琉球王国 (岩波新書 新赤版261 新赤版 261)

  • 岩波書店 (1993年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004302612

みんなの感想まとめ

沖縄の歴史と文化の奥深さを探求する本書は、琉球王国の独立した時代に焦点を当てています。この時代は、沖縄がアジア各地との交易のハブとして栄えたことを描写しており、沖縄の多様なルーツやその独自性を理解する...

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に沖縄のルーツに興味があります。

    実際に沖縄に行ったときに思ったことなのですが、中国的な遺跡もあれば、アメリカ人と思しき人間がいて、しかも現時点で日本である、いろんなものが混ざって、しかも沖縄らしさというものも確固として存在している不思議さ。自然とその歴史には以前から興味がありました。

    本書の中心は、沖縄が日本でも中国でもなく、琉球王国として独立していた時代です。それは交易のハブとして繁栄した時代です。著者は、占領や戦争という暗い影がつきまといがちな沖縄の歴史に対して、もっと広い視野で沖縄の歴史を知ってほしいといいいますが、海を舞台にアジア各地と交易する沖縄の人々の姿のほうが、沖縄らしいなんて思うのは、私の勝手な思い込みでしょうか。

  • ふむ

  • 一五世紀初頭,琉球に統一王国が生まれた.以後四百年に及ぶ琉球王国である.博多・釜山,福州・広東,さらにルソン・アユタヤ・マラッカを結ぶ「海の道」を支配した王国の最盛期とはどのようなものであったか.気鋭の歴史家が,成立・展開・衰退の過程をたどりつつ浮かび上がらせる王国像は,まことに興味深い.

  • 古琉球時代を中心に琉球史を概説。
    琉球史を、琉球王国をどのように位置付けるかという問題は、日本史を、日本をどのように捉えるかという問題と表裏一体なのだなぁ。

  • 琉球、沖縄の歴史を概観できる良書。
    14世紀に北部、中部、南部に三つの王国ができそれぞれに明国に対して進貢(明国に従う「国」として認知を受ける)するようになった。
    その後、尚氏が15世紀半ばころ沖縄全体を統一する。しかし、1470年に金丸がクーデタを起こし「第二床氏王朝」を築く(明との関係から、クーデタではなく政権を引き継いだとするため尚の名を引き継いだ)。
    このころから、秀吉、家康の時代まで琉球王国の東アジアでの活躍と繁栄の時代が続く。明と倭国とアジアの広い範囲の国々との間を航海しながら交易によって栄えることができた。
    秀吉の時代になり朝鮮出兵への協力を求められ、家康の時代になると薩摩藩が琉球を攻める。明との関係を続けながら、徳川幕府とその名を得た薩摩によって支配が始まり弱体化してゆく。
    明治になり10年に廃藩置県により尚氏は江戸へ移住し沖縄県となった(琉球処分)。

  • 古琉球史を中心とした沖縄の歴史と、著者が古琉球王国の構造を研究した内容について。中国との冊封関係を利用して海洋文化を花開かせた時代の琉球の独自性を知ることができる。ただ、どちらかといえば本書は琉球史と古琉球王国という時代を広く喧伝し、読者の興味を喚起することが目的であろうと思われる。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    自分にとっては沖縄が日本であることは当たり前のことだが、150年前は日本とは異なる琉球王国という独立した国家だったのだということがよく分かる本だった。
    一般的には余り知られていない琉球王国の誕生や中国王朝との関係性、東アジアの各国間との交易などが書かれており、沖縄の知らなかった事を知ることができた。

  • TK2a

  • 2018年10月読了。
    東シナ海を内海とする貿易圏の南東に琉球王国があり、
    それは福州を起点に中国大陸、東南アジア、マラッカ海峡までを範囲とする広大な交易を持っていたという視点から見れば、琉球はなんと豊かな歴史を持っていたことよという話になる(83ページの地図)。
    他方で島津侵入から始まる日本との支配・被支配の関係、
    1945年の沖縄戦以降にはアメリカが支配したこと、
    歴史を単線で描かれない複数の要素があり、
    なかなか評価が定まらないのが沖縄だと思う。
    著者が歴史学者でありながらもアメリカ由来のハードロックに共感を得るあたり(184ページ)、
    ありきたりな感想だが「チャンプルー」で独特なものを感じた。

  • 明治政府による琉球処分。そして、太平洋戦争での壮絶な
    戦場。ひめゆり部隊を思い出すまでもなく、戦争に巻き
    込まれて戦場になり、多大な被害を受けた沖縄。

    加えて、戦後のアメリカ軍による統治。日本であって、
    日本ではなかった沖縄。

    だが、薩摩藩による侵攻以前、沖縄は独自の文化と習慣を
    持った王国であった。

    暗い歴史ばかりではない。実は500年の歴史を誇る琉球王国
    があったではないか。歴史学者の著者が、隆盛を誇った時代
    の琉球王国の足跡を辿ったのが本書だ。

    「父や母から聞く沖縄の歴史は、いつも苛められてきた歴史
    ばかり。どうして、沖縄の歴史はこうも暗いのですか?もっと
    おおらかに生きた歴史があるはずです。それを知りたい」

    著者が地元・沖縄の短期大学で講義をしている時の、学生の
    アンケートには、こう書かれていた。

    この問いかけをなした学生と同じように、私も時折考えて
    いた。薩摩による侵攻以前、沖縄はどんな歴史を辿って来た
    のだろう…と。

    本書は入門書として、また琉球王国の概要を掴むのには
    もってこいの1冊だった。「素晴らしい」の一言に尽きる。

    中心になっているのは豪族が群雄割拠し、薩摩による侵攻まで
    の古琉球の時代。特に面白かったのは貿易の話。

    まるで中世に栄華を誇った地中海の女王・ヴェネツィア共和国
    のようだ。中国・朝鮮のそれぞれの王朝との貿易は勿論、
    遠くはマラッカ王国までに船を出し、交易を行っていたって
    凄いわぁ。

    「海のシルクロード」の一大拠点として成り立っていたのだ
    もの。それも王国国営貿易なのだもの。

    そして、もうひとつ特筆したいのは現存している琉球王国の
    辞令書から王国の職制を読み解いていること。

    これぞ歴史学者としての仕事でしょう。僅かの手がかりから
    同じ部分、異なる部分を抽出して王国の変化を解説している。

    1993年発行だが、内容がまったく色褪せてないのがいい。
    本書の内容のような作品こそ「ザ・岩波新書」だろう。

    沖縄独立論でもなく、反沖縄論でもない。理性的に自身の
    故郷である沖縄の歴史を掘り起こした良書である。

  • 1983年刊。著者は琉球大学法文学部教授。◆沖縄の前近代を通史的に解説。詳述書とは言い難いが、沖縄戦で焼失・散逸した文書を収集し、その中(辞令書など)から琉球王国の制度を解読し、同国の独立性・自律性を詳らかにする点は新奇(4~5章)。沖縄を含む日本の一体性を所与の前提とする発想へのアンチテーゼが本書で提起される点は、本書刊行頃の沖縄の立ち位置を雄弁に語る。◆あくまで個人的な感想だが、地域史において、中央との関係は時代・場所によって濃淡があるのは当然であって、本書で書かれるほど意固地にならずとも、とは思う。
    とはいえ、「日本の外としての沖縄」という視点と、薩摩支配・沖縄県設立・米軍施政下という変遷から、沖縄の文物・美術品が沖縄より散逸してしまい、未だその回収・返還作業が手つかずで、不十分なままに推移している事実は十分認識されるべきことのように思う。

  • 沖縄旅行前に読むと、旅行がより楽しくなります。第二次大戦あたりの話は多いが、それ以前の、琉球時代の歴史が知りたくて読んだけど、おもしろかった。

  • 沖縄に行って戦時中、戦時後の本は読んでいたけどその前はどうだったのかと純粋な疑問が湧いてきてなんとなく読んでみました。琉球時代に作られた統治のシステムには他国文化が色ずいていて読んでいて面白かったです。沖縄の資料を日本政府やアメリカが持って行ってしまって残っている資料が少ないとありましたが今後どのように発見されて行くのか楽しみでもあります。

  • 沖縄の歴史を、本土との差異によって捉え返す作品。
    異なる文化、歴史を持つ琉球王国が、なぜ沖縄として日本という国家に編入されるきに至ったのか。沖縄が、多様性と多民族からなる日本において果す役割とは。沖縄が固有の記憶を自らの手に取り戻す意義とは。

    主権の日に際して、必読。

  • アメリカ軍基地問題や尖閣諸島のゴタゴタなど、とかくここ数年はマイナスイメージで語られることの多い沖縄の歴史と、沖縄を取り巻く環境。その一切合切を端折って「犠牲者として辛酸を舐めさせられた沖縄人と、親身になって対応してくれない本土の人、その隙をついて沖縄を食い物にしようとする泥棒国家や戦後の統治者」という単純な議論を持ち込めば、当座は凌げるかもしれないけど本当の問題解決には繋がらないと思われます。
    それを薄っぺらな頭の悪い理論で何とかしようとしたのが民主党であり、バカ鳩でありアホ菅であったのだろう、というところでしょうか。

    主要メディアの煽りとアメリカや中国とのトラブルも相俟って、沖縄という特異であり独特である土地を冷静に見つめる論陣が張られることは非常に少ないと思われます。その点で、沖縄の風土を形成するにあたり大きな影響力を及ぼした「琉球王国」とは即ち何だったのかを読み解く、こういった本をきちんと読んでおいてから、改めて沖縄史の重要性について理解しようという試みは、もっとしっかり行われるべきではないかと思います。

    著者は結語として、「沖縄史は敗戦だけがクローズアップされて暗い被害者意識に苛まれている。その意識だけで歴史を語ってはならない。また、琉球王国の存在した意義を単一国家論や単一民族論でカモフラージュし、その独自性と特異性を塗りつぶしてしまうのもいけない。独自性を保持しつつ日本社会という団体の一員となった沖縄には、普遍的な日本史・東アジア史を提示できる可能性があり、提示する責務がある」としていますが、こうした見方こそ、日本の多様性を認めつつ沖縄のあり方の意義を考えるにあたって必要なのではないかと思います。

    ちょっと本筋からは逸れますが、これぐらいきちんと「琉球」というものについて客観的に書かれた本を読んでおくと、池上永一さんのような沖縄を舞台にした小説を読む際に、より世界に入りやすくなると感じます。池上氏の小説が好きな方にもお勧めです。

  • (1993.04.14読了)(1993.04.02購入)
    *本の帯より*
    アジア世界に雄飛した海洋王国の実像!
    高良倉吉―1947年、沖縄県伊是名島に生まれる。現在浦添市立図書館長、琉球史研究に新風を吹き込む画期的な業績を上げる一方、首里城復元を指導し、またNHK大河ドラマ「琉球の風」の監修責任者となって時代考証を担当するなど、琉球史像定着に向けて、多彩な活動を精力的に展開している。

    【目次】
    序章
    第一章 「王国」の発見
    第二章 古琉球の時間
    第三章 アジアのなかの琉球
    第四章 辞令書王国
    第五章 「王国」の制度を探る
    終章
    参考文献
    あとがき
    琉球・沖縄歴史年表

    ☆関連図書(既読)
    「沖縄」比嘉春潮・霜多正次著、岩波新書、1963.01.25

  • 沖縄旅行の後に勢いで買った一冊。
    沖縄の歴史=沖縄戦の暗い歴史と狭く捉えている人には是非勧めたい。
    グスク、首里城、尚氏など様々な切り口で展開されてる中で、特に中継貿易での流通経路が面白かった。中国で得た商品を、王国に運んだ後に東南アジアにその一部を売りに行くというところ。
    沖縄が東南アジアに近しいものを感じていた要因を掴めた気がした。

    大してページ数はないが、難しくて読むのに時間が掛かった。
    また、本書で登場する伊波普猷についても探ってみたく思った。
    うちの大学に伊波普猷の卒業論文が保存されてるらしく、近々拝見する予定。

  • 『テンペスト』を読んで琉球王国に興味を持ち読んでみました。
    那覇本島全域が統一され始めたころから戦後にかけてまとまっています。

    沖縄県の被害者意識ってのは第二次世界大戦後のアメリカ統治のことなのでしょうか。
    日本に復帰後に生まれた世代なのかそんな感覚はないです。

  • 沖縄に行く直前にこれと、池上永一「テンペスト」を合わせて読んだ。

    テンペストを先に読んでいたので予備知識が出来、ある程度分かったが、もし読んでいなかったら、てんでわからなかったかもしれない。

    また、新書で500年の王国の歴史をひもとくには少々不完全燃焼で、物足りなさを感じてしまった。

    とはいえ、真面目に勉強する前の最初のとっかかりにはいいし、真面目に勉強したくない場合は、テンペストを読むのがいいとおもいます。

  • トラッドジャパンというNHKのテレビ番組で,
    琉球をRyukyu Kingdomと訳していた。
    なるほど,琉球といえば,琉球王朝のことを指すのだと。

    琉球王朝は,中国,台湾,琉球,日本という連鎖の中で,
    どのような地位を占めていたかという観点で理解するとよいのかもしれない。

    沖縄に行く前に読んでおきたかった。

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著者プロフィール

琉球大学大学院人文社会科学研究科教授

「2010年 『東アジアの文化と琉球・沖縄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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