もうちょっとイスラムの勉強をしてから再度読み直したい

  • いつも思うのだが、山内さんは話がよく飛ぶ。まあ、鳥瞰的にものを見ているとも肯定的に受け取れなくもないが、話に脈絡や関連性が少ないとも言える。興味深い小話をバラバラに聞くという感じ。好き嫌いは人で異なると思う。個人的には院試のイスラム論の為に本書を読んだが、その意味では利益はなかったと思う。

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