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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004305811
みんなの感想まとめ
精神病や統合失調症についての理解を深めるためのコンパクトな解説書であり、一般の読者にもアクセスしやすい内容となっています。著者は、哲学的な考察や実証的な研究に偏ることなく、バランスの取れた視点から精神...
感想・レビュー・書評
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精神病ないし統合失調症についてのコンパクトな解説書です。
同じ岩波新書には、人間学的な精神病理学の立場に立つ木村敏の『心の病理を考える』という本がありますが、本書は哲学的な考察に入り込むのでもなく、また実証的な研究成果を紹介することに終始するのでもなく、バランスの取れた記述になっているように思います。もっとも、個人的には木村の著作がおもしろく読めたのに対して、本書の叙述にはちょっともの足りなさを感じてしまったのも事実です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすく丁寧に、かつ正確に記述されている。また、筆者の統合失調症患者に対する思いも伝わってくる。少々古いけど未だに素晴らしい一冊。
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「精神病」という言葉には少しドキッとする響きがあるが、本書が書かれた1998年はそう呼ばれていた。特に本書が扱う「分裂病(精神分裂病)」は現在でいう「統合失調症」の事を指す。これは「分裂」という言葉自体から来るイメージが人格がまるでバラバラにでもなり、その結果この病気を持つ人々に対して強い偏見を持たれる事を防ぐ意味合いがある。それでは現在の統合失調症=かつての精神分裂病がどの様な症状を持つ病気であるかと言えば、「考えや気持ちがまとまらなくなる状態が(しばらくの間)続く」というものである。こう記すと、そんな事は誰にでもあるし、自分にも当てはまるのでは無いかと感じるだろう。これが病気である所以は、症状が酷くなってくると幻覚や妄想が付き纏い、自身を正常に保てなくなるところに行き着く。もっともひどい症状が出た際に、本人に自覚があるかと言うと、(もちろん自覚していたり、後になって「あの時はおかしかった」と気づくこともあろうが)多くは周囲に居る身近な人間が異常に気づいて病院を訪れるケースが多い。前述した様に「考えがまとまらない状態がしばらく続く」様な軽度のものも含まれるから、日本人の100人に1人は罹患しているメジャーな病気である。症状は大きく3つに分類でき、「陽性症状」のは、陽性という言葉が示す通り、普段の行動には見られない「幻覚」や「妄想」が症状として現れる(周囲に必ずいる「妄想癖」「嘘つき」と言ったものとは一段レベルが上だ)。次に「陰性症状」は本来あるものが失われた状態、喜怒哀楽が無くなり無関心な状態になる感情の平坦化が起こった状態を表す。これになると意欲の低下が見られるため、自身の身なりにさえ気を遣わなくなり、髪はボサボサ、髭は伸ばしっぱなしの様な見た目の変化が出ることもある。最後に「認知機能の障害」と呼ばれる状態は集中力や記憶力の低下、情報の整理が難しくなった状態を表す。これに至っては、日々の仕事の中でも、あまりに膨大な仕事に囲まれて、自分がその様な状況に陥っていると感じる人もある程度いるのでは無いだろうか。
本書は学術的な見地から、この精神分裂病院とは何か、それへの本人または周囲の人間の向き合い方について記載されたものである。読み進めていく中で、自分の経験などと照らし合わせて、過去に似た様な自分を見た人も一定程度いるかもしれない。具体的な状況までは思い出せずとも、極度の緊張感状態に陥ったり、恥ずかしい想いをしたり、叱られて窮地に追い込まれて精神的に参ったりと、嫌な記憶はだれにでもある。そうした状態に精神が耐えられなくなった時、この病気を発症することがある。現代病とも言える「うつ病」についても、家族や親しい友人の死であったり、大災害に見舞われた際などに発症することが多いが、日常的に耐えられる心のキャパシティに負の感情が大量に注ぎ込まれた時、まるでコップから水が溢れるように病状が出る。だから誰にでも起こり得る病気なのかもしれない。
とは言え病気が遺伝的に発生することもあるし、海外の事例では4人の姉妹が全員病気になったケースなども紹介されている。現在の研究でも遺伝的要素は統計的に示されており、さらなる研究が進められる分野でもある。そして遺伝に於いても必ずしもなるわけでは無いし、体質的なものに加えて環境要因が大きく影響することもわかりつつある。近年は脳科学研究が躍進し、まもなく脳の機能に於ける原因特定や根本的解消法が見つかる可能性もある。脳科学研究に期待が寄せられている。
タイトルだけ見ると中々手の出しづらい書籍ではあるが、自己防衛のためにも、周囲のサポートのためにも、先ずは病気自体を理解し、知ることから(敵を知る)始めたいと思える一冊だ。 -
私淑している、笠原嘉先生の著書。
先生の著書は、本当に読みやすいです。デフォルメされているわけでなく、精神医学として、臨床医として大切な知識はそのままに、優しい語り口でスッと読むことができます。
2002年から統合失調症と呼ばれる前、精神分裂病と呼ばれていたこの病気について、分かりやすく解説されています。
統合失調症というと、幻覚や妄想といった症状を思い浮かべるかもしれませんが、
症状の中心は、社会性や常識性を失う点にあります。
知能や意識状態には支障はないにも関わらず、他人との共鳴がうまくいかず、自分だけの世界の中に入り込んでしまう病気です。 -
昔読んだ本
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林公一さんのサイトで推薦されていて読んだ。よくまとまっていてよい本。こういう本のわりに語り口が丁寧でやわらかい。
未読の方へ。統合失調症(かつての分裂病)の本です。 -
統合失調症について、わかりやすく解説しています。
現在では若干認識の変わっていることもあるらしいとのことです。
非常に中立的な印象を受ける内容で、そういう人が身近にいる人もいない人にもオススメです。 -
「精神病」というおどろおどろしい題名ですが、
内容は、筆者の暖かなまなざしにあふれていて、
非常にいい本です。
分裂病を、データや筆者の患者の例にもとづいて
説明しているのですが、
現在は軽症化の傾向にあることが繰り返し述べられています。
それと、僕が一番おもしろいと思ったのは、
以下の3つの点で、分裂病は、
とても社会的であると述べていることです。
まず、分裂病に独特の心理も、現代社会にあっては、
周囲を驚かせるような激烈な形をとらなくなっているという、
軽症化の理由について言及した部分。
次に、この病気は、
「知性や意識の低下ではなく社会性・常識性の破綻」であるとして、
その原因に、人間の「社会性」の発達と何らかの関係性があると
ほのめかせている点。
最後に、治療には、、
社会復帰こそが治療の目的であること、
そのためには、社会福祉の充実が不可欠であるこということ。
現代社会の論点をとらえとようとするなら、
分裂病の心理を考えることで、
貴重な「贈り物」があるかもしれません。
社会学を学ぶ上でも、重要なことを示唆してくれた1冊です。 -
15年前に読んだ本をもう一度読み直してみたけれど、いまだに古くなっていない内容だった。唯一、病名が統合失調症という呼び方に変わったということだけで、ほかの知見は現在も生きている。良書だと思う。
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がん末期の患者さんが泣いてしまって、「泣きたいのはこっちです!」と言いにきた後輩にあぜんとしたことがあったけれど、統合失調症の方こそ「不安なのはこっちです!」ということなんだろうなあと思わせてくれる本でした。
こういう愛ある説明本が好きです♥ -
bookoff online で購入。精神病の分類,分裂病の特徴から経過,治療,そして社会の受容体制の話までをまとめている。10年以上前の本ということだったけど,分裂病(統合失調症)のことは詳しくないので新鮮な話ばかりだった。病跡学(パトグラフィー)のところが特に興味深く,ドイツにあるという分裂病の方が描いた絵を集めた美術館に行ってみたいと思った。
病気の経過については,「悲観論にひきずられすぎないでください」ということだったけど,この本に書いてあった症例を見る限り,年齢を重ねないと良くなりにくいのかな,と思う。言い尽くされたことだけど,診断があったら本人も周囲も,長い治療になることを覚悟しなければならないのだろう。 -
林公一先生の紹介がきっかけで読み始めました。
書名こそ精神病でありますが、内容は分裂病(今は統合失調症)が主です。
ストレス社会と言われる現代にて増え続けるこの病気。
1000人に8.5人ほどが発症し、それほど珍しい病気とは言えない。身近になりつつある病気である。
大別して二種類存在し、幻覚妄想が主な陽性症状と、無気力無関心を主とする陰性症状に分かれる。
先入観からか前者のイメージが強い病気だと認識されているが、実際には後者の患者の方が多く、いわゆる「大人しい人」が掛かり易い病気である。
この病気は他人や社会との「繋がり」に不具合が生じ、互いに通じ合う事が困難になる病気である。決して狂気に陥るわけではない。 -
分裂病をメインに書かれている。
自分がけっこう分裂気質な人間だということがけっこう明らかになってきて憂鬱になる。でも為になる本だと思う。 -
2009.3.29-(29)-4.3
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統合失調症は不治の病で一生服薬、と思いこんでいたが、考えを改めた。今では外来ですっかり寛解していて社会生活を送っている人も大勢いるようだ。いつまで服薬するのがいいかとか、統合失調症の経過のページが興味深い。中でも誘因について遺伝か環境かの項目がだんぜんおもしろい。統合失調症と社会の近代化との関係がおもしろい。昔と現代とでは妄想の中身でも大きく違ってきているようだ。私は、近年、脳内化学物質に注目しており、分子生物学的視点で統合失調症をすべて解説できる、と信じ込んでいただけにこの本はまた違う学問分野に開眼させてくれたのである。たとえば、脳には言語中枢などと並んで社会性中枢なるものが存在するのではないか?というのも興味をそそられる見解である。統合失調症はあくまで文明病なのではないか?という見解もおもしろい。最近の患者さんの話を読むと本当にそうかもしれないな、と思わず納得した。
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分裂病を中心として、精神病の誤解を解くことに腐心している本といえるでしょう。その丁寧な語り口とは裏腹に精神病の誤解を解くという熱情を感じました。少し内容が古いので情報の更新は必要となりましょうが、精神病と人格障害(本書では「パーソナリティの歪み」)の違いについては、わかりやすい説明で解説されていましたし、その他にも誤解していた部分を丁寧にひも解いていただいた、というのが読後の感想です。
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なんというか身近にそういう人が居ないので、実感として理解はできていないと思う。しかし他人事ではないという事はわかる気もするし、想像力のある理解がないとダメだなーと思った。
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精神病ってどんなものがあるんでしょうかね?
自分ではわからなくても悩んでいたら、実は病気かも??!
本を読んで症状を確かめてみるといいかも。
この本が好きな人におすすめの本
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