冠婚葬祭 (岩波新書)

  • 岩波書店 (1999年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004306306

感想・レビュー・書評

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  • 本書を読んでいるときに島根に住む義父が亡くなった。6年前に私の父母が亡くなっている。そのときの流れで考えていたらずいぶんとタイムスケジュールが違っている。土地土地で風習に違いがあるのだ。もう、コンビニだってファミレスだって全国どこでも似たようなものだけれど。まず、一番大きな違いは、火葬が済んでから、お通夜、お葬式となっていること。火葬までに3日間あいだが空く。いま、妻の実家の座敷に義父は眠っている。どうやら枕飯は無いようだ。私の父母はすぐに葬儀場に運ばれてそこに安置されていた。うちの実家は狭くて寝かせる部屋もなかったのだけれど。その後、湯灌をし、火葬。こういう儀式めいたことをするのもそのとき初めて知った。省略することもできたようだが。義父は湯灌をしないようだ。まあ、いろいろとそれぞれに都合があるのだ。いま見てみたら、仏滅通夜、大安葬儀だった。それと、20年ほど前に、妻の祖母が亡くなっている。そのときは、お寺で全て済ませていたはずだけれど、今回はどこかのホールでするようだ。本書が書かれてから四半世紀が過ぎた。その間に世の中も大きく変わっている。七五三とか十三参りとか、結局うちの子どもたちには何もしてやらないままだった。それでよかったのかどうか。いろいろなしきたりのいわれを知っていると、また感じ方もずいぶんと違うものだ。花嫁のお色直しにしても、別にファッションショーをしているわけではなかったのだ。耳塞ぎ餅とかもおもしろいなあ。米の力は偉大なのだろうな。私も先日還暦を迎えたのだが、知らないことが多すぎる。だから、いつまでたっても自分のことを子どもとしか思えない。まあ、2回喪主を務めたことで、少しは大人の仲間入りができたかもしれない。そう言えば、私の母も三途の川を渡りかけたという話をしていた。義父が息を吹き返すことはないのだろうか。身体の上にはドライアイスが敷き詰められているしなあ。

  • 出産や成人、結婚、葬式など、人生の中で経験することになるさまざまな民族儀礼の概観をおこなうことで、日本人の霊魂観について考察している本です。

    個人の人生の画期をなす出来事が、民俗学的な時間秩序の中でどのような意味を持っているのかということについて、考えさせられました。

  • 個別には興味深い習俗があったが、全体的には散文的というか、まとまりがないというか。
    新書だからあまり深いところまで触れられないのは、仕方がないのか。
    なぜ、お米が呪力を持つことになっているのかが気になる。

  • やっぱり民俗学は面白くて、好きだなあ。

  • 宮田先生の本はどれも章建てが細かくて、わかりやすく読める。
    ましてやこの本は冠婚葬祭という身近なテーマなので、誰にでもとっつきやすい。

    なかでも興味をひかれたのは、胞衣(エナ=胎盤のこと)についての記述。
    昔は胞衣塚というものがあって、そこに埋めたんだそうだ。
    もう一人の子供のような扱いで、大事にするという。今からではとても考えられないが……。

  • 大学の一般課題で選びました。
    選んで大正解。これは面白いです。橋の下、とかね。

  • 2004年10月14日

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著者プロフィール

宮田 登(みやた・のぼる):1936年、神奈川県生まれ。筑波大学教授、神奈川大学教授、国立歴史民俗博物館客員教授、文化庁文化財保護審議会専門委員、江戸東京博物館客員教授、旅の文化研究所所長等を歴任。その関心は民俗学から日本史学、人類学等、周辺諸学におよんだ。柳田賞、毎日出版文化賞特別賞受賞。著書に『江戸のはやり神』『日本の民俗学』『神の民俗誌』『妖怪の民俗学』『山と里の信仰史』『都市とフォークロア』『宮田登 日本を語る』(全16巻)等がある。2000年、没。

「2024年 『柳田國男全集 別巻2 補遺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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