地球持続の技術 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306474

感想・レビュー・書評

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  • 環境問題関連で読み始めた本。

    10年前に書かれた本であるけど、今の社会にも当てはまることが色々書かれている。

    太陽電池がこれからのエネルギー源として救世主のように書かれているけど、やっぱりシリカの量が足りないよね。他の半導体は高いし、禁制帯が短い物質でも誰かが作れば解決なんですかね。知りませんけど。

    10年に一度車を買い替えるとして、2050年までに4,5回世の中の車が総入れ替えしますげ、それまでに燃料電池を積んだ電気自動車が普及してればいいな、と思います、これは本当に。

  • 1999年発行だが基本原理に基づいて書かれているので今読んでも十分通じる内容。
    ・照明のエネルギー効率向上に「半導体技術の貢献が考えられる」→LED照明の普及
    ・原子力エネルギーの増強に関して「現在の人類の能力を超えているように私には思えてならない」→福島の事故以降の原発への逆風
    など、今の状況を予見するような部分もある。
    一方で、社会・経済における課題はあまり変わってないように感じる。
    他に同様のテーマの本を読んでいるわけではないが、地球環境やエネルギーの持続性の問題について、技術的な側面から全体像を理解するのにはいい本。

  • 多分、10年ほど前に購入して積ん読であった本。

    当時、地球環境の危機に関する講演、確か3重苦(人口増加、資源枯渇、温暖化、だったか?)を聞いて、あまりに重い問題だなぁ・・・と感じて、まぁ勉強して見るか・・・で購入した本であったような記憶もあるようでないようで。

    ま、そんなことはどうでも良いが、改めて読む気になったのは、やはり昨年の大震災があったからでしょう。

    著者は、母校の先輩(といって会ったこともないのだが)で、技術で何が出来るかという視点で、10年以上前に書かれた本でありましたが、現在の書であったとしても、ほとんど通用する内容でした。ただLED照明には一言もなくて、あれは想定外の技術革新だったかもしれませんね。

    原発については、ほんの数ページであっさり切り捨て。・・・廃棄物の問題・・・現在の人類の能力を超えているように私には思えてならない・・・というあたり、当時としてはあまり大きな声では言えなかったんでしょうね。

    (2012/1/20)

  •  第8章に引用として「二〇〇〇年問題などというものは神話にすぎない。私はそう信じるようになった。〔中略〕真の専門家など存在せず、パズルの小さな断片を理解している人々がいるだけだ。全体像は謎につつまれ、真実は誰にもわからない。本当に恐ろしいのは、それが明らかになったことだろう。」とある。
     この文章とそれに続く筆者の記述から次のようなことを考えた。それは議論が必要だということである。それは環境問題に関して議論をするべきであるということだけでなく、社会を生きている私にとって、知らないことが多すぎるということである。それゆえ理解していると考えることだけの情報を発信することが多くなるが、知らないことも含めて不確かな情報を不確かであることを含めて発信することが必要であると考える。不確かであることを目にした人がその内容を修正し、情報が確かなものになると考える。そのことで幅の狭い知識が拡大されていくと考えるのである。確かに不確かな内容を特にネット環境に流すことはすべきでない。しかし、不確かなことを正確な情報と偽って流すことこそが問題であると考える。多くの人の目に触れるネット環境だからこそ、多くの人の知恵を出し合いながら、確かで幅の広い知識ネットワークを構築することができるものと考える。

  • そういえば、これ以前に読んで面白かった。太陽経済かながわ会議 特別セッション(http://www.ustream.tv/recorded/15624176)観てて思い出した。もう一回読んでみよう。

  • [ 内容 ]
    地球温暖化、化石資源の枯渇、廃棄物の大量発生―破局が待つ地球の近未来に対して、技術には何ができるのか。
    四分の一のガソリンで走る自動車や五倍の効率のエアコン、太陽電池の可能性などを検討し、二〇五〇年までにエネルギー効率三倍増、自然エネルギー二倍増をめざすビジョンを提出。
    地球を持続させる完全循環型社会への道を示す。

    [ 目次 ]
    第1章 地球は持続できるか
    第2章 エネルギーを知る
    第3章 省エネルギーはどこまで可能か
    第4章 「日々のくらし」の省エネ技術
    第5章 「ものづくり」とリサイクル
    第6章 自然エネルギーの導入
    第7章 地球を持続させるために
    第8章 技術は社会とどう向き合うか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 環境問題をエネルギーと物質循環の観点から、よい意味で大づかみに説明してくれます。数字上は2050年の絵姿はかけたとしても、どれくらいの政治的な成熟が、その合意作り→達成にために必要とされるのか?読んでいて、製鉄所のマテリアルフローやエネバラとか思い出しました。

  • 内容がやや古い感は否めない.まあ,この手の新書の性というもんか.
    本文の内容としては,需要サイド・供給サイドからみたエネルギーについての説明をざっくりと,最後にビジョン2050へ,という流れはとても理解しやすかった.

    ただ,エネルギーの遷移についての大まかな議論をオーダーベースで進めるのはいいけど,輸送に関するエネルギーが0ってのは...

  •  エネルギーを有効活用し、地球を長持ちさせる術が書かれています。
     沢山認識を新たにしました。例えば・・・
     ・CO2濃度が安定しても、海面の上昇はその後数100年間も続くこと。
     ・輸送に要するエネルギーの理論値はゼロであること。
     ・紙やプラスチックは最後は上手に熱源にする必要があること。
     ・今や太陽電池の製造・設置に要したエネルギーは2年で回収できること。
     ・生ゴミも燃せばダイオキシンが発生すること。
     等々

     私は人間がいる限り地球は破局に向かわざるを得ないと思っていましたが、本書によればそうではないシナリオも書けそうです。結びの部分を引用します。

    ******引用開始********

     完全循環型社会へ向けて

     これまで見てきたビジョン2050のシナリオであれば、21世紀後半から、持続可能な完全循環型社会の建設に向かうことができる。また持続可能であるばかりではなく、われわれの生活をさらに発展させることも可能であろう。中間目標を達成した時点でのエネルギー消費量は現在とほぼおなじで、地球に注ぐ太陽エネルギー総量の約一万分の一である。バイオマスも太陽電池も、われわれには十分すぎるほどのポテンシャルをもつから、それを利用してさらに多量のエネルギーを得ることができる。化石資源からの脱却へ向けて、これらの導入加速へ拍車をかければよい。

     技術開発の進み方次第では、エネルギー消費量は現在の値を大きく超えても差し支えない。つまり、一万分の二の太陽エネルギーを利用するなら現在の二倍のエネルギーを使うことができるのだ。電気自動車がクリーンに走り、家屋は快適な冷暖房システムを有し、大都市のごく近郊に美しい海や森林があり、それらは自然エネルギーによって維持されている。そういう未来イメージは決して夢ではないのである。

    *********引用終わり*************

  • ちょっと古い本だけど、凄く勉強になった

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