短歌パラダイス―歌合二十四番勝負 (岩波新書)

著者 : 小林恭二
  • 岩波書店 (1997年4月21日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304982

作品紹介

短歌と短歌が一対一で優劣をきそいあう伝統の競技「歌合」(うたあわせ)。この古式ゆかしい遊びを現代によみがえらせるべく、男女二十人の歌人が一堂に会した。甘やかな春の伊豆を舞台に、大ベテランから気鋭の若手まで、いずれ劣らぬ実力派の歌よみが真剣勝負に秘術をつくす。華やぎと愉楽に満ちた歌合戦の勝敗のゆくえはいずこ。

短歌パラダイス―歌合二十四番勝負 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 現代を代表する歌人20人が集まり、いざ、歌合わせ!

    とにかくメンバーが豪華。
    読んだ当時はわからなかったのだが、今この感想を書こうと、メンバーをパラパラ見てびっくりした。
    現代短歌を少し齧った人ならば、その面子に驚くはず。このメンバーが一同に介して歌合せをする、ということ自体がかなりの贅沢なのではないだろうか。

    この本では歌人が10人ずつの2チームに分かれ、歌合せをするという趣向の本(企画の実録本)で、短歌の読み解き方がかなり丁寧に書いてある。
    歌の読み方が様々に解釈されているので、歌の味わい方や鑑賞の仕方の手引きとして読むには最適だ。

    しかしプロの歌人さんばかりなので、『短歌はじめました。』『短歌があるじゃないか。』に比べると難解な歌が多い。
    なので、本格的に短歌を読んでみたいな、プロの歌を読みたいけど、どんなのを読めばいいのだろう、と思い始めたくらいの人にオススメの本だと思う。

    巻末にはそれぞれの歌人の自選五首が並んでおり、これをじっくり読めば好きな歌人がだいたい絞れるだろう。
    人気歌人の自選五首というだけあって、名歌揃いなんだな、これが。。
    ちなみに私が一番好きだと思った歌人は、加藤治朗さんでした。

    いくつか好きな歌を抜粋。
    きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり      永田和宏
    にぎやかに釜飯の鶏ゑゑゑゑゑゑゑゑゑひどい戦争だった        加藤治朗
    フランスパンほほばりながら愛猫と憲法第九条論じあふ           荻原裕幸
    ぼくはもっと近くにいたいもっともっと近くにいたい おっとりと雪       東直子
    白き花の地にふりそそぐかたはれやほの明るくて努力は嫌ひ        紀野恵
    生き物をかなしと言いてこのわれに寄りかかるなよ 君は男だ       梅内美華子

  • すごくおもしろく、そして「入門書」という評判にもかかわらず「ショートソング」から短歌にはいった私にはむつかしく、短歌といっても、まったくちがうものを読んでいる気がしました。
    穂村弘の解釈が目をみはるほど楽しかったり教科書のイメージしかなかった俵万智が強烈だったりして心踊る読書中。

  • 図書館より貸出。面白かった。

    たしか、栗木京子さんの本で紹介されてて、気になってた本。図書館であったので借りる
    (栗木京子さんの本は、→次の、どちらかだったと思う。→『短歌を楽しむ』か、『短歌をつくろう』共に岩波ジュニア新書、)

  • 臨場感があり、短歌の奥深さや面白さが伝わってきます。

  • 最初から最後まで一気に読み終えた。
    短歌の魅力がそれほどこの一冊には凝縮されている。

    何が面白いか。

    短歌とは詠むだけでなく、読み、批評が一体となった「座」の文化の面白さである。
    ここで行われている歌合は一流の歌人が詠んだ歌に、一流の読み、批評を加えていく。プロスポーツで言えば、スーパープレイの連続で「見どころしかない」と言って差し支えない。
    もっとやらないのだろうか、もうやらないのだろうか、この素晴らしい企画を。

    +メモ+
    個人的に気に入った歌

    春服を着てもひもじき空の下まず燕来よつばくらめ来よ(三枝昴之)
    奪うため破壊するため(力あれ)海道をゆく倭寇のように(田中槐)
    連綿と海老の種族を生み出してわが惑星のくすくす笑ひ(井辻朱美)
    城門は脚より昏れて夏の馬うなずきながら今日を閉じゆく(梅内美華子)
    あるぱかに春の裸身をつつみこむ天道さまに盗まれぬよう(東直子)
    「妻」という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの(俵万智)
    マルクスはかつて万能 おおどかにユーラシアに吹く風に運ばれ(道浦母都子)
    おまえだよ オランウータン7つぶん階段のぼってうしろを見るな(東直子)
    急行を待つ行列のうしろでは「オランウータン食べられますか」(大滝和子)
    幾千の種子の眠りを覚まされて発芽してゆく我の肉体(俵万智)
    家々に釘の芽しずみ神御衣のごとくひろがる桜花かな(大滝和子)

  • 短歌はさっぱりわからない私にとって、著者の解説や、批評合戦でのやりとりは、「短歌ってこんな風に読み取るんだ」と新鮮な驚きでした。
    短歌ってわからないという人にこそ面白い本だと思います。
    自分の感じたことを歌で表現できる人は本当に格好いい。

  • 現代に「歌合」を蘇らせる試み。
    いろんな楽しみ方ができる一冊。

    著者の読みと歌合の議論が楽しい。
    短歌を読みといて、咀嚼できた時の快感。

  • 人にかすまえに再読。短歌の楽しみ方がわかるので入門にはぴったりだと思う。二日目の歌合わせが特に楽しそう。参加したい。

  • 早春の伊豆で行われる古式ゆかしき歌合。
    新鋭・ベテラン取り混ぜて集められた20人の歌人。
    それぞれの短歌も素晴らしいんですが、応援合戦というか批評がいいですね。
    敵陣の歌をけなし自陣の歌を褒めたたえる。しかも即興で。
    これはなかなか難しいと思います。
    巻末に自選5首も収録されているのでたっぷりと短歌が楽しめます。
    判者と好みが違うのか好きな歌が負ける事が多かったのが残念★

  • おもしろい。短歌にちょっと興味がある、程度の人でも大丈夫。むしろそのくらいの人(つまり私)にこそオススメ。
    歌人を集めて、今はあまり行われない歌合わせを行う、実録物なんですが、歌人が様々に歌を解釈していく、その過程がおもしろい。短歌の詠み方、というよりは解釈の仕方読み解き方がわかる。歌人はこうやって歌を読み取り感じるのか!!というのが新鮮。
    また著者の筆も大変にすばらしいと思う。

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