子どもの危機をどう見るか (岩波新書 新赤版 686)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306863

作品紹介・あらすじ

小学校低学年で急速に広がり出した学級崩壊、キレて凶悪事件を引き起こす十代の少年たち、いじめ、引きこもり、幼児虐待、援助交際、不登校…。いま、子どもの世界では、何が起きているのか。危機の実像とそれをもたらした背景を丹念に解明し、子育てと教育を再生させる考え方と実践例を提示。従来の学校観や子育て観の転換を迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 子どもに起きている変化について。
    尾木さんの目線は優しいけれど厳しい。

    時代が変わったのだから、教育の在り方も変わるべき。

    教育そのものの危機にも言及しています。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/491971

  • 大学の教員免許取得講座のテキスト。可もなく不可もなし。

  • 尾木さんらしい。良いです。
    //破棄

  • 10年前の普通の子だった子がいきなり凶悪な少年犯罪を起こす事件があった当初、当時の教育現場、家庭、社会の問題点を整理して、どうすればよいか、大きな方向性を示しています。
    学級崩壊なんて、今では1学年に1クラスは当たり前のようになってしまい、そのクラスに在籍してしまった子どもは、十分な授業も受けられず、学力もつかないまま、自動的に進級していきます。
    わが子が、小学4年生で学級崩壊となり、保護者として学校に何度も足を運びましたが、結局解決されずに、教科書が終わらないまま、進級し、その後も習わなかった内容は置き去りのまま、学校側のフォローは何もありませんでした。
    そんな経験をして、尾木ママの10年前のこの本を読むと、問題の根っこがかなり深いことが、よく理解できます。

  • 立ち読みして、尾木ママの意見わかりやすい!と思って買った本。
    だいぶ時間かかってしまったけど。

    内容の幅が広く、これ1冊である程度の学校の現状・子どもの現状が理解できる。
    いじめ、学級崩壊、地域や家庭の教育力、今後の学校の在り方…

    学校は閉鎖されすぎている空間だからこそ、地域の風・民間の風を入れないといけないな。

  • 教育を学び始めたばかりの私にとって、読みやすく充実した内容。現状→背景→解決策って流れでした。

  • 小学校で全く授業が成り立たない学級崩壊、「普通」の子がすぐに「キレ」てしまう現象。いじめ、そして増え続ける不登校。大人による子供の”新しい虐待”も増えている。親も教師もどう対処してよいか分からない中、この本では、子供に寄り添う子育てと教育のしかたを子供の自主性を重んじながら示している本です。
    【志學館大学】ニックネーム:宗滉

  •   テレビで「17歳事件」が騒がれていた頃、私はちょうどその年代でした。大人たちがキレる子どもを "得体の知れない危険なもの" のように見ていたような印象をその頃の私は受けました。事実、それはわからないではないのだけど、私には犯罪を犯した彼らに共感するような気持ちもありました。その背景には、学校や社会、大人への不信感や失望感があったような気がします。

      企業人間と言われ頑張ってきた人たちのリストラは、学校の成績評価体制に対しての疑問を投げかけました。高学歴は高収入を約束する、という価値観が崩れたのです。勉強を楽しいと思いながらしている子どもがどれだけいるでしょうか。それを考えれば、「教える」ことから「学ぶ」ことへの方向転換を提示するこの本のあり方には賛同できるけれど、一筋縄にはいかないようにも思います。それでも、AO入試や総合学習時間の導入などにより、子どもたちが進みたい道を考えることができる社会に近づいている気がします。

      今日本は、利害中心の考えを捨てることが大切なのではないでしょうか。危機を脱出するための方法として提示されていたものの中でも、子どもに自己決定権の機会を、親と子のパートナーシップを、というのに深く同意します。学校のあり方はまだまだ模索中のようだけど、いい方向に進んでいっているのを感じられる気がします。大人が子どものために動いてくれてるというのは、子どもからすれば案外嬉しいものです。

  • [ 内容 ]
    小学校低学年で急速に広がり出した学級崩壊、キレて凶悪事件を引き起こす十代の少年たち、いじめ、引きこもり、幼児虐待、援助交際、不登校…。
    いま、子どもの世界では、何が起きているのか。
    危機の実像とそれをもたらした背景を丹念に解明し、子育てと教育を再生させる考え方と実践例を提示。
    従来の学校観や子育て観の転換を迫る。

    [ 目次 ]
    1 危機の実像(学級崩壊;新しい荒れ;いじめ;虐待)
    2 危機の背景をさぐる(変化に取り残された学校;教師はなぜ力をなくしたのか;家庭の子育て力は低下したのか;大人と子どもの関係不全;子どもが問いかけていること)
    3 危機からどう脱出するか(スクール・デモクラシーで学校再生を;「教え」から「学び」へ;子育てを社会化する;子どもと大人のパートナーシップ時代へ)

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著者プロフィール

教育評論家、法政大学教職課程センター長・教授、臨床教育研究所「虹」所長。
1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、海城高校や公立中学校などで教師として22年間、ユニークな教育実践を展開。現在、「尾木ママ」の愛称で親しまれる。
著書『いじめ問題とどう向き合うか』『子どもの危機をどう見るか』(以上、岩波書店)『新・学歴社会がはじまる』『日本人はどこまでバカになるのか』『子どもが自立する学校』(編著、以上、青灯社)『尾木ママの「叱らない」子育て論』(主婦と生活社)『尾木ママの子どもの気持ちが「わかる」すごいコツ』(日本図書センター)ほか多数。

「2013年 『おぎ・もぎ対談 「個」育て論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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