学力があぶない (岩波新書 新赤版 712)

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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307129

作品紹介・あらすじ

漢字の読めない社会人、暗算ができない大学生…若い世代の学力低下は目をおおうばかりと言われる。しかも新学習指導要領によれば基礎学習の時間はさらに削減されてしまう。個を引き出す教育、六・三・三制、入試制度、偏差値、総合学習、英語教育など多岐にわたる問題について、現場の声をまじえ、国語学・数学の立場から鋭く切り込む。

感想・レビュー・書評

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  • 105円購入2011-12-07

  • うなづけるところも多いが、全体的に議論が古い気がする。2001年の書なので、それもやむを得ないか。学級崩壊の原因を追求しているところは面白い。結局、子供が原因なのではなく、教師の力量不足というのは、納得がいくところだ。



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    ・新書がベスト

  • #読書開始
    ・2017/5/22
    #読了日
    ・2017//
    #経緯・目的
    ・教育機関に勤める者として興味がひかれたので購入。
    #達成、感想

    #オススメ

  • 大学生に分数の計算をさせるとできないとさわいでいる。でも、分数の計算って必要なんだろうか。理科系の学生でもたぶん文字式の計算はかなりの数をこなしているだろうけど、小学生が解くいわゆる分数の四則混合計算などはずいぶん遠ざかっているのではないだろうか。人間は忘れる。日々繰り返していないとすぐ忘れる。分数の計算ができないからって、大学生の学力が落ちたと簡単に決めつけることはできない。しかし、この2,30年の間、指導要領が改訂になるたびに内容が薄くなっているのは間違いない。私自身、この10年間小中学生を指導してきたが、その間確かにテキストは易しくなったと思う。入試問題も易しくなっているだろう。ただ、私自身の慣れの問題もあるので何とも言えない。小6には毎年最後に同じ問題を解いてもらうけど、できる子はやっぱりできる。それを見る限りでは学力が低下したとは思いにくい。本書では2002年の指導要領改訂は即刻取り消すべきだと言っている。「ゆとりの教育」という名の下に、教科書はどんどん薄っぺらになっていく。私自身、これが良いことか悪いことかの判断ができない。ただ、公教育だけでは満足できない子どもたちが増えることは間違いないだろう。子どもは今も昔も好奇心旺盛である。それにどこまで応えてあげるかが大切だ。学校の授業を難なくこなす子どもたちにはもっと高度な内容まで指導していくべきだと思う。指導要領のレベルでストップさせてしまうのはかわいそうだ。本書の中で著者たちが主張していることで、それはちょっと違うんじゃないかなあ、と思えることが多々あった。ただその中で一点、私の考えと一致するのは、公立の6年一貫校をつくるということだ。一般に私立の6年一貫校では、6年で修了する内容を圧縮して5年ですましている。それだけのことができる子どもたちが集まっている。そして最後に残った1年を大学受験の勉強につぎ込む。高校を大学受験のためだけの存在と考えるのはどうかと思うけど、現在のシステムでの高校入試があるから、中学がおかしくなっているのだと思う。そう、一般に大学入試が諸悪の根元のようにいわれるけど、私は内申重視の高校入試の方がよほどひどいと思う。もちろん、大学入試でも推薦で内申重視のところもある。ただ、これだけ多様化していれば自分であった入試を選べばよい。ところが高校入試では、もし公立を受験するなら、その都道府県のシステムに従わなくては行けない。通知表の成績ばかり気にする、イヤーな雰囲気をこしらえてきたのは現在の高校入試だと思う。中学生という、精神的にももっとも揺れる時期にこの入試はないと思う。みなさんはどう考えるだろう。(ここから10年以上たって、また状況はずいぶん変わっています。)

  • 学力が本当に危ないのだろうか。
    学ぶことの面白さと、学ぶことの価値が伝わってこないと、
    学力が危ないといっても仕方がないような気がする。

    無駄な受験勉強の反動で、ゆとり教育といってみたものの、
    何を教えたらいいかわからない先生が多いのかもしれない。

    それに対して、音楽、体育、工業などの先生は、
    教えたいことをうまく伝えれている人たちが多くいるのではなだろうか。

    大野晋の本を読むだけで、勉強したくなる学生もいるはずなので、
    学力を論じなくてもいいような気がする。

  • 途中読み続けるのがしんどい部分がちらほらあった。対談形式で進めてはいたが、あまりに長いため、最後の方ははしょってしまった。ゆとり世代の自分が言うのもなんだが、ゆとり政策は失敗だったと感じた。

  • この本を読んでいて教職の授業で文章を書くときに役に立った。それだけで買った価値はあったと思う。古本だけど。全体を通して、生徒たちの「個」をどうするかという話が多かったように思う。教師は楽じゃないな。

  • データをもとに語る論文調の文章とは違う面白さがありました。
    「教育とは何か」を考えさせられる本だと思います

    本が発売されたのは2000年のことですが、
    学力低下・ゆとり教育・総合的な学習の時間・学級崩壊
    学習指導要領改訂・検定教科書などなど、
    現在においても、ホットなテーマがずらりと並んでいます。

    「今の教育はダメだ。」と言ったときに、
    何がどうだめで、そのために何を変えなければならないのか、
    しっかりビジョンを持つ必要があるなと感じました。

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著者プロフィール

1919-2008年。東京生まれ。国語学者。著書に『日本語の起源 新版』『日本語練習帳』『日本語と私』『日本語の年輪』『係り結びの研究』『日本語の形成』他。編著に『岩波古語辞典』『古典基礎語辞典』他。

「2015年 『日本語と私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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