古代ローマ帝国―その支配の実像 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304821

作品紹介・あらすじ

前70年、帰任したシチリア総督がローマの法廷でその悪政を裁かれた。収賄、脱税、不当な裁判、そして苛酷な課税の下に荒廃してゆく農業、横行する悪徳徴税人、財産を狙われる名望家たち-。総督の強欲を追及する弁論家キケロの弾劾演説を史料に、ローマ統治下にあることの現実を探り、支配の構造を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 「古代ローマ帝国」という大仰な表題だが、通史的書ではない。本書は、BC.70年頃にシチリアを支配した総督(属州大統領)ウェレスの悪行?を元老院裁判にて弾劾したキケロ演説を詳細分析し、元老院・護民官の役割、十分の一税に代表される徴税制度とその具体的徴収法等、総督の民衆支配の内容や共和政末期の属州統治の在り様、主権概念を持たぬ都市国家間の関係、海賊討伐の実態等、ローマン・エンパイアの実像を明らかにしようとする。徴税請負人の選抜、税徴収の駆け引き、農民・名望家との関係(賄賂)等生々しい事実が適示され、判り易い。
    この生々しい人としての息遣いが、西洋史(特に古代史)に疎く、また、皇帝ら権力者の顕彰に陥りがちな教科書的な世界政治史の薄っぺらさに辟易している読者(=私)の不満を大いに解消してくれる。◇1997年刊行。著者は横浜国立大学名誉教授。

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  • マンションで読む。再読です。ただし、記憶がまるでない。いつ読んだのか、どこで購入したのか記憶がない。再読の価値があります。

  • シチリア総督だったウェレスの悪政を激しく糾弾し痛罵するキケロの『ウェレス弾劾裁判』という論文を読み解きながら、当時の属州シチリアと、ローマの政治体系を明らかにしていく本。<br>タイトルには『古代ローマ帝国』とありますが、カエサルもアウグストゥスも出てきません。元首時代に至る前の、共和制時代のこと書いてます。作者の意によるとインペリアリズム(帝国主義)は、たとえばかつてのソビエトや大日本帝国のようにエンパイアがいなくても成り立つので、共和制時代に帝国があってもおかしくないのだそうです。でも、まぎらわしいよねえええ

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