沙漠を緑に (岩波新書)

著者 : 遠山柾雄
  • 岩波書店 (1993年6月21日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302872

作品紹介

沙漠は不毛だと思いがちだが、じつは豊饒の地なのだ。中東、中南米、中国など世界中の沙漠の潜在的な力を引き出し、レタス、メロンなど野菜や果物の栽培に成功した著者の方法は、各国から注目されている。その土地の伝統的な知恵を生かしながら、最新の先端技術も盛り込み、地球規模で沙漠の緑化に挑戦する。ロマンあふれるドキュメント。

沙漠を緑に (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 1993年刊。著者は鳥取大学乾燥地研究センター助教授。著者の研究、実地体験・試行錯誤に加え、沙漠緑化先進国(主に米国)の研究内容を叙述する。緑化とはいえ植林・植栽でなく、少雨地域での商品作物(メロン・ブドウ等の果樹や玉葱等の野菜)栽培促進である。かかる商品作物なら眼に見える価値が顕出され、現地での持続性が保障されるからだろう。緑化の具体的方法の点では①点滴灌漑、スプリンクラー、②保水剤(紙おむつ等利用と同じ材質)、③防砂林・防風林(地域的特性あるも、ヤシの木が最適なよう)設置が主。水の徹底的節約が志向。
    一方、沙漠毎の特性、例えば、①内陸沙漠と海岸沙漠、②高地と低地、③砂と岩石等の違い、④地下水脈の有無や降水量の僅かな差等が、沙漠環境に特異性をもたらし、緑化の有り方も変えることは、当然のことなのだが、眼を開かれる。とはいえ、緑化事業支援が成功し定着するか否かは、治安・平和、教育の程度、勤勉度等の国民性、眼に見える形での成果に係るというのは、身も蓋もない話し。ただ、もう少し費用を国家的に支弁しても良いように思う領域だ。PS.岩石沙漠は風力発電に適した地域のようであり、ここも要注目。
    なお、沙漠でのメロン園が軌道に乗り始めたころ、ネズミが大量発生しメロンを食い荒らした事実が示される。このような沙漠緑化の地域生態系に与える影響を念頭に置きつつ、これを敷衍してか、沙漠自体が持つ地球生態系との関係まで思いを馳せる。もちろん森林消失・沙漠拡大の中、沙漠緑化が喫緊の課題であることは言うまでもないが、念頭に置くべき事情ではある。

  •  著者が今まで世界各地で取り組んできた砂漠の緑化プロジェクト。
    気候や地層など、場所にそって取り組み方は異なる。
    場所は、エジプト、ペルー、中国、イランなど世界各地でのストーリー。
    伝統の技術や近代的な大開発、少量の水で栽培する技術。

     砂漠といっても、必ずしも砂地ではないし、砂漠の下には膨大な水資源があったりもする。
    本のタイトル『沙漠を緑に』の「砂漠」が「沙漠」と表記してあるのは、砂の砂漠が20%以下であるのと、水が少ないということから。

     所々に、モノクロ写真や、図が掲載されている。
    ただし、ちょっと専門的な事が書かれているのと、淡々と書かれているので、正直飽きてしまった。

  • この本では「砂漠」ではなく「沙漠」と書いてある。
    実際では砂沙漠は全体の20%以下であり、水が少ない土地の沙漠が多いからだそうだ。
    私の中の沙漠のイメージは「暑い」「不毛の地」
    実際は日本よりも美味しい野菜や果物が育つ場所でもあるというのに驚きを感じた。

    この先どれだけ沙漠を緑化するのか、果たしてこの緑化が地球にどういった影響を及ぼすのか・・
    良いことではないとは思うけれど。

    地球温暖化の事を考えなきゃいけない一方で沙漠地帯に
    住んでいる人たちの生活も考えなくてはいけない難しい問題ですね

  • 沙漠は、砂漠というのが正しくない。
    土漠、岩石沙漠がある。

    砂の沙漠は、20%以下であり、
    水が少ない土地である<沙漠>
    という意味にもとづいている。

    沙漠を緑にするということは、
    農業技術者の夢でもある。

    そのことを、鳥取大学の遠山氏は、
    親子で、取り組み、確実な成果をだしていることは
    画期的である。

    砂漠のほうが、農業に適しているとは、驚きである。

    農業とはいかに植物に光合成を効率的に行わせ、
    これによって得たデンプンを
    いかにうまく収穫したいところに
    蓄えさせるかということであり、
    砂漠は、太陽光線だらけであり
    温度の日較差が大きいという利点がある。

  • 砂漠とは何か、どのように緑化していくかなど、植林活動の入門書ともいえる本。

  • 森林10

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