- Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004306153
感想・レビュー・書評
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一つの見方の提供と事例の紹介
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「まちづくりの発想」という本の続編だということを最後の章で知った。この本は「都市計画―利権の構図を超えて」と時間軸は同じだが、中身は違ってタイトル通りに実践例を示している。ということで読んだ順序がすごく良かったのだと思う。政府とゼネコンがいらんことやってる間にさまざまな地域で実際に動いていた/動けていた人たちがいる、ということが知れて少し未来が明るくなりました。
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まちづくりの実践について、具体例を挙げながら説明している良書。価値の創出や市民についてということから始まり、まちづくりの主体は誰か?まちづくりの仕組みとは?など、まちづくりについてのやり方・概論を詳しく説明している。これを読んで、自分でもまちづくりを実践できるのではないかと思えた点が非常に大きい。時代は古いが、日本だけでなく世界のまちづくり実践についても述べているのもよかった。
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出版社/著者からの内容紹介
ちょっとしたアイディアと実行力があれば「まち」は生まれ変わる.自然の豊かな「まち」,歴史と文化の香りあふれる「まち」,高齢者や障害者にやさしい「まち」….過疎の農村も,都市の住宅街も個性的な「まち」になる.全国各地のユニークな「まちづくり」の実例を検証し,住みやすい「まち」をつくるための方法を提案する.
目次
序章 市民の「まちづくり」
第1章 「まちづくり」の実践
第2章 地域の価値発見
第3章 価値の創造
第4章 誰が「まち」をつくるのか
第5章 「まちづくり」の構造
第6章 「まちづくり」の実践のヒトとシクミ
第7章 「まちづくり」の実践の力 -
地域活性でもなく町おこしでもない「まちづくり」について書かれている本。
自主的にその土地のよさを再発見して差別化するには?
ということについて、簡単な事例と共に説明されている。
まちは変化するもので不変ではない。
時代時代で変化をし、風土や文化も形を変える。
いきをながく、継続的にしなければ意味がないモノ。
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「長岡 米百俵」
疲弊した長岡藩に救援のために届いた米百俵を皆で分けて一時の飢えをしのごうというときに、家老の林寅三郎は断固として拒否をし、これを売って金に替え子弟の教育にあてることを主張した。
一時の空腹を満たすよりも、将来の人間育成へ投資する政策を選んだ。
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予算がないからと言って、安易にこれからの人材を育てるための投資を惜しんではならない。
「まち」を愛し、人を愛し、フィロソフィーを持ってチエを働かす人々を育てるべき。
という言葉に、何においても言える言葉だと感じた。 -
結局、「まちづくり」のよしあしは、人の「感度」のよしあしに左右されるのかもしれない。このままではいけないという発案者の危機感という「感度」、地域の良い要素を見つけて伸ばす「感度」、その動きを支えるべき周囲の住民や自治体、国等の担当者の、発案者の良い動きを見つけ、その良さに気づく「感度」。われわれ自治体職員に求められているのは、そういった「感度」を日々の生活や仕事の中で磨くことではないだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20060818 -
「まちづくり」の定義が「住むに値するまちをつくること」だとするならば、一番優先すべきは「お金がそこで稼げるかどうか?」であると思う。
文化とか歴史とか、環境が良いとかそんなのは二の次で、その土地でお金が稼げないならば、人は絶対に住み着かない。
人口減少時代で、人とお金が集まるところは限られる。つまり、日本国内の市町村の間でも人とお金の奪い合いなのだ。それくらいまちづくりは熾烈な争いなのだ。
生ぬるい事を言っていると、いずれは滅びる市町村になってしまうだろう。
非常に、非常に生ぬるい、まちづくり論だった。 -
様々な事例を交えながらまちづくりの実践方法について述べられています。
何十年も前の事例ですが、現在でも通用する話題がいくつもあります。 -
仕事の関係で読んだ。抽象論のところはあまり面白くない。10年前に出た本なので、当然とされる所も多いであろう。しかし、鶴岡八幡宮の裏山が買い取られそうになったので、大佛次郎が全国から資金をつのり、イギリスにならって、ナショナルトラストの第一号を作ったとか、戦後すぐの1947年飯田で「リンゴ並木運動」を興した校長先生の話など、「まちづくり」に情熱を傾けた人たちの物語は面白い。ある山村の(農水省主動の米づくりをやめて)「ウメ・クリ植えてハワイに行こう」というスローガンはおもしろかった。「まちづくり」には、風土火手(風は外から来る人、土は土着の人、火は情熱、手は技術)が必要だというのは面白い。