ハイデガーの思想 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302681

作品紹介・あらすじ

主著『存在と時間』の精緻な解読を通じて、ハイデガーの存在論や哲学史観の全貌を描く。と同時にその作業を通じて、なぜナチスに加担したのか、その理由をさぐり、思想の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • だいぶ近くなった。でもまだ遠い。まだ遠いよハイデガー。

  • ハイデガーの言う「存在」とは何か。本書はそれを丁寧に説き明かしてくれる。その説明の中で「世界内存在」という概念についてわかりやすい解説が行われている。これらを杖にもう少しハイデガーの思想について勉強していこうと思う。

  • わかりやすくまとめられていた記憶がある。

  • 存在、という驚異。
    これは人間に固有のものである。

    特定の環境に依存せず、複数の環境をメタ的な視点で再構築する能力、そしてそれは存在ということなる。

    そしてその存在というものは、自らの意思ではなく、超越した力により存在する。
    「神秘的なのは、世界がいかに存在するかではなく、世界が存在するということである」と述べたのは、ウィトゲンシュタインであり、ライプニッツの「なぜ何もないのではなく、何かが存在するのか」という問い。

  • 大船図書館で読む。この図書館は狭いですね。非常に読みやすい本です。この人が、売れっ子である理由がわかります。図書館ではなく、購入してじっくり読む必要がある。

  • 存在論とは哲学そのものであり、それを考え続けることが哲学だが、例えば本書後半にあるように芸術にその試行を転用してみたりするとまた面白さと深みが倍増する。
    ゴッホの絵画や神殿建築に寄せられたことばのきらめきは感動的である。
    ラディカルに問い続けること。光は闇を背景としてしか存在しない。

  • ウィトゲンシュタイン「神秘的なのは、世界がいかにあるかではなく、世界があるということである」『論理哲学論考』p78

    【3つの命題】p82
    ①現存在が存在を了解するときにのみ、存在はある(エス・ギブト)
    ②存在は了解のうちにある(エス・ギブト)
    ③現存在が存在するかぎりでのみ、存在は<ある>(エス・ギブト)

    <世界開材性>とか<世界内存在>というのは、人間がそうした<世界>という構造を構成し、それに適応しながら生きる生き方、存在の仕方を指すと考えてよい。このような高次の機能によって、現存在が現に与えられている環境から身を引き離すその事態を、ハイデガーは<超越>と呼んでいる。現存在は、<生物学的環境>から<世界>へと超越するのである。p86

    ハイデガー「あらゆる存在者のうちひとり人間だけが、存在の声によって呼びかけられ、<存在者が存在する>という驚異のなかの驚異を経験する」p89

    <存在=現前性=被制作性>というアリストテレス以来の伝統的存在概念は、ハイデガーの考えでは、非本来的な時間性を場としておこなわれる存在了解に由来する。p139

    ハイデガー「ピュシスとはギリシア人にとって存在者そのものと存在者の全体を名指す最初の本質的な名称である。ギリシア人にとって存在者とは、おのずから無為にして萌えあがり現れきたり、そしておのれへと還帰し消え去ってゆくものであり、萌えあがり現れてきたっておのれへと還帰してゆきながら場を占めているものなのである」『ニーチェ』p156

    ハイデガー「<力への意志>という名称は、存在者がその<本質><仕組み>から見て何であるかを告げており、<等しきものの永劫回帰>という名称は、そうした本質をもつ存在者が全体としていかにあらねばならないかを告げているのである」p182

    【存在が言葉になる】
    すべてに先立ってまず<ある>のは、存在である。思考は、人間の本質へにのこの存在の関わりを仕上げるのである。思考がこの関わりをつくり出したり惹き起こしたりするわけではない。思考はこの関わりを、存在からゆだねられたものとして、存在に捧げるだけのことである。この捧げるということの意味は、思考のうちで存在が言葉となって現れるということにほかならない。言葉こそ存在の住居である。言葉というこの宿りに住みつくのが人間なのである。思索する者たちと詩作する者たちは、この宿りの番人である。彼らがおこなう見張りとは、彼らが語ることによって存在の明るみを言葉にもたらし言葉のうちに保存するというふうにして、その明るみを仕上げることにほかならない。『<ヒューマニズム>についての書簡』p201

  • 一通り読んだけれど、理解しきれなかった。別の色んなものに触れてから、数年後にもう一度読み直したい。

  • ハイデガーの本当のところを知るには少々物足りないかもしれないが、新書なので内容としては十分だった。変にポップでもなく、きちんと読めたのは好感的。他の読書案内もあって、参考にしたい。

  • 読もう読もうと思いつつも、難解で近寄りがたいハイデガー。この本は大変分かりやすかった。存在の見方をひっくり返すハイデガーの考えが平易な言葉で読みとかれている。


    存在は、〈それが何であるかということ〉「本質存在」と、〈それがあるということ〉「事実存在」とに区別される。その区別とともに形而上学としての存在の歴史がはじまるのである。

    哲学史全体にわたったハイデガーの思想を考えることをと通して、哲学の根本問題について語られている。アリストテレスやプラトン、ソクラテス以前の哲学者たちの思想を理解するのにも役立つ。

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プロフィール

1928年、山形県に生まれる。1953年、東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。2014年歿。

木田元の作品

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