IT汚染 (岩波新書 新赤版 741)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307419

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】
    ・「インターネット術後集?」で知った。

    【期待したもの】
    ・「エコになった」ってのは、大きな視点で見ないと欺瞞だと思ってるんだが、それについての参考になるかと。

    【要約】


    【ノート】

  • 2001年刊行。携帯電話・パソコン、それらの部品(殊に半導体)の製造過程で生じる環境汚染物質、あるいは、これら完成品のゴミ化などにより土壌・水が汚染されていく実態をアメリカ、台湾・中国などのアジア、日本について検討する。この種の本としては少し古いかもしれないので、情報の陳腐化が気になる。が、内容は興味深く、一読するに如くはなし、といえようか。

  • シリコンバレーは、カリフォルニア州サンタクララバレーの別名とのこと。
    スタンフォード大学、HP,フェアチャイルド、インテルなど。
    IBMの工場などの地下水汚染とその後の対策の紹介がある。 
    具体的には、有毒ガス、有害化学物質、有機溶剤、フロンなどの紹介がある。
    水質汚濁だけでなく、火災、地震などの記述もある。
    日本での汚染は、「ハイテク汚染」でも紹介があるとのこと。
    最後に使用済みコンピュータ、携帯電話のリサイクルについての紹介がある。
    基本的に歴史と現状の紹介で、本質的解決策を提示しているのではないかもしれない。

  • 適当に手にとったこの一冊…

    テクノ開発による事件、アジアの開発じじょうが知れてよかった
    自分が捨てたパソコンがどうなるか知れてよかった
    にしても今はリサイクルショップがいっぱいあるからわざわざ金払って捨てるよりもただでも引き取ってもらうパターン

    台湾ーノートPC
    韓国ーDRAM
    マレーシアーエレクトロニクス
    タイー電子部品、ハイテクIT

  • [ 内容 ]
    すでに生活の一部になったIT機器。
    その製造の陰では、流産やガンを引き起こす恐るべき環境汚染が進行している。
    毎日大量に捨てられる携帯電話やパソコンのゴミ問題も深刻だ。
    半導体生産が急成長しているアジア諸国や日本各地の実態を報告し、環境に負荷を与えないハイテクIT産業のあり方、リサイクルのしくみを考える。

    [ 目次 ]
    序章  シリコンバレーふたたび
    第1章 IT生産と環境問題(ITと環境問題との関係;半導体生産が生み出す環境問題;半導体工場で働く人々の安全性)
    第2章 アジアに広がるIT汚染(IT生産拠点としてのアジア;台湾―環境悪化に直面する新竹科学工業園区;韓国―斗山電子フェノール水道水汚染事件;マレーシア―遅れる廃棄物対策;タイ―日系企業と労働安全問題)
    第3 章 日本のIT汚染(製造業の不良債権問題;携帯電話とIT汚染―福井県の地下水汚染;OA機器関連工場の痛い教訓―キャノン鹿沼レンズ工場;日本初のハイテク汚染確認工場のその後―東芝太子工場;ハイテク工業団地による地下水汚染―山形県東根市;「ハイテク汚染」浄化のモデル―千葉県君津市;条例でとりくむ地下水浄化―神奈川県秦野市)
    第4章 あふれ出る使用済みコンピュータ(使用済みIT製品による環境問題;日本の使用済みIT製品問題;使用済みコンピュータ問題に直面するアメリカ;ヨーロッパの先進的なとりくみ;台湾のとりくみ)
    終章 IT汚染をなくすために(土壌・地下水汚染の実態を明らかにすること;誰が汚染浄化をするのか;IT機器のリサイクルを進める;「クリーンなコンピュータ」をデザインする)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • PCの部品製造過程でどれだけ汚染物質が出ているかという話。
    クリーンで最先端と思いきや、かつての重工業と同じような問題がある。
    個人的には自作PCパーツをリサイクルに乗せられる公的なルートが必要だと思った。

  • (2003.12.11読了)(2002.04.01購入)
    パソコンやOA機器の製造、廃棄に伴って発生する環境汚染についての本である。
    半導体を洗浄するための有機溶剤が地下に漏出して地下水を汚染している例がいっぱい挙げてある。シリコンバレーは、半導体関連の工場も多かったので、IBMの工場、フェアチャイルドの工場、等が地下水の汚染をしていた。現在は土壌と、地下水の浄化を進めている。
    半導体の製造工程や使われる化学物質は、24頁、27頁に挙げてある。塵やゴミが製品に付着すると半導体の性能が損なわれるので、洗浄を繰り返し行う。洗浄には、超純水、各種有機溶剤、フロンが使われる。これらの物質が環境汚染を引き起こす。
    最新の半導体工場は台湾が多くなってきている。それに伴って閑居問題も発生している。
    韓国も半導体では頑張っているので、汚染問題を起こしている。
    日本での汚染問題は、携帯電話に不可欠の積層セラミックコンデンサーの生産を行っている「村田製作所」の工場、福井県武生市で1989年に地下水汚染が発見されている。
    積層セラミックコンデンサーの生産では世界のシェアの半分を占めている。携帯電話使用者は、汚染の片棒を担いでいることになるのでは?
    キヤノンでは、栃木県鹿沼市で1990年に地下水汚染が見つかっている。レンズの研磨後の洗浄に使った有機溶剤が原因だった。
    その他、東芝、NEC等の名前も挙げられている。
    生産だけでなく、IT機器の廃棄やリサイクルでも有害物質の問題が挙げられている。
    環境経営についてのランキングが日経新聞に掲載されていたりするけれど、上位に来ている会社はかつて環境汚染問題を起こしている会社が多いのでは? と思ってしまう。

    (内容紹介) amazon
    すでに生活の一部になったIT機器.その製造の陰では,流産やガンを引き起こす恐るべき環境汚染が進行している.毎日大量に捨てられる携帯電話やパソコンのゴミ問題も深刻だ.半導体生産が急成長しているアジア諸国や日本各地の実態を報告し,環境に負荷を与えないハイテクIT産業のあり方,リサイクルのしくみを考える.

  • それにしてもIT社会の到来でパソコン、ケータイの中古品とそれらのゴミによる汚染が酷い。環境問題とはこれだね。
    ケータイなんて使えるのにみんな買い換えてくれるから。

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著者プロフィール

愛知学院大学経済学部教授,北海道大学名誉教授。1978年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。専門は,環境経済学,産業技術論。北海道大学経済学部講師,同助教授,同教授を経て,2015年より現職。著書に,『ハイテク汚染』(岩波新書,1989年),『環境経済学講義』(岩波書店,2010年),『グリーン・エコノミー――脱原発と温暖化対策の経済学』(中公新書,2011年),『脱原発と再生可能エネルギー――同時代への提言』(北海道大学出版会,2015年)など

「2016年 『公共政策学の将来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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