三国志演義 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 137
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303480

作品紹介・あらすじ

ご存知、諸葛孔明や劉備・関羽・張飛、そして曹操・孫権ら英雄・豪傑たちが活躍する『三国志演義』。それは正史『三国志』を起点に、千数百年の歳月をかけて、民衆と知識人が育てあげた物語世界の集大成である。気鋭の中国文学者が、血沸き肉躍る大エンターテインメントの仕掛けをときあかし、物語を彩る登場人物を縦横に語る。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史としての三国志か読み物としての三国志...。どちらがより魅力的かつ歴史的意義があるかを考えさせられる一冊。正史研究者が演義を考察するとこうなるのかぁ...。

  • 2017/11/18 15:44:48

  • 超絶に面白かった。井波律子さんの存在はずっと気になっていたが、ちゃんと一冊読んでみたのはこれが初めてである。「演義」の世界も、このように丹念に、また多角的に眺めれば非常に面白く読むことができるのであり、リアリズム一辺倒で、孔明の魔術を否定するような読みは貧弱なもの、ということができよう。「平話」では、張飛の無茶ぶりの活躍が人気があったり、「演義」では対照的に関羽の描写が非常に洗練されていたり、と知らないことを沢山読めた。もともと「正史」をじっくり研究されてこられた井波さんだからこその「演義」の魅力の取り出し方はとても好感が持てる。魏呉蜀の人のそれぞれのありよう、そして、物語に出てくる登場回数の少ない人物にも光を当てて、三国志の世界を存分に楽しむことができる新書であった。知的階層に対する曹操の恨み方、なども面白い。貂蝉が、三国志唯一の架空女性というのは初めて知った。三国志にまつわる様々な話が読めて、とても楽しかった。これまで読んできた本の中でも相当上位に来る本である。二日で読み終わった!学者の方すべてにこのレベルを期待するのは酷かとも思うが、ともかく学者の面目躍如という感じである。本当に素晴らしい!

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    ご存知、諸葛孔明や劉備・関羽・張飛、そして曹操・孫権ら英雄・豪傑たちが活躍する『三国志演義』。それは正史『三国志』を起点に、千数百年の歳月をかけて、民衆と知識人が育てあげた物語世界の集大成である。気鋭の中国文学者が、血沸き肉躍る大エンターテインメントの仕掛けをときあかし、物語を彩る登場人物を縦横に語る。

    【キーワード】
    新書・中国



    ++++1

  • 良書(と思う)。図書館本。 126

  • (1)私が選書した本は三国志演義(井波律子著)という本だ。
     三国志といえば約1800年ほど前の中国の壮大な争乱の物語で、現代では小説、漫画、ゲームなどの題材として幅広く支持されている。しかし三国志には大きく分けて正史の三国志、そして三国志演義と呼ばれるものがある。三国志とは陳寿と呼ばれる人物が書き上げたいわば三国志の基礎であり、始まりの書物である。そしてもう一つ三国志演義と呼ばれるものは十四世紀中頃、羅貫中という人物によって著されたものである。
     三国志はもちろん三国が話の中心に動いていく。しかし天下が三分するまでには膨大な年月がかかっている。曹操が治める魏、孫権が治める呉、劉備が治める蜀という三つの国が建国されるのは三国志でもかなり後半である。
     そんな物語をひとまとめにするのもかなりの苦労と時間が要している。曹操も劉備も孫権も国を建国するまでに多くの難と苦悩に満ちた人生を送る。著者によって彼らの描かれ方は大きく変わってくる。三国志演義はそれぞれの人物に味をつけめるため多くの伝記などの資料に目につけ作り上げられた。そして数多く登場する人物達に魅力を持たせるための様々な工夫、それらを解明しようとした本が井波律子著の三国志演義である。

    (2)「『三国志演義』は歴史とは異質な構造をもつ物語文学だということである。」(P227)に著者は語った。
     確かに三国志演義とは不思議な構造の物語である。演義は真実ではない、多くの資料から得た逸話を上手く組み込み作られたエンターテイメントな文学なのだ。
     一つの歴史を文学として受け継ぐことはさほど難しくはない。しかし肉付けされ集約された物語など類も見ないものだ。これが読者を惹きつけてやまない一つのポイントであると私は思う。

    (3)三国志とはあまりに大きい世界だ。
     今なお人気を誇る三国志は様々な解釈で世に広がっている。乱世の中で描かれる栄光も衰退も誰かの手によって描ける。三国志の固定軸は蜀であった時代も少しずつ変化し呉や魏にスポットライトが当てられるようになった。この本は人物を、物語を輝かせ惹きつけさせるための多くが書かれていた。
     読んで思うのはただひたすら受け継げるものではないということだ。これは人間が描いたもの、感情や見識が入り混じる。それも一つの魅力なのだ。
     三国志は難しい、またはお堅いというイメージがあるのは中々に拭えないというご時勢ではない。だから多くの人にこの物語を知ってほしい。勧善懲悪というわけではないからこそ面白い。その面白さが様々な形となり広がり考えさせられるようなものであるのだ。意見を言うとすれば、現代と違った世界へ飛び込める不思議な文学がなお続いていけるよう広がりを見せて欲しいと思う。(平城みやこ 20150105)

  • 三国志演義。

  • [ 内容 ]
    ご存知、諸葛孔明や劉備・関羽・張飛、そして曹操・孫権ら英雄・豪傑たちが活躍する『三国志演義』。
    それは正史『三国志』を起点に、千数百年の歳月をかけて、民衆と知識人が育てあげた物語世界の集大成である。
    気鋭の中国文学者が、血沸き肉躍る大エンターテインメントの仕掛けをときあかし、物語を彩る登場人物を縦横に語る。

    [ 目次 ]
    第1章 正史『三国志』から『三国志演義』へ
    第2章 民衆の哄笑と喝采―『三国志平話』の世界
    第3章 『三国志演義』の文学性―関羽について
    第4章 物語構造の核―劉備・曹操・孫権
    第5章 主役たちの描かれ方―諸葛亮と彼をめぐる人々
    第6章 異彩を放つ傍役たち

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「三国志」 を聞いたことが無いという人はなかなかいないのではないか?
    現在では三国志を題材にしたゲームもでており、我々の身近な存在にあると言っても過言ではないだろう。
    評者は筆者の別冊の著書を読んだことがあるが、著者のあとがきにあるように 陳寿の『三国志』をベースに演技などで描かれている内容を紹介するものであった。
    本書は陳寿の『三国志』から始まり、曹操悪役の原点ともいえる『世説新語』、話家が庶民に話す『三国志平和』などのフィクションを加えながら、我々の知る『三国志演技』が出来上がったかを描いている。

    三国志平和 などは歴史がメチャクチャ、主役は張飛といった具合であり、劉備が督郵を叩きのめしたのを張飛にするなど、我々の知る三国志とはおよそ考えられないエピソードがたくさんある。もちろん諸葛孔明の計略しかり、三国志を彩る魔法使いともいうべき宇吉など しかり

    マンガの三国志を読むと諸葛孔明の天才的な計略や人情の劉備玄徳、奸雄曹操、孔明の引立役にしか見えない周喩、幻術を使う人々などのイメージがつきまとう。
    しかし、それらの一人一人の登場人物がそれぞれのカラーを持って彗星のごとく登場し、強烈な印象を放ちつつ退場する。これこそ我々をドキドキさせ、その世界にいざなうほどの魅力である。

    物語の三国志がいかに作られたかを知りつつも、改めて三国志の世界の魅力を知ることが出来る一冊である。

  • 適当に手に取ったこの1冊・・・

    同じ歴史を描いた文章でも書く人によってこんなに違うのだなあ。
    当たり前か。でもやっぱ演義をかいた人の想像力をほめるべきだとおもうなあ。たとえ関羽が霧で曹操を見逃してしまったといえ関羽の慈悲深さを表現するための場面に作り変えてしまうんだもの。。。

    印象に残ったのはあれだな、三絶のやつ。なるほどそうかもって思っちゃった。

    ゲームで三国無双やって三国志なんとなく把握してたけどこうやって書物で見るとあらためておもしろいなあ。。。レッドクリフ見なきゃならんな。。。
    またフィクションも入ってんだろうけどそれでもいいや。。。
    三国無双もも一回やろ。。。
    趙雲やわあ。。。

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著者プロフィール

井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は中国文学。2007年『トリックスター群像―中国古典小説の世界』で第10回桑原武夫学芸賞受賞。その他の主な著書に『酒池肉林』、『中国のグロテスク・リアリズム』、『中国侠客列伝』『中国人物伝 I~IV』『論語入門』、『中国幻想ものがたり』など、訳書に『三国志演義(一)~(四)』『完訳 論語』などがある。

「2018年 『水滸伝 (五)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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