ゲランドの塩物語―未来の生態系のために (岩波新書)

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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307303

作品紹介・あらすじ

フランス北西部の町、ゲランド。伝統的手法を守って採られる天然塩は料理界で珍重されているが、乱開発の波に抗し、地域と産業を再興させた人々の起伏に満ちた営みが、その背景にある。生命多様性の宝庫である塩田からのメッセージは、食の安全性への重要な示唆と、地球規模の環境問題に地域の視点がつながる教訓に満ちている。

感想・レビュー・書評

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  • フランス西部の片田舎の塩田で作られる天然塩。
    グルメな高級塩の話かと思えばそうではなく、塩田や塩職人を通じて見る環境問題が主たるテーマだ。
    海水と太陽という日和見なイメージの塩田だが、実はかなり過酷な労働環境。シーズン中は、給水や塩の結晶具合に常に気を配り、休耕期には塩田の手入れが欠かせないというので、塩という無機物の生産ながら実態は農業だ。事実、塩田やその周辺には特有の生態系が育まれ、植物性プランクトンなども塩の味に影響しているという。
    環境保護を叫ぶお説教的な口調も多いが、リゾート開発や工業的製塩という外敵と職人達自身の世代間葛藤を乗り越えて、伝統的な製塩を今に残してきた努力が、ひしひしと綴られている。

  • フランスでの塩の生産現場を題材に、資源の輪廻について語ろうとしている。
    岩波新書という形式の利点を最大限発揮した作品であると感じた。
    新書は、こういう2つの題材の関係を描写するのによいのかもしれない。

    フランスに行ったら、塩について学んでこようと思った。

  • フランスの自然塩ゲランドにまつわる話と思いきや。環境問題や遺伝子組み換え食物まで話が飛び、論旨の組み立ても思いつくままな感じ。ちょっと頭へ入りづらい。もっと論点を絞り、かつゲランド塩田に特化した話なら面白さが増したのでは。

  • 「何を食べよう」という問いの意味がここ数十年で変わってしまった。同じようにここ数十年で変わってしまった地球。まだ間に合うのだろうか?(2007.12.5)

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著者プロフィール

1949年東京生。1970年渡仏、以来パリ近郊に在住。
美術家、ビデオ作家、フリージャーナリスト、著述家。
『Days Japan』パリ駐在協力者。
1970年代から核/原子力問題に関心を持ち、日仏の様々な軍事・民事の反核運動に関わる。
個展に、1989年パリ・ポンピドゥー・芸術文化センター〈Revue parlee〉、1992年上田画廊、1995年ギャラリーαM、など。
著書に『ゲランドの塩物語』(2001年岩波新書、2002年渋沢クローデル賞現代エッセイ賞)。
編共著に『市民のアソシエーション』(2003年太田出版)など。

「2013年 『国際原子力ロビーの犯罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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