日本文化の歴史 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306689

作品紹介・あらすじ

日本人の日常生活に息づく伝統が解体しつつある今、私たちの自己認識はどこにたどり着こうとしているのか。人々の価値観や生活意識を示すものとしての宗教や思想を中心に歴史をたどり、国家や社会組織のあり方の変化に対応して、新しい時代の文化を主体的に形作ってきた日本社会の活力と、その固有のエートスを描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 発展する社会を支えるのは役割分担の巧拙に掛かっているのだろう。ただし日本の場合、合理性よりも情緒に配慮して組織が機能停滞する傾向が強い。その上、社会の各階層に閥(ばつ)がはびこっている。自由競争という言葉はあるが実態は存在しない。
    https://sessendo.blogspot.com/2018/09/blog-post_20.html

  • 先日禅を読んだら、後ろの方の紹介ページに記載されていて、

    Amazonで良著と紹介されていたので買ってみました。

    旧石器時代から第2次世界大戦あたりまでの日本文化について、大きな流れを把握できます。



    goo辞書によれば、「文化」とは、

    人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。「日本の文化」「東西の文化の交流」

    1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。

    らしいのですが、どちらかと言うと2番のバックグランドとしての1番について書かれており非常に興味深く読むことができました。

    読んでて思い出したのですが、昔は女性の天皇もいたんですね。
    父から子への直系の継承となったのは奈良時代の光仁天皇あたりからで、
    その後江戸時代に2人女性の天皇がいた以外は、ずっと男性の天皇で続いてきたのは不思議です。

    他にも、最澄と空海の仏教の違いや、
    仏教本来の精神に反する、死者のための葬式や法要が主たる任務となった「寺」の背景や、
    死後に神として祀られたいと希望したのは豊臣秀吉が初めてであることや、
    年号の1文字目の選定に「保」と「平」は用いないとした暗黙のルールがあることや、
    江戸時代末期に開国するにあたって大名の意見を聞いた経緯など、
    たくさんの”初耳学”がありました。

  • 日本人の日常生活に息づく伝統が解体しつつある今,私たちの自己認識はどこにたどり着こうとしているのか.人々の価値観や生活意識を示すものとしての宗教や思想を考察の中心にすえ,さまざまな歴史的契機に応じて常に新しい時代の文化を主体的に形作ってきた日本社会の活力と,それを支える固有のエートスを描き出す.

  • 高校の教科書とは異なる筆者独自の日本文化史像が浮かび上がってくるエキサイティングな読書だった。気になったところを自分でもう少し調べてみたい。

  • ・日本文化の歴史と言われると、ついつい文化遺産や文化現象などの高校日本史的な意味での文化史を思い浮かべてしまうが、文化というのは本来もっと多義的なもの。著者は「文化」の定義を生活様式や思考様式にまで広げることによって、これまでにない豊饒な日本の歴史を描き出す。

    ・さらに著者は日本の歴史を世界の歴史法則と比較することによって、日本文化の特殊性をあぶり出していく。例えば、「採取経済から農耕経済へ、さらに国家の形成へと進むのは、世界の諸民族に共通した歴史の過程であるが、日本の場合はかなり顕著な特色を示している。それはこの過程が、とくに農耕文化の開始以降急速に進行したという事実である」(p.10)という観察から、欧米と異なる日本人特有の国家観が生まれたことを指摘する。こうした指摘が随所にあって、通俗的な日本人論が根底から覆される。新書版ながらとてもエキサイティングな本だ。

  • ・最初の70ページと最後の数ページだけ読んだ。慣れない固有名詞が非常に多かったため、私にとっては読みにくかったので(日本史の知識を再整備してから臨めばまた違っていただろうけど)。前記の範囲内でもっとも印象に残るのは、日本人は「お上」に対して弱い、と言われるが、日本の歴史を通観してみると、明治維新による西洋化まではむしろ逆に、権威に必ずしも従順ではなかったのではないか、という分析。「平安京の貴族社会が、地方の人々への配慮を怠ると、武士が勃興して、国家の公権力を代行し」(227)たように、「もともと共同体的な性格をもつ国家において、公権力は一部の人々によって独占されるべき性質のものではなく、その独占に近い状況が生ずると、必ず反撥が生じ、社会組織が変動する。それが日本の歴史なのである」(227)。ただし、「共同体的な性格」に対する私の理解が足りないと思うので、しっかりキャッチアップしておく。
    ・歴史を学ぶ意義とは何か。その一つは、現在を過去と対比してより明確に知ることにあるのではないかと思った。では未来に対してはどのような意義を持っているのか、と聞かれると難しいが、未来を描き出す上で、より正確な現状理解は不可欠であるから、将来予測の土台として大いに意義を持っているということだけは間違いない。

  • [ 内容 ]
    日本人の日常生活に息づく伝統が解体しつつある今、私たちの自己認識はどこにたどり着こうとしているのか。
    人々の価値観や生活意識を示すものとしての宗教や思想を中心に歴史をたどり、国家や社会組織のあり方の変化に対応して、新しい時代の文化を主体的に形作ってきた日本社会の活力と、その固有のエートスを描き出す。

    [ 目次 ]
    日本文化の源流
    古代国家の形成と日本神話
    仏教の受容とその発展
    漢風文化から国風文化へ
    平安時代の仏教
    鎌倉仏教の成立
    内乱期の文化
    国民的宗教の成立
    近世国家の成立と歴史思想
    元禄文化
    儒学の日本的展開
    国学と洋学
    明治維新における公論尊重の理念
    近代日本における西洋化と伝統文化

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 試験対策に買った本だけど、ふむふむと面白く読めた!
    そして結局、試験の役には立たなかったという(笑)
    平安あたりが読んでて面白かったな☆

  • こりゃいい!

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