- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303039
感想・レビュー・書評
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めも)
1.ソシュールの言語学
-(ソシュールの『講義』/ソシュールがたたかわねばならなかったもの/比較文法を称賛すると同時にそれを克服する/青年文法学派) 心理主義、共時態、比較言語学、音韻変化の法則
2.アメリカの言語学
-(心理主義の克服/オトからの出発/心理主義とのたたかい) フォネーム
3.言語の相対性と普遍性
-(記述言語学とドイツ意味論学派/チョムスキーによる大転換) 生成文法、普遍文法、精神
4.社会言語学
-(社会言語学の必然性/言語とは変化するものである) 社会的方言、階層、国語、造成言語、エトノス、プレスティージ
5.クレオール学とソビエトの言語学
-(言語の純粋、系譜主義とたたかう/ソビエト言語学) 語族、交叉詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生
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第1章 ソシュールの言語学(ソシュールの『講義』;ソシュールがたたかわねばならなかったもの;比較文法を称賛すると同時にそれを克服する;青年文法学派)
第2章 アメリカの言語学(心理主義の克服;オトからの出発;心理主義とのたたかい)
第3章 言語の相対性と普遍性(記述言語学とドイツ意味論学派;チョムスキーによる大転換)
第4章 社会言語学(社会言語学の必然性;言語とは変化するものである)
第5章 クレオール学とソビエトの言語学(言語の純粋、系譜主義とたたかう;ソビエト言語学)
著者:田中克彦(1934-、養父市、言語学) -
2回連続して読んだ。ソビエト言語学、初めて聞いた。言語学の特殊性。当時は画期的でもそれを評価するのは歴史だのだな。また、こういう研究の積み重ねで今がある。
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著者自身の関心に応じて言語学史上の諸問題が考察されています。
本書はソシュール言語学の意義を考察することから始められていますが、その視角は著者らしいものです。青年文法学派からブルームフィールドに至る自然科学的な言語学の潮流において心理主義が徹底的に避けられたのに対し、ソシュールは言語学を心的な対象の研究だと考えていたと著者は言います。ただしそれは個人の心理ではなく、本質において社会的であるラングを対象とすると考えられていました。ここに、ソシュールの共時言語学の、さらには構造主義の根拠が存するのであり、現代の言語研究の地平を鮮明に示したとされます。
また著者は、チョムスキーによる普遍文法の探究を批判的な立場から紹介するとともに、ピジン、クレオールといった言葉が社会言語学に提供している重要な問題などを分かりやすく解説しています。 -
「ゾウ」と声に出して言ってみて下さい。次に「インドゾウ」と声に出してみて下さい。その際、「ゾ」の音を出すときに自分の舌がどのあたりにあるのかを注意して下さい。何か違いに気がつきましたか。今度は「ジャガイモ」と「肉ジャガ」。「ジ」の音に注目してみましょう。日本人は全く気にせず使っていますが、外国人には違って聞こえるそうです。不思議です。さらに、朝鮮語で「お金」と「ウンコ」を発音してもらうと、日本人にはどちらも「トン」に聞こえる。「ト」にも「ン」にも何種類かの音がある。でも、われわれは同じ「トン」。だから、混乱する。困ってしまう。言語学というのはどうやらこのような音について研究する学問であるらしい。でも、いろんな歴史的な流れがあってややこしい。ことばはどんどん変化する。「最近の若者の言葉は乱れていていかん」とよく言われますが、変化するのが当たり前。どちらかというと、短く、簡単になっていくようです。敬語が残っていることばというのも、ちょっと古くさいのかも知れない。本書では、19世紀から20世紀にかけて言語学が何をテーマにしてきたか、そして21世紀、何が課題となってくるのかが論じられています。やや難解、でも、所々に上述のようなトピックがあっておもしろい。ちょっと古い本ですが、たまたま書店で、新古本で、半額で売り出されていたので買って読んでみました。ことばに興味を持った方は一度挑戦してみると良いでしょう。
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言語学を概観するために。
オト。 -
まさに「言語学史」と言える一冊。「ことば」についてはともかく「言語学」というものを知るにはまずここから。
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面白そうなトピックがあればレポートで使えるかもしれないと思って言語学の概論書のつもりで借りてみた。
著者プロフィール
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