ぼくのマンガ人生 (岩波新書)

著者 : 手塚治虫
  • 岩波書店 (1997年5月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004305095

ぼくのマンガ人生 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 苛酷な戦争体験を経て「生命の尊厳」を後生大事にするようになった経緯と、それが手塚作品を通底する大テーマであることが語られる3,4章が一番の読みどころ。「手塚治虫は科学技術を礼讃している」という世の風評に対して忸怩たる思いも表明されている。この点につき、手塚のよき理解者であった葛西健蔵氏は「手塚治虫の哲学は『生命を大切にする』ことと『心なき科学技術の発達はかならず人類を滅亡させ、地球を滅ぼす』というものです」(p.162)と簡にして要を得た談話を残していらっしゃる。手塚作品の原点を探れる一冊。

  • やらずにはいられないものってある気がするし、誰しもそれには向き合うべき。
    ただやりたくない事とも戦わなくてはいけない現実もあってどれだけその中にあって自分の本能に従えるか。
    自分にとって本当に大切なものは何か、社会にとって必要なものか何かを深く考える人だという印象。
    誰かへの真剣なメッセージを自分も伝えられるようになりたい。

  • 道は二つ持つ、ということを早い段階で学べた本。

  • 日本人に生まれたことのメリットはいくらもあるが、手塚治虫を原著で読めるというのは、間違いなく最大のメリットのうちの一つだろう。その手塚治虫の死後8年、生前の講演記録などから書き起こされたエッセイ集。

    少年時代からマンガに取り憑かれ、そして、太平洋戦争の空襲を生きのびたことで、永遠のテーマ「生命の尊厳」を得る。その後はひたすら、しかし、当たり前のようにマンガ(とアニメーション)に情熱を傾ける人生を様々なエピソードを交えながら振り返る。

    手塚治虫が少年時代に書いたというマンガの、生きいきとした表現に感銘を受けた。やはり天才というものはいるものだ。

  • 昭和マンガ界の巨匠、手塚治虫先生晩年の講演記録(テープ)から、子供時代に始まるマンガ家としての人生をまとめたものです。
    マンガをとおして、読者に表現したかったもの、そしてあくまでもそれを追求していった事に、手塚治虫の偉大さを感じます。
    手塚治虫のテーマはただ一点、「生命の尊厳」であるということ。
    そして、そのテーマを表現する為に、手を替え品を替え様々な表現手法をとってきた、という歴史を読み取ることができるのです。
    本人が話した講演をおこしているので、文字にしても手塚治虫の魂が伝わって来るようです。

    単なる作品紹介とおもって購入すると、全く別のものです。
    しかし、手塚治虫の作品をある程度読んでいて、心が動いた経験のある人ならば、物語という側面ではなく、1人の人間が人生を通して伝えたかった事とその大きさ深さに、再び心を動かされることでしょう。
    生きる! ということに対してほんとに真剣だった手塚治虫。
    そのエネルギーを少し別けてもらえるような感じがする、良書です。

  • 編者の意図が強すぎて、本当に本人の言論なのか不安になる。が、面白い。

  • 今年『火の鳥』を読んだこともあり読んでみた。

    手塚治虫の講演記録をまとめたもの。でも、複数の講演をまとめたとは思えないほど自然に読めた。話し言葉であるのはやっぱり読みやすい。

    とても沢山の作品が残っていてほとんど読んだことがないけど「生命の尊厳」が一貫したテーマとのこと、『ブラックジャック』や『火の鳥』だけっていうわけじゃないんですね。

    小学校の作文の話では、早熟というかやっぱり頭が良かったんだなと思う。自分の小学校の時の作文なんてひどいものだった。ここまでマンガが好きだったら、多少先生に恵まれていなくてもやっぱりマンガを描き続けていたんじゃないかなとも思うけど、周りがやめさせなくてよかった。おかげで僕らも作品を読むことができる。

    作品に込めた思いや子供に対する思い、さらには広く人類一般に向けたメッセージなどを知ることができて良かった。普遍性のあるメッセージ。もっと多くの作品を読みたい。

  • 1997年刊行。1986~88年頃の手塚氏の講演録を集成したもの。◆晩年に近いからか(手塚氏の没年は89年2月)、あるいは講演の演目・聴衆が理由なのかもしれないが、やや建前論に終始している感はある。が、彼の善の部分と理解すれば、それ程不自然ではない。戦中世代からの真摯なメッセージと受け取れば、自然と頭がさがってくる書である。

  • 尋常ならざる努力の人で、また本人はそれを努力と思っていなかったことがよくわかる。
    弟の漫画に落書きをしてダメにしたエピソードなど嫉妬狂いの面もあって、しかしそれが突き動かす原動力にもなってたんだと思う

  • この本は、言わずと知れた漫画の神様、手塚治虫自らが書いた貴重な本だ。
    彼の漫画に対する想いや「手塚治虫」の人物像、そして、いかにして「漫画の神様」と呼ばれるまでになっていったのか…。そのようなことが幼少期から漫画家になるまでのことなどが、この一冊にまとまっている。

    子供の頃の親友や妹、借金まみれになったときに救ってくれた人物などが、彼との思い出を振り返る文を寄稿している。
    この本を読んで、手塚治虫の描く漫画に一体どのようなメッセージがあるのかを考えながら読むと真意が見えてくるのかもしれない。文章も形に沿った堅苦しいものではなく、どこか温かい雰囲気があり読みやすいと思う。彼の漫画は大人向けのものから子供向けのものまで、多種多様なテイストに見えるが、根本的なテーマは一貫しているのだと改めてわかった。
    作中で、私が彼の残した言葉で印象に残った言葉を紹介しよう。「大きくなってからは、少なくとも二つの希望を持ち、二つのことをつづけること」という言葉だ。

    意味は、たとえ二つのうちの一つが挫折することになっても、もう一つの希望は残るからだ。生きていたら、人生の選択をするときがかならずある。そのときに選べるものがあることは、ほんとうに幸せなのだと、手塚治虫は語る。
    なぜ印象に残ったのか。それは、私が高校生の頃、現代文という授業を教えていた教師も「本当の自由は人生において選択肢があることで、幸福なことなのだ」と、今でも覚えている言葉を、本作を読み再び出会ったこの言葉の真意を考えさせられたからである。 (160116 花のミル)

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