原発事故はなぜくりかえすのか (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
4.04
  • (26)
  • (29)
  • (20)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 300
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307037

作品紹介・あらすじ

日本中を震撼させたJCOの臨界事故をはじめ、数々の原子力施設の事故から明らかになった国の政策や原子力産業の問題、技術者の姿勢を問い、これからの科学技術と人間のあり方を考える。生涯をかけて原発問題に取り組み、ガンで逝った市民科学者・高木仁三郎が闘病中に残した最後のメッセージ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000072859

    ※学外から利用する場合は、「学認アカウントを・・・」をクリックし、所属機関に本学を選択してキャンパスIDでログインしてください。

  • 非常に読みやすい。

  • あえて、今、岩波新書の故・高木仁三郎さんの遺作を手にしたのは、原発事故や原子力というテーマが、私の頭からずっと消えていないからだと思います。
    読み進めるほどに、彼の言葉は、予言のように、3.11から発生する重大な事故への警告を感じました。

    科学者の立場で、当時から、危険性を予見できた人。予測不可能な事故ではなく、原子力を扱う難しさ、課題の多さ、など、もっと、我々が理解し、議論をしなければいけなかったことに、反省させられます。
    誰が悪い!という理屈だけではなく、真実を知らないまま、知ろうと努力しなかった結果、将来世代にも、重い十字架を背負わせていることは、忘れてはいけないと実感しました。

    高木仁三郎さんの著作を、しばらく、継続的に読みたくなりました。

  • 2000年に亡くなった市民科学者として反原発を貫いた高木さんの本。JOCの臨界事故やチェルノブイリを参考に書かれた本で、3.11以前に書かれたものにかかわらず、その示唆するところが非常に的確な事に驚かされる。中曽根元総理による原子力の導入の歴史に始まり、物理屋さんが化学屋さんに比べて如何に原子力について知らないか、その扱いが如何に恐ろしいかを説き、それを扱う倫理観にまで及ぶ内容。3.11以後に書かれた安易な反原発本とは一線を画す。201410

  • (2003.07.11読了)(2003.07.04購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    日本中を震撼させたJCOの臨界事故をはじめ、数々の原子力施設の事故から明らかになった国の政策や原子力産業の問題、技術者の姿勢を問い、これからの科学技術と人間のあり方を考える。生涯をかけて原発問題に取り組み、ガンで逝った市民科学者・高木仁三郎が闘病中に残した最後のメッセージ。

  • 名著。私は事故が起こるまで、良いものではないけどそれなりの平和があればなんとか人間が管理できなくはないだろうと思っていました。これを読んで原発には廃炉を目指してもらいたいし、なるべく原発のないところで暮らしたいというスタンスがはっきりできました。

  • 2000年に出版され、その直後に高木氏はガンで亡くなった。
    まさに生涯かけて反原発の道を貫いた人である。
    中学生にでもわかる平易な文章だが、故人の信念が伝わってくる。

    読み終わって思うのは、日本の文化というのは、原発のような巨大なエネルギーを扱うには、リスク管理の面からも技術革新の面からも、適していないんじゃないか?ということである。原発のような危険を伴う産業には安全をどう確立するか、という問題が常に意識されるべきだが、この安全を守るということができないのである。

    原発産業に特徴的な土壌、つまり、「議論なし、批判なし、思想なし」、というのはまさに日本の社会文化そのものだ。リスクのないようなところでやってるならいいけれど、原発のように市民全体の健康を脅かすような危険を伴う巨大産業でこんなことやってたら、安全を守ろうという姿勢は生まれないのである。安全を目指すには、リスクを想定しないといけないわけで、最悪の場合を想定して研究を重ねるしか安全な技術は確立できない。でも、日本のやり方は、衝突を避け、嫌なことは見ないようにするわけだから、
    建設的な研究はできないのである。

    日本の原発は安全とか、日本は技術大国ですとか、どれだけ言われてきたことか。
    技術というのは、手先が器用なだけじゃだめなんだってことが、今回の事故でよくわかった。思考のないところに発展はない、ってことだ。
    日本は戦後、60数年かけていったい何を学んだのか。結局、外側だけ作り変えても中身はそんな簡単に変わらないのだった。

    高木氏の言うように、とにかく、原発は危険が大きすぎるからやめて、危険の少ない自然エネルギーにしましょう、というのがこれからの正しい道のような気がする。採算がどうのとか、いつまでも言ってないで。事故が起こったときの危険性を考えたら原発はやめたほうがいい。単純な発想だけど、それでいいんじゃないか。

  • 放射化学を勉強する必要性を感じた。

    出版は著者が亡くなった後とのこと。

    口述筆記だったという。

    論述の内容はその通りだ。

    具体的にどうするとよいかが見えてなかった。

  • 今から12年前、福島原発から11年前に書かれた、高木仁三郎の遺書である。化学者の放射能の扱いに比べて物理学者の放射能の扱いがいい加減ということが他の本にも書かれていない。
     3.11について卒論で書こうとする学生にとって、その原発推進組織がどのようなものであったかを知るためには避けて通れない本であろう。

  • 原発事故を生む精神的土壌にまで踏み込んでいる

    公共性とはなにか、アカウンタビリティーの本来の意味は何なのか、それをどう日本や日本人は履き違えているのか、ということに言及した哲学書だと思う。

全38件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1938年7月18日 群馬県前橋市に生まれる
57年、東京大学理科一類へ入学
61年、日本原子力事業(NAIG)入社、核化学研究室に配属
65年、東京大学原子力核研究所助手
69年、東京都立大学理学部助教授、東京大学より理学博士の学位授与
72年、マックスプランク核物理研究所客員研究員
73年、東京都立大学を退職
75年、原子力資料情報室スタート、専従世話人となる
78年、反原発運動全国連絡会結成に加わる
87年、原子力資料情報室代表
92年、多田謡子反権力人権賞受賞
93年、サンケイ児童出版文化賞「推薦の本」に『マリー・キュリーが考えたこと』が選ばれる
95年、宮澤賢治学会イーハトーブ賞受賞
97年、長崎原爆被爆者手帳の会平和賞受賞、ライト・ライブリフッド賞受賞
98年4月、オールターナティブな科学者を育てる「高木学校」を設立
97年7月、大腸がんが発覚、緊急入院
2000年10月8日、大腸がんで死去
2001年1月9日、遺言により高木仁三郎市民科学基金発足

「2018年 『高木仁三郎 反原子力文選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高木仁三郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
レイチェル カー...
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

原発事故はなぜくりかえすのか (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×