環バルト海―地域協力のゆくえ (岩波新書)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304081

作品紹介・あらすじ

ながく列強間の抗争の舞台であったバルト海。冷戦下で深刻化する環境問題をどう解決するかという共通の課題に端を発して、国家の枠を超えた地域協力が進められてきた。複雑に推移するその経緯を克明に追いながら、バルト三国の独立、ヨーロッパ統合との関係など、国際関係の再編成期の動きを報告し、さらに他地域の内海協力をも展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 1/3/10
    読み終わった
    BookOffで100円で売っていた。他に買いたいものが無かったのが、せっかく来たので何か買っていこうと思い手に取った一冊。
    バルト三国であるラトヴィア、エストニア、リトアニアの、有史からの歴史を背景に、第二次世界大戦後のソ連支配→ソ連崩壊、独立、そして地域協力へと発展していったバルト海沿岸の国々を知ることが出来る。
    注目に値したのは、最終章。環バルト海の地域協力を環日本海にも応用できるのか、を論じた章だが、自分としては、バルト海では同じような立場の小国が集まっているから地域協力が可能であったので、国数も少なく同じような立場にいない(と思う)日、中、韓、朝、露では無理ではないか…と思っていた。それに対する本書の答は、地方自治体レベルでの協力ということ。道州制で無い(都道府県の独立権が少ない)今のシステムでは厳しいが、なるほどこの方法なら「地域協力」という言葉がもっとすんなり入ってくるものだ。

  • バルト三国について調べたかったので読む。
    最初の方で、バルト三国がいかにソ連に虐げられていたかが理解できる。バルト海を囲む国々の覚え方は面白かった。「一人の婦人が、スウェーデンとデンマークを背にポーランドとドイツの上に膝をつき、フィンランドに向かって頭を垂れ、エストニア、ラトヴィア、ロシアに手を合わせて、平和を祈っている」地図と照らし合わせてみるとイメージしやすかった。バルト三国に深い歴史があるのは、ドイツとソ連という強国に挟まれているからだという理由がわかった。また、ソ連に平和的対抗を示すため、三国をまたいで多くの人が手をつないで訴えた‘人の鎖’なるものを知る。ロシアに近いから北欧やバルトの人はロシアに親近感を持っているという短絡的な考えは改めることができた。

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著者プロフィール

1932年東京都生まれ
東京大学大学院社会科学研究科(国際関係論専攻)修了
北海道大学法学部付属スラブ研究施設助教授・教授
津田塾大学、広島市立大学教授を歴任
津田塾大学名誉教授
主要論文・著書
・『小国外交のリアリズムー戦後フィンランド1944年―48年』(岩波書店。2011年)
・『国際関係学原論』(岩波書店、2003年)
・『国際関係学』(東京大学出版会、1993年)
・『北欧現代史』(山川出版社、1980年)
・『ソヴィエト連邦と現代の世界』(岩波書店、1979年)
・『東・北欧外交史序説―ソ連=フィンランド関係の研究』(福村出版、1970年)

「2012年 『変貌する権力政治と抵抗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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