インターネット (岩波新書)

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感想 : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304166

感想・レビュー・書評

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  • 日本のインターネット黎明期の名著。

    インターネット発展の背景や裏にある哲学など、物語を追いながら理解できる。
    インターネットに関する書籍をいくつか読みながらも、線で捉えられていなかった概念がわかりやすく解説されていた。(例えば、メール〜ファイル共有システム〜wwwの登場 など)

    20年以上前の1995年に書かれた本だが、インターネットの根底の部分は変わっていないことが汲み取れる。ITに関連する昔の書籍は、情報が古くなるので読む意味は薄いと思っていたが、本書を読んで考えを改めた。

  • インターネットは、それを作った技術者たち自身も「奇跡」と呼ぶほどの、「いい加減な技術」で出来上がっているという。
    インターネット技術の発展を後押しした独特な文化というか、技術に関する考え方というか。それがとても新鮮で面白かった。25年も前の本なのに。

    「ふつうは、新しい技術を作ろうというときには、原理とか哲学、そして、技術的な仕組みについて議論しながら決めるのですが、インターネットの技術を決めていくときには、どれだけの技術者がその技術を支えられるだろうかという、人間の能力の問題を非常に重視します。つまり、どんなよい技術でも、それを支えることのできる技術者が少ないならば、普及して運用されることが無い、と考えているのです。」(p41)

    「どんなテクノロジーでも、ソフトウェアでもそうでしょうが、90%のところまでは比較的簡単に作ることができます。しかし、残りの10%を詰めるために、膨大な労力やコストがかかるのです。つまり、この10%の部分を省いたり後回しにできると、ものすごく安価に作れる。とりあえずは90%作っておいて、必要な時だけ残りを詰める--この分離が可能だということが、一般的なエンジニアリングと比べた時の、インターネット技術の面白さです。」(p43~44)

  • 超良い。

    ・インターネットが普及した理由
    1.ハードが処理・制御する性能up
    2.IPの仕組みは普及のためにできる限り簡単に設計されたため技術者参入への敷居の低さ
    3.90%の完成度で良いという利用への敷居の低さ

    ・人間中心設計から生まれたインターネット

    ・インターネットは国境の概念が弱い
    例、国別ドメイン名に当時イギリスはGBが正しかかったが、ukで良いんじゃね、みたいなノリでukになった
    国境を越えた倫理を考える必要がある。


    ・当初のインターネットへの期待と、ぼくが考える実情の齟齬
    p.103にインターネットでは大規模なコミュニケーションに「力」は必要がない点が革新的だと記されていたけど、実際は現実の拡張、部分集合であって、「力」が必要な文脈は当初の期待より多いのではないかと感じます。

  • 例え含めて説明が簡潔で分かりやすい。今でも読まれているのがわかる。

    従来のメディアとの違いとして「双方向性」「対等性」はよく言及されるけど「日常性」ってのは面白い。一方向のメディアで多くの人が同時に見るってことは、それだけたくさんの人が共有して話題にできること=非日常さが必要だったということ。

    今でも入門書としての役割は十分果たしている。

  • 『情報の呼吸法』推薦本。

  • インターネット (岩波新書)

  • 本書が著されたのは、奥付によると1995年11月30日です。
    本書が著されてから、既に10年以上の時間が流れた事になります。
    しかし、本書が示している道筋は、決して古びてはいません。
    それどころか、今でも煌煌と「インターネット」が辿るべき道筋を照らしています。

    技術的な解説の殆どは、確かに今では古びてしまっています。
    それは、"dog year"と呼ばれる進化の速度を考えれば当然の事です。
    とはいえ、それは今現在においても「インターネット」の根幹を成しています。
    そして、第4章、5章に示されたものは、決して古びる事はありません。
    そこに書かれているのは、「インターネット」の理念です。
    どういう目的で、「インターネット」というものが産み出されたのか。
    そして、「インターネット」とは何を目指しているものなのか。
    そういう、「インターネット」の本質が、そこには記されています。
    何故、そのような本質を記す事が出来るのか。
    その答えは、本書の著者が「「日本のインターネットの父」こと村井純氏だからです。
    氏の業績については、本書を読めばしみじみと思い知ることになります。

    「インターネット」は、この数年で爆発的な躍進を遂げました。
    今や、社会インフラとしての一角を担うほどの影響力を示し始めています。
    しかし、その発展とは裏腹に、その本質を理解されては来なかったように思います。
    それは「単なる便利な道具」といった部分に留まるようなものではありません。
    本書から引用しましょう。<blockquote>インターネットの上で生きていくということは、新しい国際社会――「国」が意識されないのだから、「国」際というのはおかしいかもしれません。地球の社会とでもいったほうがよいでしょうか。――をつくっていくということにほかなりません</blockquote>つまり、これまでの「世界」を根底から覆す可能性をも秘めているのです。
    何を大袈裟な、と思う人もいるかもしれません。
    しかし、ちょっと考えてみれば、すぐに理解できるでしょう。
    「インターネット」では、自国外の人の発言でも、自国の人の発言とまったく同列に読むことが出来ます。
    そこには言語という高い壁があるため、日本語圏では実感しにくいかもしれません。
    しかし英語圏に住む人にとって、この衝撃はかなりのものだと想像できます。
    文化圏の違う人の発言が、同じ文化圏の人の発言と同列に並ぶのですから。

    繰り返しますが、「インターネット」は身近なものとして浸透し始めています。
    だからこそ、「インターネット」に関わる人にとって、本書は必読の書です。
    技術者は当然、ただの利用者であっても、きちんと認識するべき時期にきていると思います。
    そして、これから「インターネット」はどうあるべきなのか、考えてみるべきです。

  • 【読書ノート】
    ・ニーモシネ1-7(2010/7/26)

    【要約】


    【ノート】
    ・いまさらだけど。

    ・思った以上に読みやすかった。

    ・テクノロジーの進化により、コミュニケーションのあり方、ひいてはコミュニティのあり方が変わっていき、それを考えていくのは、テクノロジーではなくて、人間。

    ・だが、この本が書かれた時から現在まで約20年が過ぎようとしているが、果たして、そのことがきちんと議論されてきているのだろうか?

    ・いやいや、そんな他人事じゃなくて、自分自身が、そのことを考えているのかと言われると、気づきもしませんでした、というのが正直なところ。

  • 「人類の歴史はメディアのいろいろな制限によって多くの情報を切り落としてきたと言えます。そこで、人間が本当の意味で知識や情報を摂取する空間は何なのか、コミュニケーションをする空間はどのようなものか、と立ち戻って、インターネットのテクノロジーで考え直してみると、いままで切り落としたものをもう一度復活させることができるかもしれない。復活とまではいかなくとも、これからはできるだけ切り捨てずに行けるかもしれない。」

    インターネットの第一人者が見据えていた「その先」に、時間が経った今でもグッとくる。

  • インターネットの歴史が,事実の羅列ではなく,当時動いていた人たちの気持ちや,インターネットそのものの概念と共に,丁寧に説明されている。読んでいて,学生の時と今とでは確実に視点が変わっていることも感じた。技術的なことも比較的丁寧に書かれていて,特に公開鍵・共通鍵・電子証明あたりの説明は,クレジットの例もあいまって非常に分かりやすく感じた。

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著者プロフィール

村井 純:慶應義塾大学環境情報学部長・教授。1955年生まれ。1984年、東京工業大学と慶応義塾大学を接続した日本初のネットワーク間接続「JUNET」を設立。インターネット網の整備、普及に尽力し、インターネットを日本語をはじめとする多言語対応へと導く。「日本のインターネットの父」として知られる。著書に『インターネット』(岩波新書)、『インターネットの基礎』(角川学芸出版)など。

「2018年 『コンピューターってどんなしくみ?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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