信州に上医あり: 若月俊一と佐久病院 (岩波新書 新赤版 320)
- 岩波書店 (1994年1月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303206
感想・レビュー・書評
-
作家南木佳士の勤務する病院の戦後の中興の祖とする若月俊一の医療にかける姿勢を佐久病院の発展を著述したノンフィクション。戦後小さな病院が1000床を超える巨大な病院に発展し地域医療と専門病院として発展していく中での矛盾を、東大出のマルキストであった若月先生の現実主義者としての面と患者に寄り添う医者と地域医療を担う経営者管理者院長という職務で運営した顔をプラス面だけでなくマイナスの事柄も率直に南木佳士は書いている。
マルクスボーイとしてロマンティストな面と医者科学者の冷静な客観的な目を持つ若月先生のスケールの大きさが感じられる。
南木佳士は咲く病院に勤務したからこそ作家になれたと、患者に寄り添う視線が養われたと書いている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
S/289/N26
【佐久の医療とケアの歴史/The History of Saku Community Health Care System】 -
佐久総合病院の院長として農村医療に尽くした若月俊一の評伝.著者は同病院の勤務医なので,若月は上司になる.それにも関わらずかなり冷静にフェアに書かれているという印象をうける.
私は著者つながりで読んだけれど,医学生とかが読むといろいろ考えさせられるところがあるのではないか. -
内容も文体も心掴まれる。佐久総合病院の変遷と農村医学に尽力した若月先生の話。医療普及と健診の重要性について。医師の在り方について、様々な面から考えさせられる。
-
友人に勧められて。
-
[ 内容 ]
すぐれた医者は病人のみならず地域社会や国の病をも治す。
寒村の小さな診療所にはじまり、いまでは全国に知られる佐久総合病院。
そこに敗戦直前に赴任し、「農民とともに」を合言葉に農村医療を実践してきた若月俊一。
医師として、作家として人間の生と死を見つめてきた著者が、波瀾に満ちた信念の医師の半生をたどり、真の医療のあり方を問う。
[ 目次 ]
第1章 若月俊一との出会い
第2章 若月俊一の生い立ち
第3章 波乱の東大医学部時代
第4章 佐久病院に赴任する
第5章 佐久病院の発展と若月批判
第6章 高度経済成長の中で
第7章 佐久病院の充実期と今
第8章 佐久病院と私
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
へき地医療とは
加計呂麻島での医療を思い出そう
日本にはあういう医療もあるのだ
もう一生目にすることはないかもしれない
しかし忘れてはいけない!
2009年夏、僕が経験したのは
加計呂麻の豊かな自然、綺麗な海、すばらしい森。
だけで終わってはいけない!!