- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004305040
感想・レビュー・書評
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目次:
まえがき―『術語集Ⅱ』について
1 悪―存在の欠如/関係の解体/〈人類を進歩させていく重要な要因〉
2 アニミズム―生命感覚/アニマティズム/粘菌
3 アフォーダンス―現象学/マインドスケープ/表情
4 安 楽 死―消極的安楽死/リヴィングウィル/自然死
5 イスラム―湾岸戦争/モロッコ/ロジェ・ガローディ
6 インフォームド・コンセント―術語の翻訳/宝石箱効果/文化の翻訳
7 ヴァーチャル・リアリティ―実質性/仮想記憶/マインド・コントロール
8 老 い―〈人生の階段〉/平均寿命/老熟
9 オートポイエーシス―渦動/動的非平衡系/法システム論
10 オリエンタリズム―脱エグゾチズム/イメージの押しつけ/ヘテロピア
11 顔―観相術/顔画像のシミュレーション/《汝、殺すなかれ》
12 カ オ ス―無為自然/力学的カオス/カオスモス
13 記 憶―古代記憶術/〈方法〉の発見/想起的記憶
14 共 同 体―エゴの孤独。社会主義の実験/〈無為の共同体〉
15 グノーシス主義―異端/善悪二元論/〈悪しき造物主〉
16 クレオール―ピジン語/ポストコロニアル/カリブの〈新しい世界〉
17 宗 教―信仰心/虚無の自覚/逆光の存在論
18 儒教文化圏―沈黙の宗教/儒仏道三教/産業的儒教倫理
19 情報ネットワーク社会―informare/サイバースペース/ネチケット
20 人工生命―セルオートマトン/遺伝的アルゴリズム/〈ティエラ〉
21 人工知能―思考する機械/エクスパート・システム/ニューロコンピュータ
22 崇 高―反美学/無感動/縄文の美
23 世代間倫理―社会契約の相互性/長期責任の倫理/恩返し
24 テクネー―ヒポクラテスの誓い/アート&テクノロジー/放下
25 哲 学―生き方の確実な基礎/絶えざる自己還帰/哲学リズム節
26 日本的霊性―無分別知/もがり/生命存在論
27 脳 死―死の基準/脳幹死/人間の死
28 恥の文化―罪の文化/場所の支配/〈キタナイ〉
29 ヒトゲノム―シークエンシング/遺伝子テスト/遺伝子治療
30 秘密金剛乗―大乗と小乗/オウム教団/三毒十悪
31 ファジー集合―〈良い加減〉/コンセンサス/非デカルト的認識論
32 フェミニズム―〈女嫌い〉/ジェンダー論/日本型フェミニズム
33 複 雑 系―非線形/生きているシステム/〈カオスの縁辺〉
34 ボーダーレス―性差の曖昧化/境界例/distinguo
35 ポストモダン―ハイブリッドな建築/大きな物語の失墜/〈近代の超克〉論
36 免 疫 系―もう一つの自己/胸腺/アポトーシス
37 物 語―可能感覚/〈悟性の遠近法的短縮〉/物語vs科学
38 弱さの思想―パトスの知/行為的直観/パテーマ大全
39 リ ズ ム―振動/共振/汎リズム論
40 歴史の終わり―社会主義終焉/純粋状態のスノビズム/気概の喪失
文 献/あとがき/人名索引・事項索引詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本編と併せて書棚の真ん中に置いて繰り返し紐解きたい最良書。
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キーワードを「今北産業」的に数ページで解説してくれる優れもの。入門の入門くらいの感じでさくっと入っていけます。
メモ
・歴史の全体性がどれほど捉えにくく、それに向かい合う人々をカオスに直面。世界の総合的性格の捉えにくさ、それは永遠にカオス
・リズム:アナログ的・非線形的⇔デジタル的、この断絶を埋めるものとして振動、リズム。
共通のサーカディアンリズム(生物の体内時計のリズム)をはじめ、様々な周期のリズム振動が多数存在。別々に存在してるのではなく、互いに引き込み(entrainment)によって共振し豊かになる。
「リズム振動」「引き込みによる共振」→いたるとこに見出され、偏在的現象。・・・古代人はいち早く直感的にとらえていた。
・カオス:熱力学ではっきり。エントロピーは不可逆的変化によって常に増大。ex)心臓、脳の振動に生ずる乱れ/野生動物の個体群の変動→自然の不規則な面、断続的で気まぐれな面。
実在の無秩序、不安定性、非平衡、非線形の関係性・時間性。
巨視的に見れば無秩序かもbut微視的に見れば高度に組織化されている。
・バーチャルリアリティ:vertu=美徳。formal/possible/actualの反対→実質的な。
光学>屈折や反射が生み出す「虚像」。想定できない粒子の速度、運動率=ヴァーチャル速度、ヴァーチャルモーメント。
コンピュータ>ヴァーチャルメモリ=仮想記憶、エイリアス(デスクトップの分身)。光学上の虚像とにてるかな?
あるにはあるが通常と違う「別の在り様」
コンピュータサイエンスやテクノロジーが人間にもたらした新しいリアリティ(現実)は今考えるべきところかな。
フロイト:文化は人間が作った貴重な産物。自分が作り出した文化によって拘束されるパラドックス。言葉もそうだね。
マルクス:資本主義社会規範によって人間性が疎外される。
・オリエンタリズム:EUによる異国趣味(=西洋の東洋に対する支配の様式)。非EUなイメージの押し付け。
根底>東洋西洋間の本質的な差異、存在論かつ認識論の分別。
特定なイメージで表現、把握。 -
『悪』が一番しっくり来ました。
悪=関係性の破壊
確かに。 -
これも言語論の教科書。
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100円で手に入れたにしては、お値打ちの1冊であった。よくわからん用語も多いことは多いが、大概の記述は一般の読者向けに、ごくくだけた文体で書かれている。教養が即刻効果を表すかどうかはともかくとして、なんとはなしに、興味は広く持たなくてはいけないなあ、という気持ちにさせてくれる。
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高3〜浪人時代、各章を400字で要約してました。これによって、基礎知識だけでなく、文章法も学びました。
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術語集の続編。こっちの方が現在よく聞く言葉を多く採り上げている気がする。とはいえ、コンセプトは変わらず、ちゃんと意味を理解して使いたい言葉が選ばれていて、すごく勉強になった。