大往生 (岩波新書 新赤版 329)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303299

感想・レビュー・書評

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  • 死に直面しながら 庶民は 明るい。
    その明るさが 楽しい。

    老い。病い。死。仲間。父。

    テーマが いいねぇ。
    こうやって、読んでいると
    年をとり 病気になり 死ぬのは 当たり前なんですね。

    長生きするのが あたりまえ。
    そんな時に 長寿 とつけるのもおかしいと言う。
    長命で いいじゃないかと。 ガッテン!

    ニンゲン 今がイチバン若いんだよ。ガッテン!

    今はただ小便だけの道具かな 圓正師匠。

    おじいちゃんは 仏様になる。
    客様は 神様ですが、死んだら仏様になる。
    中国では お客様は、帝王なので、死んだら 何になるのかな。

    ストレスはスパイスみたいなもんで、ストレスがまったくない人は、
    ニンゲンとしてもお粗末です。

    痔とか、腰痛と言うのは、ニンゲンが立って歩くようになってからです。
    動物には、痔も腰痛もありません。

    死にたいように死なせてあげたい。
    こういう死に方をしたいというイメージのない人ばかりなんです。

    ペットは死んでも、気が楽なのは 遺産がないことである。
    ふーむ。

    死んだら 天国ではなく 極楽に行きたい。

    死んだ当人が 死んだとわからなければ、それは 大往生なんですね。

    昔はね。ぼけるほど長生きしなかった。ガッテン!

    それは、ガンではなく ガンモドキだ。

    ふーむ。
    明るく死にたいね。

  • 死生観というと、西行法師の辞世の句が思い出される
    いつ死ぬかわからないというのは確かにそうなんだけど、まだ老いや死が身近な歳じゃないのであんまりピンと来なかった

  • 「待合室患者同士が診察し」
    「フルコース食後の薬飲んですみ」
    こうした句にひそむ実感こそ、この本の姿勢としたい。

    「人は死にます
    必ず死にます
    その時に 生まれてきてよかった
    生きてきてよかったと思いながら
    死ぬことができるでしょうか
    そう思って死ぬことを大往生といいます」
    で〆られていた。

    老人の日常に落とすことばが深くておもしろい。
    歳を重ねるほどに、このことばを実感していくのだと思う。

  • うちは母がTBSラジオの熱心な?リスナーなので毎週土曜は永六輔とその新世界を聞くとはなしに聞いております。今骨折で入院されているので早くよくなられると良いな、と思います。

    で、中身ですが半分色々な人の一言と親友への弔辞と対談とお父様が書かれたと言う文章で構成されており、簡単に読み終わってしまいました。個人的にそうだよなあ、と思う色々な方の一言があったりこれは違うだろうと言うのがあったりで1章が一番面白かったです。
    私なんかは永さんの作詞家としての時代よりもマルチタレントの時代の方が長く知っているのでそれほどあの大ヒット作、と言われてもピンと来ませんでした。それでも上を向いて歩こうとか見上げてごらん夜の星をとかこんにちは赤ちゃんとか知っている曲ばかりではあるので凄いなあと思いますが。

    個人的に一番面白かったのは淡谷先生の演歌歌手を束にして火をつけたい。ついでにジャリタレも燃やしたいってとこでした。過激だ(笑)

  • 現代を生きていくうえで、生老病死を意識することは処方箋になる。日々の辛さや雑事、面倒くさいと思う感情は、それに比べれば些末なものであるからだ。そのことは、「メメントモリ」という言葉が古来から残されているとおりである。
    その意味で本書、「大往生」は処方箋以外の何物でもなかった。
    辛くなったとき、しんどいと感じるときにこそ、読めて良かったと痛感した。
    続編はまた辛くなった時に読もう。良い薬を見つけたと思った。

  • 生きて行くこと
    死んで行くこと

    誰にでもいつまでも付き纏う問題について、面白く考えさせて頂いた。

    死についての(この柔らかい哲学)本に評価を付けるのは気が引けるが、星は上記の数である。

    最近はもっぱら外国人著者の本を手にする機会が増えていたが、日本人が書く思想も捨てたものじゃないね。

  • 60歳の頃に出版した死に際、死に関する思いを書き綴った。

  • 死について優しく語っている一冊。
    老いや死について、本音で語る1文が多数掲載されてます。
    フフンと笑う文章がたくさんあり、考えさせられます。

  • 914

  • 生きることや死ぬことの考え方は人それぞれで、だからこそというかいつも私は違和感を感じる。
    長生きしたい、死にたくないと思った事は1度もなく、今この瞬間に死んでも何の後悔も持たないからだ。
    むしろ長く生きること、長く生きなきゃいけないことが悩みの始まりなんじゃないかと思う。

    昔のように50歳や60歳で死ぬことができていたら、人生設計もしやすく、体もある程度コントロールができる状態で死ねる。
    ただ今のように100年も生きなければいけないとなると、50歳からの50年は不自由との葛藤なのではないかとさえ思ってしまう。

    言うことをきかなくなってくる体や心をメンテナンスし、いつまでかかるかどれぐらいかかるか分からないお金の心配をし、その中でメタバースのような新しいことにも順応していかなければいけない。
    そう考えると歳をとるってしんどい…と思ってしまうので、であれば今逝ったとしても何ら後悔はない。むしろその方が幸せだと思ってしまう。
    そう考えると自分の中に「大往生」と言うワードは重要視されないと感じる。

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    ジャンル:トレンド
    出版社:岩波書店
    定価:880円(税込)
    出版日:1994年03月22日

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    永六輔(えい ろくすけ)
    1933-2016年、東京浅草に生まれる
    本名、永孝雄。早稲田大学文学部在学中より、ラジオ番組や始まったばかりのテレビ番組の構成にかかわる。放送作家、作詞家、司会者、語り手、歌手、ラジオパーソナリティなどとして、多方面に活躍

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    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3007

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著者プロフィール

1933年、東京都に生まれる。早稲田大学文学部中退。中学生の頃からNHKラジオに脚本の投稿を始め、大学在学中から放送の世界にかかわる。以降、テレビやラジオ番組の放送作家、作詞家、語り手、歌手などの幅広い方面で活躍中。TBSラジオ「誰かとどこかで」「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」は共に長寿番組として知られる。作詞家として世に送りだした曲には、「上を向いて歩こう」「黒い花びら」「こんにちは赤ちゃん」などの昭和を代表する名曲が多い。著書にはミリオンセラーの『大往生』(岩波新書)をはじめ、『生き方、六輔の。』(飛鳥新社)、『職人』『芸人』『伝言』(以上、岩波新書)、『あの世の妻へのラブレター』(中公文庫)などがある。

「2012年 『上を向いて歩こう 年をとると面白い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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