東洋医学 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304487

作品紹介・あらすじ

風邪をひいたら葛根湯、胃痛に安中散、便秘に潤腸湯。漢方薬は私たちになじみ深いものになっている。しかし、東洋医学の考え方や診断法はまだ知らないことが多い。証・方、陰・陽、虚・実などの概念、身体観・病気観はどんなものか。診断はどのように行うのか。さまざまの病気にどんな漢方薬を使うか。東洋医学の基礎を徹底解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 東洋医学について知りたくて読書。

    大連へ来て初めて中国医療(中医)と日本の東洋医学は異なる点が多いことを知る。本書の発売時点の96年頃の話で東洋医学は見直されて、漢方のブームが到来していると紹介されているが、私の認識ではあまり記憶がない。むしろ、この2、3年で生姜ブームを始め、漢方が見直されているように感じる。

    日本の東洋医学が中医と変化していく分岐点は室町後期くらいだという。大陸からの文化的な影響が薄れてきている時期と重なる。日本の風土、習慣、植物に適応してきたのだという。

    もっと中医もそうであるが、東洋医学の知恵、先人からの遺産を知りたいと思うようになる。調べると著者は2009年に亡くなっているそうであるが、現状の日本の東洋医学がどのような状態かも知りたい。

    基本は体を温めて、自然に備わっている自己治癒力を高めること。

    現代日本は先人から伝えられてきた大切な叡智を忘れてしまっているのではないかと思う。

    本書はバンコクのサンブックスで購入しています。

    読書時間:約35分

  • ゼミの参考になるかなと借りてみた。
    東洋医学を学ぶには限られた学校に行くか、独学しかないというのが衝撃的。

  • 学生時代に買った本である。あまり面白くないと思った。その後も何度か手に取ったが印象に残らなかった。今回また読んでみた。面白い!!これだから本というのは、繰返し読まないと損をする。その時々にあったステージで、読み方、納得の仕方というものは、ぜんぜん変わってくる。
    今回初めて知ったが、著者は、漢方医の大家、大塚敬節の子息である。簡便に述べられているが、なるほど造形が深い。

  • 2010/10/09

  • 2017/11/16 19:12:29

  • 本邦漢方医学の発展に露伴の影響があったことを知った。

  • 目次:
    はじめに
    1 東洋医学と西洋医学
     1 再評価される伝統医学 2 病理観の違い 3 治療学のちがい 4 患者と医師
    2 日本における東洋医学の歴史
     1 中国医学の伝来 2 日本医学のはじまり 3 日本独自の腹診術を開発 4 蘭学者の解剖書 5 西洋医学の輝かしい登場 6 東洋医学の復興
      東洋医学をささえた人①
    3 日本の東洋医学と中国の医学
     1 薬用量のちがい 2 生薬と方剤 3 脈診と腹診 4 今後の問題
      東洋医学をささえた人②
    4 東洋の身体観と病気観
     1 東洋最古の医学書 2 中国古代の疾病観 3 陰と陽 4 虚と実 5 気・血・水
    5 本草の歴史
     1 東西の本草 2 『ギリシア本草』の伝統 3 『神農本草経』の伝統
      東洋医学をささえた人③ 
    6 漢方の診断法
     1 診断の根本原則 2 病位と三陰三陽 3 診断の実際
      東洋医学をささえた人④ 
    7 漢 方 薬
     1 漢方薬の特徴 2 漢方薬の副作用 3 エキス製剤と伝統剤形 4 漢方の教育
    8 消化器系疾患の漢方治療
     1 消化器疾患と腹診 2 胃炎 3 消化性潰瘍 4 過敏性腸症候群 5 下痢 6 便秘 潰瘍性大腸炎など 8 痔核 9 肝炎 10 胆道疾患 11 すい炎
      東洋医学をささえた人⑤
    9 産婦人科疾患の漢方治療
     1 冷え性 2 月経困難症 3 不妊症 4 更年期婦人の不定愁訴
    10 老人性疾患の漢方治療
     1 養生思想 2 老人の精神障害 3 老人性痴呆 4 うつ状態 5 呼吸器障害 6 循環器障害 7 消化器障害 8 泌尿生殖器障害 9 身体痛
      東洋医学をささえた人⑥
    11 小児科疾患の漢方治療
     1 古くから独立化 2 現代の虚弱児 3 かぜをひきやすい 4 原因不明の微熱 5 神経質 6 肥満児 7 気道の炎症 8 皮膚の炎症 9 腹痛・下痢・便秘 10 夜尿症・夜啼症
    12 痛みの漢方治療
     1 痛みはむずかしい 2 頭痛 3 咽頭痛 4 口腔内疼痛 5 胸痛 6 腹痛 7 産婦人科領域の痛み 8 泌尿器の痛み 9 運動器の痛み
    あとがき
    漢方薬の処方/この本に出てくる主な生薬

  • [ 内容 ]
    風邪をひいたら葛根湯、胃痛に安中散、便秘に潤腸湯。
    漢方薬は私たちになじみ深いものになっている。
    しかし、東洋医学の考え方や診断法はまだ知らないことが多い。
    証・方、陰・陽、虚・実などの概念、身体観・病気観はどんなものか。
    診断はどのように行うのか。
    さまざまの病気にどんな漢方薬を使うか。
    東洋医学の基礎を徹底解説する。

    [ 目次 ]
    1 東洋医学と西洋医学
    2 日本における東洋医学の歴史
    3 日本の東洋医学と中国の医学
    4 東洋の身体観と病気観
    5 本草の歴史
    6 漢方の診断法
    7 漢方薬
    8 消化器系疾患の漢方治療
    9 産婦人科疾患の漢方治療
    10 老人性疾患の漢方治療
    11 小児科疾患の漢方治療
    12 痛みの漢方治療

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    [ 参考となる書評 ]

  • ある40代男性(当時)の話。
    ひとつ上の兄が亡くなり、その葬儀を母親が取りしきった。
    母親は気丈にふるまっていたが、死後一年経って、直腸がんを患った。
    その時その男性は、「ああ、これを断腸の思いというのか」と了解したという。

    腸は心の病気とも言われる。
    たとえば、昨今その患者数が十万人を突破した潰瘍性大腸炎。
    「分析的・機械的・抽象的・普遍的・客観的傾向」の強い現代(西洋)医学の病理観からみると、
     <食生活の欧米化による、腸機能の低下が原因でしょう。特効薬はまだありません>
    ということになる。他方、
    「総合的・人間的・具象的・個人的・主観的傾向」の強い東洋医学の病理観からみると、
     <おや、仕事うまくいってないんですか。下痢もひどいと。じゃあ今日は、この生薬にしましょうね>
    ということになる。(もちろん極論である)

    さて、病理観だけでなく、身体観においても東洋医学はおもしろい。
    一例として、漢方の診断するさいに重要なのは患者の「陽と陰」と「虚と実」だという。

    まずは説明。
    陽の人間は、症状が強くはっきりとあらわれる。例)バッと高熱が出る
    陰の人間は、潜在性のことが多い。例)ただなんとなくだるい

    病人が実のときは、心身ともにはりつめている。(ゴム風船がパンパンの状態)
    なので、下剤や瀉血(しゃけつ。余分な血液を抜く)などの攻撃的な治療が適している。
    病人が虚のときは、体が弛緩してしまっている。(ゴム風船がしぼんでいる状態)
    なので、人参などの補剤と呼ばれる薬を処方するなど、保存的な治療が適している。

    こんなふうに考えるんだそうで。

    いずれにせよ、数値やX線などでは測れない、
    患者の一個人に合わせた治療を行うのが東洋医学のキモということ。
    超高齢化社会の到来で、医療・福祉の現場には今後さらに多くの問題がのしかかる。
    特に「社会的入院」者には、実証ではなく虚証(証=病人の意)に対しての治療法がより有効だろう。

    また、公然わいせつ罪で逮捕された某タレントに対して、エライ医者をひっぱりだして、
    「あれはブラックアウトと呼ばれる現象で、大量のアルコール摂取により海馬の働きが…」
    などと西洋医学的なごたくをならべた某国営放送局のニュース番組のようにではなく、
    「子供のころから芸能人として表舞台に立ち続けてきた人のストレスはどれほどのものか…」
    という東洋医学的な想像力をもって、K容疑者の、
    またそれが示唆している社会の「陰」の部分について考えていきたいものだ。

  • 漢方薬の効能や日本での医学の歴史を詳述。

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