プルトニウムの未来―2041年からのメッセージ (岩波新書 新赤版 (365))

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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303657

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀に、この本を読んだら批判的に読んでしまったかも知れません。豊富に紹介されている注釈の一つに、「多重の安全系がひとつの共通要因で共倒れすることがあると確率論はあてはまらず」という紹介があり、1975年のアメリカに有名な事故例があるとの記述があることが新鮮でした。

  • 1994.12.月初版の本である。今日あの福島3.11から半年・・あの地震津波の翌日に1号原子炉・3日後の14日に3号原子炉・4日後に4号原子炉が・制御不能の人災で爆発した。福島原発事故は不測の天災ではない。絶対安全を言っていた電力会社・原子力安全委員会・保安院の起こした過失・人災だ・・『全電源喪失に耐震脆弱で冷却機能・配管が破損、緊急時対応の不備破綻、指揮命令判断の遅延が原因だろう』。17年前にこの本が警告している原発とプルトニウムの本質的・構造的な関係⇒ウラン235原発稼動⇒使用済み核燃料⇒再処理⇒プルトニウム239・241⇒高速増殖炉(もんじゅ)で便宜的本音で消化?。増殖炉は破綻で頓挫し計画不能の状況。そこで既に100トン以上?も溜め込み処理できないでいるプルトニウムを本来の使用目的から逸脱した軽水炉でウラン235と7%?混合したMOX燃料としてプレサーマルと称しプルトニウウムを消化する事にした。まさに石油ストーブでガソリン燃料を使用するのと同じ危険を冒しているのだ。目先利益と拝金思想の無責任集団の論理が優先したのだ。そこに万一?事故への懸念など存在しない。
    福島第一の3号機では514本の燃料棒のうち34本がこのMOX燃料だった・・これがベント冷却不備?で3/14日に水素?爆発。プルトニウムの毒性は1gで18億人分の致死量・・ウランの数十万倍。小出京大原子力研究所助教授によれば、既に福島で爆発した3基の原発からは広島原発の168個分の放射能が放出されたと言う。こんな原発を稼動させれば・・更に余剰の猛毒プルトニウムまでがどんどん蓄積される。筆者の高木氏はプルトピアと言う、2041年の未来へタイムスリップし、実現が先延ばしになっている80万キロの高速増殖炉が3台も稼動する、完全閉鎖系の液体ナトリウム冷却原子炉施設に招待される。・・・そこで、彼が体験した世界は?・・・人類の一方的に自然界から奪い取る独善的な『開発促進・経済成長が善』アクティブテクノロジー未来だけが『善』を信じ『プルトニウムを必然的に余剰生産する原発を稼動させる限り・・その使用済み廃棄核から逃れて地球外に逃げ出すか?それともこの地球から廃棄核物質を地球外の宇宙へロケットで放出するか?しかない』・・まさに福島・チェルノブイリの地球規模での事態が待ち受けていたのだ。2041年の30年前に福島でそれが起きてしまった!何とかなるのだろうか?何とかしなければ未来はない!地震・地殻変動の巣・日本列島のこの国で脱原発は必須緊急だ。

  • 下北半島などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1938年、群馬県生まれ。東京大学理学部卒業。日本原子力事業株式会社核化学研究室勤務、東京大学原子核研究所助手を経て、1969年から東京都立大学助教授。1970年、科学同人誌『ぷろじぇ』に参加。1972~73年、マックス・プランク核物理研究所客員研究員。1973年、東京都立大学を退職。1975年に独立系研究所として原子力資料情報室の設立に参加し、1986~98年に代表を務めた。1997年、ライト・ライブリフット賞を受賞。2000年10月、癌のため死去。専門は核化学。理学博士(東京大学)。
○主な著書:
『現代の博物誌 プルートーンの火』社会思想社、1976年。
『危機の科学』朝日選書、1981年。
『元素の小辞典』岩波ジュニア新書、1982年。
『核時代を生きる』講談社現代新書、1983年。
『巨大事故の時代』弘文堂、1989年。
『原子力神話からの解放』光文社、2000年(講談社+α文庫、2011年)。
『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書、2000年。
『高木仁三郎著作集』全12巻、七つ森書館、2001年‐2004年。

「2014年 『市民の科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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