太宰治 (岩波新書 新赤版 560)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004305606

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  •  太宰の個人史を辿りつつ、奥野健男氏の提唱に従い、大きく「前期」「中期」「後期」の三つに執筆期間を分類し、その中で書かれた作品についての「再入門」—再読から見えてくるものについて考えていく。

     当時の時代背景、作品にまつわるエピソード等が語られているのは当然のことながら、彼の作品に通底して見られる〈語りかけ〉の形式や作品の〈軽み〉などを中心にこれまでの論を踏まえつつ解釈していく。
     結局のところ「読み方」に関しては、ある一つの考え方に縛られること無くさまざまな可能性のもとで読者自身が揺れながら読んでいくのが良いとする、多少月並みな感も感じられるものだったが、鋭い考察がとても多く、太宰治論としては非常に良くまとまっている一冊ではないだろうか。

  • 【読書】昨日ウッチャンナンチャンのイロモネアを見ていたら、ピースが出ていた。綾部は面白くなかったけど、又吉は面白かった。ちなみに又吉は、読書が好きらしい。好きな作家は太宰治。携帯の待ち受けも太宰治らしい。そんなわけでこの本を手に取る(どんなわけだ)。実は、本当に恥ずかしながら、太宰治の本をしっかり読んだことがない。たしかに人間失格、走れメロスは読んだことがあるような気がするが、あまり記憶がない。太宰治を読む上でまずは入門として読んでみた。昔はなんにも考えずに学校の先生から読めといわれていた本も年を重ね、経験を重ねると、やはり見えてくるものがある。さて、何から読もうか。ちなみに、ピース又吉は携帯の待ち受けが一時的に正岡子規だったことがあるらしい(超どうでもいいですが)。

  • [ 内容 ]
    波乱に富んだ人生を送った太宰治は没後五十年を迎える。
    多くの、特に若い読者を引きつけ続けた作品群は、いま私たちに何を問いかけるのか。
    『女生徒』『斜陽』等の多様な「語り」の魅力、『お伽草紙』『人間失格』などに響く人間賛歌を、誠実な「読み」から導き、確かな構成力と洒脱な精神を併せ持った作家・太宰の姿を、時代を追って描く。

    [ 目次 ]
    序章 いま太宰を読むこととは
    第1章 作家・太宰治の誕生まで
    第2章 生きて行くために、書く
    第3章 「美談」の造形
    第4章 動く「私」
    第5章 戦時下の自在
    第6章 元気な女たちと「父」
    第7章 さらなる人間悲喜劇へ

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