短歌パラダイス: 歌合二十四番勝負 (岩波新書 新赤版 498)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304982

感想・レビュー・書評

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  • 現代を代表する歌人20人が集まり、いざ、歌合わせ!

    とにかくメンバーが豪華。
    読んだ当時はわからなかったのだが、今この感想を書こうと、メンバーをパラパラ見てびっくりした。
    現代短歌を少し齧った人ならば、その面子に驚くはず。このメンバーが一同に介して歌合せをする、ということ自体がかなりの贅沢なのではないだろうか。

    この本では歌人が10人ずつの2チームに分かれ、歌合せをするという趣向の本(企画の実録本)で、短歌の読み解き方がかなり丁寧に書いてある。
    歌の読み方が様々に解釈されているので、歌の味わい方や鑑賞の仕方の手引きとして読むには最適だ。

    しかしプロの歌人さんばかりなので、『短歌はじめました。』『短歌があるじゃないか。』に比べると難解な歌が多い。
    なので、本格的に短歌を読んでみたいな、プロの歌を読みたいけど、どんなのを読めばいいのだろう、と思い始めたくらいの人にオススメの本だと思う。

    巻末にはそれぞれの歌人の自選五首が並んでおり、これをじっくり読めば好きな歌人がだいたい絞れるだろう。
    人気歌人の自選五首というだけあって、名歌揃いなんだな、これが。。
    ちなみに私が一番好きだと思った歌人は、加藤治朗さんでした。

    いくつか好きな歌を抜粋。
    きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり      永田和宏
    にぎやかに釜飯の鶏ゑゑゑゑゑゑゑゑゑひどい戦争だった        加藤治朗
    フランスパンほほばりながら愛猫と憲法第九条論じあふ           荻原裕幸
    ぼくはもっと近くにいたいもっともっと近くにいたい おっとりと雪       東直子
    白き花の地にふりそそぐかたはれやほの明るくて努力は嫌ひ        紀野恵
    生き物をかなしと言いてこのわれに寄りかかるなよ 君は男だ       梅内美華子

  • 臨場感があり、短歌の奥深さや面白さが伝わってきます。

  • 現代に「歌合」を蘇らせる試み。
    いろんな楽しみ方ができる一冊。

    著者の読みと歌合の議論が楽しい。
    短歌を読みといて、咀嚼できた時の快感。

  • 早春の伊豆で行われる古式ゆかしき歌合。
    新鋭・ベテラン取り混ぜて集められた20人の歌人。
    それぞれの短歌も素晴らしいんですが、応援合戦というか批評がいいですね。
    敵陣の歌をけなし自陣の歌を褒めたたえる。しかも即興で。
    これはなかなか難しいと思います。
    巻末に自選5首も収録されているのでたっぷりと短歌が楽しめます。
    判者と好みが違うのか好きな歌が負ける事が多かったのが残念★

  • 短歌パラダイス、という書名に惹かれて読んでみた。
    歌合の様子が描かれている。
    たくさんの歌を読むことが出来るのが良い。
    「オランウータン食べられますか」にはかなりの衝撃を受けた。
    歌に作者の解説もあるので、難解な歌も理解することが可能。
    歌合参加者の解釈や対決の様子も面白い。

  • 参加者:井辻朱美・梅内美華子・大滝和子・岡井隆・荻原裕幸・奥村晃作・加藤治郎・河野裕子・紀野恵・小池光・杉山美紀・田中槐・俵万智・永田和宏・東直子・穂村弘・水原紫苑・道浦母都子・吉川宏志

  • 最強の歌人10人が結集した歌合の記録。歌の素晴らしさはもちろんだが、弁護や批評も含めた遊びとしての歌合が楽しい。自分もやってみたくなった。ちなみに、私のお気に入りの歌は、「『妻』という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの」(俵万智)、「家々に釘の芽しずみ神御衣(かむみそ)のごとくひろがる桜花かな」(大滝和子)

  • 面白い本

  • 其々の短歌はこんなにも素晴らしいのにてかてかひかるオヤジどもの野次に辟易し、せっかくのわくわくきらきら歌合が台無しだ、と思うことも時にはあったのだが、中には光る批評もあったりで一概にぶった切ることは出来ない本だった。だって歌人がなんと20人も参加している、いわばバトルロワイヤル短歌なのだから面白くないわけが無い。のだけど、参加人数が多すぎるせいでぐちゃぐちゃしている感も否めないのが残念。全体的にいささか下品。

    なんだかんだこの本は失敗作だと思う。
    面白いのだけれどね。

  • このところ、短歌から離れていたんですが、久しぶりに短歌関係の本を読んだら、短歌が詠みたくなってきました。

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