水族館のはなし (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 51
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004305750

作品紹介・あらすじ

楽しいイルカのショー、かわいらしいペンギン、ラッコ、北の海の力強い魚群や南の海の色とりどりの魚たち、神秘的なクラゲ…水族館は居ながらにして世界中の海の中が探検できるワンダーランドだ。また多種多様な水の生物の分類研究や希少種の保護など、数多くの大切な活動もある。水族館の歴史から現在、これからのあり方までを語る。

感想・レビュー・書評

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  • 古本で購入。

    旧江ノ島水族館の社長兼館長の著者が語る「水族館のはなし」。
    水族館の歴史とその役割を中心に、水族館を概観できる本です。
    著者の勤める江ノ島水族館の事例が多いけど、水族館を通した環境への関わりが大きなテーマになっている。

    水族館のつくられた経緯にはだいたい4つの流れがあって、それは
    1.博物学者の科学的興味などから生まれたホーム・アクアリウム
    2.動物園付属施設としてつくられたもの
    3.目玉展示で話題を作る博覧会発生型水族館
    4.大学その他の機関が設立した臨海・臨湖の実験所に併設されたもの
    といったものだそうな。

    世界最初の水族館と言われるのは、フランスのボルドーにあった博物学者のホーム・アクアリウムらしい。ちなみに第2の水族館もフランス。
    これはまったく知らなかった。
    なんか意外な感じがするけど、博物学の蓄積がモノを言ったのかな。

    水族館の歴史を扱う第1部は、話が多少とっちらかってるけどなかなかおもしろい。

    水族館の役割として稀少生物の保全活動にかなりページを割いているあたり、文系出身館長である著者の水族館活動に対する真摯さが垣間見られる。
    それに利益を上げなきゃいけない私立水族館の社長らしく、レクリエーション施設としての水族館の存在も重視してる。
    娯楽性と教育性のバランス感覚は、動物園・水族館にとってとても大事だと思う。

    発行が1998年なので、残念ながらデータや情報化絡みの話題は古いです。
    著者が保全を強く訴えるヨウスコウカワイルカは、本書にも出てくる飼育個体が死んで野生での存続も絶望視されている。
    口絵に載っている、セカンドバッグを抱えるオッサンのように左前肢でバケツを抱える姿が妙にかわいいミナミゾウアザラシのミナゾウも、2005年に死んでしまった。
    たったの10年で野生生物の置かれる環境は激変するんだな、と特に前者には思わされる。

  • 水族館好きとしてはなかなか面白かった。

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