疲労とつきあう (岩波新書 新赤版 459)

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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304593

作品紹介・あらすじ

ストレスにみちた日々のくらしのなかで、私たちの体の芯に残るぐったりとした疲労感は心身症・うつ病・神経症をひきおこす原因になる。中年男性だけでなく若者・女性にもひろがるアルコール依存症。これら疲労がもたらす病気に、どのように対処すればいいのか。「ぐったり疲労」を残さないためにはどんな睡眠や運動が必要なのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 疲労、といってもほとんどが精神的な意味での症状。抑うつ状態、心身症、アル中など。
    常に「追われている」状態であることが、こういった疲れを生んでいる、と著者は指摘し、「疲れ」は「休め」というシグナルと捉えよ、と説く。
    疲れる人間のほとんどが「真面目できちょうめん」な「良い子」型の人間なのだ、と著者は分析するのだけれど、言い換えればそれは自分の価値観をきっちり育ててこなかった怠け者だ(と私は思う)。だから「範」に自分を当てはめることでしかアイデンティティを確認できないのだろう。
    「型破り」を許す発想を周囲が許していれば、もっとこういう犠牲者は減るのに、と思う。

  • 疲労の本というか、いろんな心の病について説明してる本。
    具体的なつきあい方が書かれてるわけでもない…。

  • 機械や産業の発達によって昔と比べ現代では利便性も上がり、また週休二日制などの導入により、余暇に割り当てる時間が確実に増えているはずであるが、仕事のストレスを抱える現代人は逆に増えている。本書ではストレスが身体に与える影響や表現型、またストレスからくるタバコや酒への依存についてや、対人関係の変化などなどを分かりやすく解説しており、素人の私でもすんなりと理解することができた。また、現代人は増えた休日にあっても「何かをしなくては」という脅迫観念にとりつかれ精神的ストレスを抱える人も多く、「休日に何もしない贅沢さ」というスローライフ的な生活を送ることもひとつの考え方であるというのが印象深かった。

  • 専業農家の主婦にうつ病は少ない。
    SWエンジニアはうつ病が多い。ソフト開発は部品ごとに組み立てていく製造業とは根本的に異なる。若い産業でノウハウが確立していないうえ、ケースごとに異なる開発が求められる。顧客側の要求や関与も大きい。納期に対する切迫感をつねにかかえ、過剰労働を蓄積する構造的体質をもっている。

  •  疲労の科学と、慢性疲労の延長上にある心身の病気を、全国の医師、研究者、患者に訪ね歩いたルポ。

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著者プロフィール

信濃毎日新聞編集委員。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。1948年長野県上田市生まれ。北海道大学水産学部卒業。専門は医療・健康問題。
著書・編著書に『認知症を知る』(講談社現代新書)、『健康不安社会を生きる』『疲労とつきあう』(岩波新書)、『温泉で健康になる』(岩波アクティブ新書)、『脳 小宇宙への旅』(紀伊國屋書店)など。
新聞協会賞(2010年度)の「笑顔のままで 認知症・長寿社会」、同(1999年度)の「介護のあした」、科学ジャーナリスト賞(2007年)の「20年目の対話 チェルノブイリ原発事故」などの取材班メンバー。「若月賞」受賞(2011年)

「2017年 『温泉の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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