日本近代史学事始め―一歴史家の回想 (岩波新書)

著者 :
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304272

作品紹介・あらすじ

1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学界に対する寄与ははかりしれない。若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。

感想・レビュー・書評

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  • 1996年刊行。著者は大久保利通の嫡孫、元立教大学教授。日本の近代史研究を戦後推進した人物であり、特に、国会図書館憲政資料室の創設に携わった。著者の少年期(学習院初等、中等部)から、同高等部を経、京都大学経済学部、東京大学文学部に進学し、研究者の道に入った経緯が述べられる。中では、戦前期ではリベラル史学とされた重野安繹氏の論文集刊行に携わった際、危険(発禁処分の危険)ということで内容を大分削り、伏字とする箇所を多くしたという点、戦後期は憲政資料室創設にあたり、著者の経脈が役に立ったように思える点は印象的。
    なお、歴史研究者としての著者の道程が書かれるのみであり、大久保家、あるいは利通評、牧野伸顕評はほとんどなされていない。後者を期待すると肩透かしである。

  • 大久保利通の孫であり、日本近代史研究における基礎的な史料の集成に尽力した著者が、みずからの研究を振り返った本です。

    単なる通史のような形式ではなく、著者自身の研究の過程とリンクさせながら、日本の近代史の実相がヴィヴィッドに語られており、読み物としておもしろい内容になっています。

  • 1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学会に対する寄与ははかりしれない。若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。(1996年刊)
    ・Ⅰ 明治の記憶
    ・Ⅱ 大正デモクラシーのなかで
    ・Ⅲ 日本近代史に立ち向う
    ・Ⅳ 編纂事業のなかで
    ・Ⅴ 憲政資料室とともに
    ・年譜
    ・編者あとがき

    あとがきによると、本書は聞き書きをまとめた回想録のようである。とても読み易いが、反面、広く浅い感じは否めない。
    内容はとても面白い。明治の記憶では官僚の生活(父利武は内務官僚として知事を歴任)が窺える。学習院時代の乃木希典の話なども興味深く貴重な証言と言える。やがて、近代史研究の道に進むが、学閥的なものも窺える。(ここら辺、門外漢の身としてはわかりづらい)
    戦前戦後の雰囲気が垣間見え、貴重な記録と言える。

  • 大久保利通の孫で、日本近代史研究の草分け的存在である大久保利謙氏の聞書きによる回想録。軽妙な口調で読みやすく、戦前の学習院の教授や東大教授、華族などの人物評が面白い。戦前の華族の世界のリベラルな雰囲気も伝わってきた。ただ、聞書きということもあり、エピソードが中心で、大久保氏の歴史学に対する思想などはあまりよくわからなかった(皇国史観、マルクス主義史学のいずれにも違和感をもっていたことはわかった)。

  • [ 内容 ]
    1900年、大久保利通の孫として生まれた著者は、大正デモクラシーのなかで歴史家として出発し、日本近代史研究の先鞭をつけた。
    先駆的研究の数々にくわえ、憲政資料室創設を中心とした史料整備、そして史料編纂事業など、学界に対する寄与ははかりしれない。
    若き日に接した学者群像の思い出を含め、興味深いエピソードに満ちた回想録。

    [ 目次 ]
    1 明治の記憶
    2 大正デモクラシーのなかで
    3 日本近代史に立ち向う
    4 編纂事業のなかで
    5 憲政資料室とともに

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    [ 参考となる書評 ]

  • かなり面白かった。読みやすいし。恥ずかしながら憲政資料室ができた経緯なんかは全然知らなかったので、へーそうなんだーと、単純に感心。

    あと、昔の人は史料が制約なくばんばん利用できていいなあ、と思っていたのだけど、逆に公文書を見るのに苦労があったり、当然ネットもないわけで、それはそれで大変だったのだろうなあ、と当たり前のことを思ったりもした。

    しかし歴史をやってる人間が、新書、つまり一般人向けで自伝というか回顧録を書けるというのはけっこうすごいことかもしれない。それもやっぱり、関係してる人が有名人が多いからなのかなあ。・・・いや、もしかしたらこの新書を手に取るのは、歴史に興味がある人だけかもしれないが。

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