現代イラン―神の国の変貌 (岩波新書 新赤版 (742))

著者 : 桜井啓子
  • 岩波書店 (2001年7月19日発売)
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  • 8レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307426

現代イラン―神の国の変貌 (岩波新書 新赤版 (742))の感想・レビュー・書評

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  • 2001年刊行。著者は学習院女子大学助教授。◆当然のことだが、イラン革命関連の叙述が多い。その内容、社会に対する影響等が細かく解説される。

  • 日本にも大勢住むようになったイラン人。
    文化の違いはあるが、古くからの文化を持つところは共通部分がある。
    宗教と政治以外に、教育について詳しく書いている。
    現地での、食事、生活、文化が、本文からはあまり見えてこない。

  • 革命と戦争は人々の運命を大きく変えた。イスラム革命を守るために戦場に向かう若者がいる一方で、反革命の疑いをかけられて祖国を追われた人々や未来を悲観して海外に移住した人も多くいた。アメリカの西海岸ロスに多くイラン人がいる。イランゼルスと呼ばれている。

    ペルシャ語以外にイラン人としてアイデンティティ形成で重要な役割を果たしているのが、各種の伝統行事である。
    イランは若者の国である。
    イランの人々はイスラム革命を成し遂げ、内外の圧力に耐えイスラム国家を守り抜く中でムスリムとしてのアイデンティティを取り戻してきたが、その一方で静養を敵にまわし、孤立したことで国際社会から取り残されてしまった。

  • 本書はイラン革命からハタミ大統領再選までのまさに『現代イラン』を、7つのテーマからその実態を浮き彫りにしている力作です。この類いの本はジャーナリスティックな観点から書かれたものが多く、表面的な事実の記述に終始しているケースが多いのが現実です。しかし、本書の著者は女子神学校にも入学し、そういった生の体験を通じて描き出された、「内側」からのイランの姿をとてもリアルに感じましたし、私の中で持っていたイラン像というものがかなり変わりました。文化・社会だけでなく国際政治という観点からも、恰好のイラン入門書だと思います。

  • 適当に手にとったこの一冊…

    すごく有意義な時間を過ごした感
    まずイランイラク戦争を知れたこと
    次に授業で聞き流してたホメイニーが知れたこと
    そしてイランは意外と日本人のmeからみても普通だということ
    それを感じたのは女性の権利を求める運動
    なんとなく男尊女卑的なイメージがあったけど、識字率の上昇、裁判顧問の女性投入、そして女性の参政権
    やはりもとめるものは同じなのだなと
    あとイスラーム的とはいえ学問が重視されてることも意外


    とにかくイランというイメージが変わった

  • [ 内容 ]
    1979年2月11日、ホメイニーの革命は中東随一の近代国家イランを、女たちの黒いヴェールに象徴される神の国に変えた。
    女性、移民や亡命者、殉教者、神学生、学生や若者たちの模索の跡をたどり、イスラームと西洋的な価値観の共存という世界の最先端の課題を生きる人々が、いま何を考えているかを共感をこめてえがきだす。

    [ 目次 ]
    1章 革命の渦へ
    2章 殉教者
    3章 祖国を後にした人々
    4章 イスラーム神学校
    5章 教育と若者
    6章 ヴェールの向こう側
    7章 カリスマなき共和国

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • (2004.01.27読了)(2002.03.30購入)
    副題「神の国の変貌」
    1978年までのイランは、パーレビ国王の下で順調に近代化が進んでいると思われたのに、1979年パーレビ国王が国外脱出し、宗教指導者のホメイニーがフランスから帰国し、イスラム革命が成功した。近代化は否定され、イスラム教に基づいた政治が行われるようになった。
    この混乱に乗じて、1980年9月にイラクがイランに攻め入り、イラン・イラク戦争が始まり、8年に渡り戦闘状態が続いた。
    1988年8月停戦が成立し、平和が訪れた1989年6月、イスラム革命と、イラン・イラク戦争を乗り切った最高指導者ホメイニーがなくなった。
    1990年8月イラクがクウェートに攻め込み、湾岸戦争へと続いてゆく。
    2001年9月11日イスラム過激派によるテロ事件が起こり、アメリカ等によるアフガニスタン、イラクへの攻撃へと続いてゆく。
    1990年代は、イランは国際社会から消えてあまり話題にならなくなった。でもここ数年イラン映画が話題になり、アメリカとの関係ももう一歩で再開できそうな状態になってきた。
    ということで、1979年からのイランで何が起こっていたのかを知るためにこの本を読んだ。

    パーレビ国王の功績として最も大きな功績は、農地改革をあげることができそうだ。
    農地改革は、三段階で実施された。第一段階は1962年で、大地主を対象にし、所有限度を1人一村として大地主から収用した土地は農民に有償で配分された。第二段階は1963年で、主に中小地主と宗教寄進地を対象に実施され、所有限度を越える土地は定額で農民に貸し付けられた。第三段階は1968年で、第二段階の改革で定額借地農となった農民に所有権を与える法律を作り多くの自作農が誕生した。地主層や宗教勢力の激しい抵抗の中で断行された事は評価していいことだと思う。
    第2の功績は、婦人参政権を与えたこと。女性に選挙権と被選挙権を与えたこと。1963年に実現している。これも宗教勢力の反対にあっている。イスラームの女性観に反するというのだ。
    第3の功績は識字率の向上で、兵役期間中の高卒以上の若者を僻地に派遣し識字教育に当たらせ、10年間で農村における男子の識字率は、25.4%から43.6%に上昇した。女子に関してはよそ者の青年を警戒しあまり学校へやらなかったため、4.3%から17.3%への上昇にとどまっている、ということだが、それでも十分評価に値すると思う。
    近代化を進めた結果として、都市と農村の格差が進みそれが1979年のイスラーム革命に繋がったというのだが、この辺の事情はよくわからなかった。
    1979年12月に制定された憲法では、すべての法律と規則はイスラームの規準に基づかなければならないと規定されている。イスラーム法学者が重要な位置を占めることになる。
    それでも憲法や法律が作られるだけましといえるかもしれない。コーランがそのまま直接、統治のための原典にされてしまってはどうしたらいいか困ってしまう。
    新国家では、貧困層に対するいろいろな救済措置が取られているようで、大学にも貧困層に対する一定枠を用意したということだ。ただ、入れてもらったはいいけど、学力が不十分で授業についていけず十分な効果が出ていない等の問題はあるようだ。
    女性のヴェールについては、1936年に、ヴェール禁止令がでたが、イスラームの教えに反するとか、貧困層ではヴェールなしで人前に出られる服がないという理由で、反対が多く、1941年にヴェール禁止令は撤廃された。しかし、都市部ではヴェールを着用しない女性が増えたということだ。ところが、イスラーム革命の結果、再度ヴェールの着用が義務づけられた。女性にとってイスラーム革命は、多くの点で権利の後退を招いたようだ。
    全体的には、生活は安定化し、向上に向かっているようで、イスラーム革命で、海外に逃げた人たちも戻りつつあるようだ。

    ●関連図書
    「イラン 栄光への挑戦」和泉 武・坂本 弘樹著、日本貿易振興会、1978.05.25
    「イラン体験」五十嵐 一著、東洋経済新報社、1979.07.16
    「イラン人の心」岡田 恵美子著、NHKブックス、1981.06.20
    「隣のイラン人」岡田 恵美子著、平凡社、1998.05.20
    「イラン日記」大野 盛雄著、NHKブックス、1985.10.20
    「イラン農民25年のドラマ」大野 盛雄著、NHKブックス、1990.01.20

    (内容紹介) amazon
    1979年2月11日,ホメイニーの革命は中東随一の近代国家イランを,女たちの黒いヴェールに象徴される神の国に変えた.女性,移民や亡命者,殉教者,神学生,学生や若者たちの模索の跡をたどり,イスラームと西洋的な価値観の共存という世界の最先端の課題を生きる人々が,いま何を考えているかを共感をこめてえがきだす.

  • <a href="http://www.bk1.co.jp/product/020541712"><B>現代イラン</B> 神の国の変貌</a><br>(岩波新書 新赤版 742)<br> 2001.7<br><br><br>1979年のイラン革命から始まり、イラン・イラク戦争を経て<br>ハータミー大統領の登場までを描く。<br>革命を機に亡命した人々や神学校の記述もある。<br><br>「ペルシャ」と呼ばれていた時代から現代に至るまで、<br>イランには興味と親近感を持っていたので<br>普段着のイランを紹介する書籍が出るのは、素直に嬉しいですね〜<br><br>二国間でビザが必要になった、約10年前より以前は<br>出稼ぎに来ていたイラン人を、よく見かけたものですが…。<br>(その前はパキスタン人だったような。記憶合ってるかな!?)

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