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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004304296
みんなの感想まとめ
新たな視点から『ユリシーズ』の深層を探るこの書籍は、特に第12章の語り手が犬であるという独自の解釈を提案しています。著者はこの新説を通じて、ジョイスの意図や作品の魅力を再評価する機会を提供しており、読...
感想・レビュー・書評
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ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』第12挿話の語り手である「俺」が、犬であるという新説を提出している本です。
著者の検証を読んでいると、なるほどそういう解釈もありえそうだという気分になってきますが、「筆者のこのような解釈に対して消極的な態度を示したり、はっきりした態度を保留したがる人」の逃げ口上を許さず、「もちろん、どっちにも取れる―ジョイスが巧妙に、意図的にそう書いたのだから。しかし、作者ジョイスがどっちだかわからなくて書いたということではない。正解は一つだ」と勇ましく語っています。
ただ、それでもなお逃げ口上をかさねるとするならば、著者が自説を展開していく議論は、感嘆詞のGobを「どべッ」と訳しているところに象徴的に示されているように、英語の文章のうちにひそんでいるはずの「正解」を、日本語というまったく異なる言語のうちへと移し入れる試みと一体化して語られており、そのような著者の翻訳の試みのなかで、著者の解釈の妥当性や意外性が生き生きと示されているということができるのではないかと考えます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
逝去の知らせの後、街中の書店で見つけて購入。読み終わって奥付を見て、「1995年」という出版年に驚いている。二十年。作者の説は広く受け入れられているのだろうか?
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「ユリシーズ」の「俺」は実は犬だったという大胆な仮説を展開し、12章「キュクロープス」を再訳して愉快な解釈を繰り広げています。一見するとおやじギャグ塗れのおふざけのように思えるかもしれませんが、ジョイスの言葉や文体に関する志向とそれを翻訳するという試みの意味を考えると、とても優れたジョイス入門書といえるのではないでしょうか。
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