ブナの森を楽しむ (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304432

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  • ブナを切り口に森の生態系についてまとめているが、植物の防衛機能の章がおもしろかった。縄文時代に土器を用いて木の実をアク抜きする手法は、歴史の観点からは発展であり生活の糧だったが、生態系の視点からは植物の防衛機能を破ったルール違反であるというのは、まさに科学的な指摘だ。森林管理の章では、国有林を都道府県で管理すること、標高によって保護区、天然林施業区、人口林施業区に区分することなどを提言している。ガと蝶の章は読み飛ばし。

    ・イヌブナは東北地方の太平洋側に分布し、モミ・イヌブナ群落を形成する(高尾でも見られる)。
    ・ササ属は日本の風土に適応・進化した日本特産の植物。
    ・スギの森によってカモシカは冬の隠れ家にすることができ、豪雪を抑えられて積雪下の常緑樹を食べやすい状態にしている。
    ・スギの植林が盛んだったころは野草や灌木が繁茂して野ウサギが増えたが、スギが成長して暗い森になり野草や灌木が減ると野ウサギは減り、それを餌とするワシ・タカも減った(太田威「ブナの森は緑のダム」)。
    ・森の中の多い有機物のうち、生葉をガの幼虫が食べ、木材をカミキリムシの幼虫が食べ、落ち葉をミミズが食べる。そして、ガの幼虫をカラ類の小鳥が食べ、カミキリムシの幼虫をキツツキが食べ、ミミズをツグミ類が食べる。これが森の代表的な食物連鎖。
    ・針葉樹は樹脂(松やに)とタンニンを毒成分として使う。広葉樹は樹脂を持たないが、トチの木などの一部は種子に強力な毒であるサポニンが含まれる。草本植物の中にも、トリカブトなどは強力な毒であるアルカロイドを生産する。

  • 2007/8/22読了

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