- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004306160
作品紹介・あらすじ
鉄筋腐食がすすむ高架橋、骨材が溶けていく橋脚、基礎が崩れていくマンション。本来二〇〇年の耐久性をもつはずのコンクリート構造物に、いまあちこちで異変が起きている。高度成長期の骨材資源の枯渇と欠陥セメントの大量供給、さらに手抜き工事が招いた負の遺産である。真に安全な構造物をつくるために何が必要なのだろうか。
感想・レビュー・書評
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明治時代のコンクリートは100年保つというのが印象に残っている。
いまはそこまで保たないそうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
塩分は、コンクリートのアルカリ骨材反応や炭酸化を促進させる本当に害悪な存在だというのが印象に残った。海砂によって、コンクリートの品質が大きく低下し、建設後僅か十数年程度の高架橋がボロボロになってしまう異常さに衝撃を受けた。また、圧送ポンプを使い始めてからコンクリート品質低下に繋がっていることから生コンに水を過剰に加えるということも害悪だということに改めて気付かされた。
一番衝撃だったのが、発注者である官公庁の技術力低下によるゼネコンへの一方的な信頼や元々のコンクリート学会の出身者があまり化学に力を入れてなかったというように組織的な問題があったということだ。
こういうことに自分も巻き込まれないように、施工や品質管理などに関する知識を今からつけなければならないと強く感じた。 -
ふとした瞬間に「そういえばアスファルトって凄くね?」と思って関連本を探したが見つからず、しょうがなく手にしたコンクリート関連本。主題は1999年発行の欠陥コンクリート警鐘。コンクリートについて初心者向けに解説があるわけでもなく、告発内容にしても昔の話も今の話も全く馴染みがないので、なるほどと思って読み進める以外に感想がない。要勉強。
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コンクリートの危険性の話
アルカリ骨材反応の話 -
コンクリートの材料特性、施工や維持管理での課題について指摘した、重要な一冊。
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コンクリートの劣化機構やその診断法が分かりやすく解説されていて参考になった。数年前にコンクリート構造物の崩落が話題になった時、コンクリートの寿命はせいぜい40年と言われていたように記憶しているが、丁寧に作れば150年以上使えるというのは初めて知った。
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東大教授おすすめ
これを知らないで一生を終えるのはきっと貧しい人生になる -
コンクリートの劣化のメカニズムが化学式が使われるような学問的なめんと、実際の例が出ている。コンクリートは新しいほど質が悪いという言葉が重い。
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化学をほとんどやってないので、前半の劣化現象の解説がちんぷんかんぷんでした。もっと勉強しないと。。。そのせいか繰り返し繰り返し出てくる話にはちょっとうんざりしました。
ただ、どんな問題が生じているかということは良く理解できるので建築関係にかかわろうとしている人にとっては良い本かもしれません。実際九州新幹線が開通する直前くらいから新幹線の高架橋柱がそこら中で補強工事されていたし、事実なんだろうということはすごく実感できました。あと、本書によれば2000年くらいを境に法律とかも変わってきているはずなのでどう変わってきているかの現状も知りたい。 -
コンクリート建造物は2005年から2010年頃にかけて一斉に崩壊する。
えぇぇぇ、コンクリートってメンテナンス・フリーの丈夫な建物じゃ
なかったんですかぁ?
思わず悲鳴を上げるところだった(噓だけど)。でも、思い出すこと
がある。阪神淡路大震災の時、阪神高速道路の橋脚は綺麗に折れて
いた。
阪神高速道路ばかりではない。本書は1999年の発行だが、著者が
調査した時点で開通から15年目だった山陽新幹線の高架橋からは
コンクリート片の剥離、落下のみならず、異常な亀裂が数多く発見
されている。
では、頑丈であると言われたコンクリートが何故こんな惨状を呈する
ようになったのか。
それは高度経済成長期の建設ラッシュで良質なコンクリート素材の
入手不足からはじまり、海砂を使用したことで塩害が起こり、監督
官庁の監視不足で手抜き工事が行われ、柔らかいコンクリートの
方が扱いやすいと現場で違法に水が足されたからetc.
非情に専門的な事柄なのだが、それを一般にも分かり易く解説して
いるので読み易い。
東京オリンピックを境にコンクリート建造物の質は劣化しているそうだ。
うわぁ、東京の首都高速道路もそうじゃないのか。数年前、開通から
40年を経過したからと大幅架け替え計画を発表していたが、本当は
もっと酷いことになっているじゃないの?
いやん、コワイコワイ。そこらじゅうコンクリートだらけの日本、耐震
基準がどうたらの前にコンクリートの強度検査の方が必要なのでは
ないだろうか。ブルブル。