“劇的”とは (岩波新書)

  • 岩波書店 (1995年8月21日発売)
3.62
  • (5)
  • (4)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 92
感想 : 10
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (225ページ) / ISBN・EAN: 9784004304029

みんなの感想まとめ

テーマは「劇的」の本質であり、著者は西洋古典や日本の伝統芸能を通じて、ドラマの成り立ちやその本質を深く考察しています。柔らかく丁寧な語り口で、読者は挫折することなく物語に引き込まれます。多くの読者が、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あー面白かった。面白かった。
    木下さんのシェイクスピア訳が好きで、他の著作も読んでみようと思い立ち読んだ本。
    日本の古典芸能や、西洋の古典のお話から、馬の話までしておられた。
    語り口が柔らかく丁寧で挫折することなく読めた。

  • 図書館。

    ちょうど「リチャード三世」翻訳中に語られた&編集されたもののよう。
    143頁にある翻訳から最終稿までに更なる改良が為されている。最終稿、素晴らしいですよね。
    リチャード三世翻訳後の追想も読みたい。あるかな。

    自作解説な面も強く、戯曲を読んだり舞台を観た人の副読本としてとても良いかと。
    なお、「子午線の祀り」はNHK放映分を録画したきり未見だったので観たいと思う。
    抜群に面白い紹介をされており、「平家物語」読むことにした。もちろん現代語訳でな!
    あと、忠盛の闇討ちあたりのエピソード、大河ドラマの「清盛」で観た記憶あるわ~となりながら読んだ。
    「清盛」ももう一回観たいな。

  • 劇的なもの…それは案外日常にも
    紛れ込んでいるのかもしれませんね。
    著者の考えには一種の哲学があります。

    追い求めすぎると、それは離れていく。
    夕鶴は誰しもが知る物語だけれども
    つうが幸せを望んで誠心誠意相手に尽くしても
    相手にはそれが伝わらない。

    そして気が付いた時には…

    それと我が国には耳の痛い事柄が
    数多く出てきます。
    そう、後に延ばしをした結果がこのありさま。
    先にさっさといろいろしていればきっと
    こじらせなかったのでしょうね、あそこは。

    興味深い本でしたね。
    日本と海外の劇の違いも出てきますし。

  • 『文献渉猟2007』より。

  •  NHK『人間大学』の中で著者が論じた内容を纏めた本。
     著者の考える戯曲とその他の文学作品との違い、また戯曲独特の性質などを、馬術(!?)・ヨーロッパ古典劇・日本古典劇・ことば・平家物語、という5つのテーマから考察していく。
     いきなり始まるのが「馬の話」。目次を見て「?」だったものが、馬術競技と競馬との違いに喩えられた戯曲と小説との違いの説明を読んで「!」に変わる。スッと腑に落ちる感覚がわかる。
     さらにそのすぐ後に述べられる「ある殺人」という段も、直接言葉にはできない「劇的」なる感覚を非常にわかりやすく伝える好例である。

     しかしながら、現代演劇は日々その諸相を変えていく。本書に書かれた「劇的」なるものから離れようとする動きや、テーマ性から乖離していくトリッキーな演劇も現在進行形であまた見られる。著者自身もまた自身の論ずる「劇的」の中で新たな表現方法を模索していることが語られている。
     現代の「劇的」なるものとは何か。そもそも「劇的」な劇が現代に存在するのか。本書を手がかりにして、そんなことを考えてみるのもまた面白いのではないだろうか。

  •  役者としてかねてより劇的空間に関し思考を巡らす日々であったが、この本はその逡巡に一つ、二つの筋道を示すものであった。西欧古典や日本伝統を引き合いに、ドラマの本質とは、戯曲の成り立ちとはいかなるものであるかを問い、最後に一過性のカタルシスにそれらを留めてしまわぬようにと警告を発する。これからの随想に一役も二役も買う意味ある読書に喜びを覚えた。

  • 2冊

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

東京女子医科大学准教授

「2017年 『医療系のための物理学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木下順二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×