メディア・リテラシー: 世界の現場から (岩波新書 新赤版 680)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306801

作品紹介・あらすじ

人生の大半をメディアとともに過ごすとされる現代生活。報道の客観性や公正さ、暴力表現の影響などが議論になっている今、メディアのあり方を具体的に解読していくことの意味とその可能性とは何か。各国で広がっている実践を丹念に取材し、教育現場での工夫や反応、メディアを監視する市民団体の活動などを報告、情報社会の今後を考える。

感想・レビュー・書評

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  • メディアリテラシーの古典ですね。ツールが変わっても大事なことはかわらないことを教えられる。定期的に読み直して批判的、ニュートラルな視点を保ち続けたい。

  • メディア・リテラシーという言葉は単にパソコン、TVなどを有効に活用する能力だと思っておりました。冒頭からその常識を覆されました。「メディアが形作る「現実」を批判的(クリティカル)に読み取るとともに、メディアを使って表現していく能力」「メディアの特性や社会的な意味を理解し、メディアが送り出す情報を『構成されたもの」として建設的に「批判」するとともに、自らの考えなどをメディアを使って表現し、社会に向けて効果的にコミュニケーションをはかることでメディア社会と積極的に付き合うための総合的な能力」だとのこと。各国のメディア教育を紹介する中で、カナダのオンタリオの高校生にセクシーなコーヒー会社のCMを見せて、その意味を考えさせる授業の例が書かれており、興味深かったです。「批判的に」とは必ずしも否定するマイナスの意味ではなく、客観的に考えることができる能力だということがいえると思います。

  • 12年前の本ですが、時間とともにメディアリテラシーの必要性が高くなると思います。

    日本では、メディアリテラシーというとまだまだ大学教育学部の講義ですが、本書のように小中高の学生に早く取り入れてもらいたいと思います。

    日本でも以前に、自分がポケモンだと思い込んで飛び込んだ少年や、ネットゲームに何万円も課金した子供、ネット上の悪口いじめなど、メディアが子供に悪影響と認知されやすくなっています。

    アメリカやイギリス、カナダではそれらから、子供が自分の身を守るために、逆にうまくメディアを利用するためのメディアリテラシーです。

    この香水の広告はレイプを冗長するからやめてくれ
    このCMは何を売って何のイメージを植え付けようとしているか
    ブラックの暴力記事が際立ってかかれすぎている
    編集のしかた一つでニュースのイメージが変わる

    これを言える日本の子供がどれぐらい言えるでしょうか?

    本書は教育の立場、子供の立場、メディアの立場などさまざまなアプローチが書かれてよかったです。

    メディアリテラシーがもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「メディアリテラシーがもっと多くの人に」
      子どもに教えるコトの出来る先生が、殆ど居ないんじゃないですか?
      「メディアリテラシーがもっと多くの人に」
      子どもに教えるコトの出来る先生が、殆ど居ないんじゃないですか?
      2012/10/17
  • アメリカ、カナダなどの教育現場から、多様なメディアからの様々な情報を正しく評価するためのメディアリテラシー教育を紹介する。

  • 100813 by朝日夕刊
    公正と正確の観点、watch dog 「フェア」
    ---
    100917till12p
    ⅰ ニュースは現実を真っ直ぐすべて伝えているか
    ⅴ-ⅵ メディアリテラシー
    009 メディアリテラシー
    ---
    3, 6, 7,

  • 2回目読破目標のため積読登録中です(^^)

  • 2000年に出版されたのでやや古いが、内容は極めて新鮮な、文字通りメディア教育の観点からみた「メディアリテラシー」についての本。現場レポートというだけあって、イギリス、カナダ、アメリカのその当時の様子がつぶさにみてとれる。「教育論」の観点からは、ぜひとりあげるべき。

    ・メディアのコンテンツをとりあげ、分析、評価すること
    ・実際に制作する立場として、どう表現されたコンテンツが取捨選択されるかを見極めること

    などが、初期的なポイントのようだ。

    大前提としては、
    ・一つの真実などないこと
    ・多元的「現実」を製作側が一定の主観にもとづいて伝えていること
    を踏まえてどうメディアに対処するかという視点が大切なのは、どこも変わらないようだ。

    イギリス:根づくメディア教育
    ・メディエデュケーション
    ・国語の延長線上。中等教育で独立の科目
    ・大学研究者と英国映画協会主導

    カナダ:ユニークな実践
    ・メディアリテラシー
    ・国語のカリキュラムにとりいれ
    ・トロント大学のマクルーハン「メディアはメッセージ」
    ・AML

    アメリカ:草の根メディア活動
    ・こどもジャーナリスト
    ・RMMW
    ・PRウオッチ
    ・パーセプション・マネジメント
    ・CM分析番組

    デジタル時代のマルチメディア・リテラシー
    ・ピクチャー・パワー

  • 2019年7月22日購入。
    2020年12月16日読了。

  • 高校のとき、国語の指定図書で購入したのですが、そのころは真剣に読むことなく… 卒業し、数年たってからようやく興味がでて、読みました。
    高校時代にちゃんと読んでおけばよかったと、内心後悔しています。ただ、あの頃読んでいたからといって理解できていたかどうか…

    メディアは誰が、誰に向けて、どういうメッセージを伝えたくて作り出しているのか。
    ニュースの報道は真実ではあるが、別の真実はあるのか。そもそも、事実は何なのか。
    情報が溢れて、子供のみならず大人ですからなにが正しくてなにが間違っているのか判断するのが難しい今の時代に、メディアリテラシーの育成を進めない今の教育現場には疑問が残ります。
    クリティカルな目を持つ人間を、増やしたくないという政府のねらいなのでは?と邪推してしまいたくなるほどです。
    情報に踊らされず、常に懐疑心をもちつつ、自分が正しいと思える情報を取捨選択し、それを人に押し付けるのではなく、相手の正しさも尊重しながら、柔軟に適応していける、そんな力が必要なのかもしれません。

  • メディアリテラシーは、アメリカの教育でも取り入れられている。
    アメリカのメディア事例、とりくみ

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