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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004307211
みんなの感想まとめ
人が無実でありながら自ら不利な自白をしてしまう心理的メカニズムを解明する本書は、冤罪の実態を深く掘り下げています。取調べという特殊な環境下での圧力が、どのようにして人を追い込むのかを実際の事件を通じて...
感想・レビュー・書評
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まず、これを全てと思ったらいけないっていうのは思うけど。
でもそういう一面も、少なからずあるんだってことをすごく心に留めた本。
冤罪は、自白は、作られる。
読んでて、自分とは全く反対の立場で、しかも正義を掲げてる人と話すことの難しさを感じるのと似てるなって思った。しかも立場の上下がある中で、決めつけられていくしんどさ。
警察のひとは、人の人生をそうやって自分が踏みにじってしまっているかもしれないという可能性を考えながら進んでいってほしいなと。
自分が巻き込まれないために、大きな声はあげずに、見て見ぬふりをして、、自分ごとになった時、自分の大切な人が巻き込まれた時、自分はちゃんと負けずに正しくいられるのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「無実にもかかわらず、あえて自分に不利なうその自白をすることは考え難い。」
一般国民はもとより、捜査機関(警察・検察)や裁判所にすらこのような「誤解」は蔓延している。
本書は、実際の冤罪事件を題材として、人がうその自白に陥る心理的メカニズムを解き明かす。
取調べという特殊な場の圧力によって、どんな人であっても、その自白をしてしまう危険がある。
本書の出版以降、日本においても、被疑者国選弁護、裁判員裁判、録音録画の導入等、刑事司法制度改革が進められてきた。
しかし、現時点(2017.3)においても、未だ取調べの全過程にわたる録音録画制度の導入までには至っていない。
捜査関係者、法曹関係者にとどまらず、広く読まれるべき一冊。 -
無実であっても、取り調べで得られたうその自白が証拠とされる。なぜ嘘の自白をしてしまうのか?本書は、4件の冤罪事件(内1件は再審中)の分析から、うその自白に至る過程、犯人を演じる過程を考察する。
周りの圧力か…。ニュートラルな状況で取調べがなされるかと思ったが、どうやらそうではないらしい。犯人と決めてかかられる。無実の可能性を鑑みられることなく、進められてしまったら…。それぞれの事件の被疑者の心中を察すると、悲痛なこと極まりない。
本著を読み、ショッキングだった。それだけ、冤罪事件に無関心、無知であったのだな。
・日本の有罪確定率99.9%→冤罪であっても無罪を勝ち取ることが難しいということ
・無実の人がうその自白に落ち、うその犯行ストーリーを語るというのは、心理的にきわめて異常な事態ではなく、犯人として決めつけられた時に誰もが陥りうる、自然な心理過程→被疑者を囲む状況の側の異常
・嘘は嘘である限り、本来は暴かれなければならない。しかしその嘘が本当だと思われた時には、むしろそれを促され、支えられることもある。
・被疑者は無実かもしれないという可能性を少しでも考えていれば、自白の嘘を暴くことはできる。ところが我が国の刑事取調べにおいて推定無罪は名ばかりで、取調官は被疑者を犯人として断固たる態度で調べるというのが常態になっている。
・こいつが犯人に違いないとの断固たる確信のもとに取調べが進行するとき、そこには被疑者を強く有罪方向へと引き寄せる磁場が渦巻いている。その磁場のもとにひたすら長く留めるだけで、まず大抵の人は自白に陥る。心理学的に自然な人間の姿。
・無実の人がうそで自白するとき、常軌を逸した状況の中で、被疑者はごく正常な心理として「犯人になる」ことを選ぶ
・自白して「犯人になる」と、今度はよりよく「犯人を演じる」ことを求められ、またそれに応じる以外にない
・状況の異常性なさらされて、どうにかそこで精神の正常を保つために自白する -
実に怖い本。
ワロンの著作の翻訳者でもあった本書の著者の名前をアマゾンで検索していて、たまたま見つけたのだが、さっき読んでるとき玄関のピンポンが鳴ってびびった。新聞の集金のおばちゃんだったんだが。それくらいいつ自分の身にこういうことが降りかからないとも言えないのである。実に恐ろしい。とにかく読んだ方が良い。怖いけど。 -
昨年2024年に検察が控訴を取り下げ、結審無罪が確定した袴田事件。逮捕された袴田氏は逮捕された1966年から45年に渡り勾留され、これは冤罪事件、無実の者が勾留された期間としては、残念ながらギネス記録にもなる年月である。そして、死刑判決を受けてから一点無罪になった事件としては35年ぶりの出来事であった。
あってはならない冤罪事件。その発端となる逮捕に至る過程には様々な原因があるが、その最大の要因は容疑をかけられたあとの自白にある。本書は人がなぜやってもいない事を自白してしまうのか、それに至る過程を警察の取り調べなどの状況下に於ける人間の心理から読み取ろうと試みた内容となっている。本書では刑事裁判史に於ける重要な冤罪事件を複数例に挙げ、その取り調べの過程を、被疑者と刑事の会話の流れから検証していく。当たり前ではあるが、冤罪事件では犯人とされた人物は犯行現場を知らない状態にあるから、ある意味想像によって事件の過程が描かれていく。当人だけでは想像もつかない点を、刑事の発する言葉によって紡ぎ合わせていくような物語の合作になる。刑事は捜査の過程で圧倒的な情報量を持っていることから、大半は誘導的な尋問の結果、出来上がったストーリーと、犯人という主人公に仕立て上げられる訳である。何故やってもいない、知らない現場がさもあったかの様に答えられるのか。本書はそこにある人間心理について、違法とも言える捜査過程と合わせて検証している。勿論、正義感に溢れた警察検察側の、犯人を特定して事件を解決に導きたいという姿勢がある事も間違いない。その想いは取り調べる側の心理であり、本書はそれについても否定するものではない。日本に於ける刑法犯認知件数は年間70万件以上発生しており、さらにはここ数年増加傾向にある。警察ですら例に漏れず人手不足に悩み、一件あたりにかけられる捜査時間は限られる。それでも真実を明らかにして、犯罪の再発抑止に努め、安全な日本、治安を維持するには大変な努力が必要だ。その点、世界でも有数な治安を確保している警察の能力の高さ、努力がある事は間違いない。だがそれでも冤罪は無くならない。いや無くせないだろうと、本書を読みながらひしひしと感じる。
最近は敢えてニュースになる様な犯罪を起こし、世の中に名を挙げようとする不謹慎な輩も多い。勿論そうした人間が動機だけでなく犯罪の過程について真実かつ正確な受け答えをするか疑問は大きい。嘘と真実が混ぜ合わされ、その中から既に過去になった事実を明らかにする事は容易ではない。過ぎ去った過去、完全な歴史が作れない語れない事と同じだ。だが、本書を読みそうした中にある人間心理を掴む事は、真実を知るための一歩になる事は間違いない。
冤罪はあってはならない。裁判員制度でいつ自分もその様な判断を求められるかわからない中、知識として読んでおく事を勧めたい。 -
冤罪の作り方
長時間の隔離と聴取
+ 絶対に犯人であるという取調官の確信
=楽になりたいため、嘘の自白
・・・しかし、自白しても聴取は継続
経緯、状況が説明出来ないという焦り
(そもそも知らないものは話せない)
+やったと自白した以上戻れないという諦め
+状況に合う供述が欲しい取調官による添削
=手探りで状況に合う説明を創作
強力な証拠となり冤罪確定
怖い。
し、なんか会社の仕組みにも同じようなものがある気がする。過去の報告と合わない、とか。 -
証言のあやふやさだけでなく,無実の人が自白させられ,自白に合わせたストーリーを作り上げる事象を紹介。
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疑われて自信を失い犯人と思い込む
宇和島事件では、捜査官と号泣して自白
甲山事件 検審バック、僅かに自白、死亡児童が転落したとの新供述
仁保事件 6人殺し、自白テープはあったが、信用性否定
袴田事件 4人殺し、著者が、鑑定人となり、本書も新証拠として提出わ -
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735円購入2010-06-04
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▼福島大学附属図書館の貸出状況
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB20524286
(推薦者:行政政策学類 高橋 有紀先生) -
gacco「法心理・司法臨床:法学と心理学の学融」Week1第5回参考文献
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga100+2018_03/about -
この本は、被疑者がなぜ取り締まりの際に「嘘の自白」をして、犯人だと言ってしまうのかをまとめた本です。
ざっくりと本の内容を説明すると・・・
取り締まり官は、被疑者を犯人だと決めつけています。
そのため、被疑者に罪を認めさせようと心理的に追い詰めたり、自白内容の誘導をしたりなど、被疑者に圧力をかけて取り調べを行います。
すると、被疑者はその環境・苦痛から逃れるために自白に追い込まれてしまう、というものです。
日本の冤罪を減らすためにも、取り調べ制度の見直しを検討するべきだなと思いました。 -
冤罪怖い。犯人になりきって自白しようとしてまうまで追い詰められるの怖い。
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裁判官,裁判員,検察官,警察官になろうとする人に読んでほしい本。
司法修習生は,「集合修習までに読んでないと恥ずかしい」らしい。
なお,理論的な話は,「自白の研究」を読んでくれ,とのこと。
うその固体モデルとうその関係モデル。
「証拠が確信を生むのではなく,確信が証拠を生むのである。」
序 自白と冤罪
第1章 なぜ不利なうそをつくのか(宇和島事件)
第2章 うそに落ちていく心裡(甲山事件)
第3章 犯行ストーリーを展開していく心理(仁保事件)
第4章 自白調書を読み解く(袴田事件)
おわりに -
足利事件の冤罪が報道された時、自分は「菅家さんが簡単に自白さえしなければ真犯人を逮捕することができていたのではないか」と言う感想しか持っていなかった。
しかしその後の検察の失態や警察の自白偏重主義などを知るにつれ自分の今までの考え方に疑問を感じ始め、この本をを読んだことで自分の思慮の浅はかさに気づくことができた。 -
自白=自らの罪を認めた、という固定観念がいかに危険であり、冤罪の温床となっているかがよく分かる新書。
著者プロフィール
浜田寿美男の作品
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