「対テロ戦争」とイスラム世界 (岩波新書)

制作 : 板垣 雄三 
  • 岩波書店 (2002年1月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307662

作品紹介・あらすじ

アメリカ同時多発テロと「対テロ戦争」について、われわれはどこまで理解しているか。第一線で活躍する中東地域研究者たちが、事件の実像に迫るために、「テロ」の論理やアフガニスタン周辺の状況を丹念に分析。歴史的文脈や米国の中東政策のみならず、パレスチナ・湾岸・アフリカ・東南アジアなどイスラム世界全域の動向にも目を配る。

「対テロ戦争」とイスラム世界 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 本章ではあくまでメディアの多くが90年代以降「イスラム原理主義」と呼んできた現象を語る際の代替表現としてイスラム主義を定義しておきたい。それは「イスラム法(シャリーア)の古典規定を国法とし、厳格に適用としようとする思想や運動」のことであり、同時に、192 4年にトルコで廃止されたカリフ制の復興を目指す。このように定義されたイスラム主義者と普通のムスリムとの違いは、しゃりやの個展規定を現代にそのまま適応できると考えるかどうかと言う1点に尽きるといってもいいだろう。6から7ページ

    要するに、ムスリムの若者が防衛ジハードに加わる最大の理由は、彼らが「敵」と戦わない限り、同胞が虐殺され続けると信じていることなのである。18ページ

    しかしそうしたイラクの社会主義的性格を一変させたのが、2度にわたる石油価格の高騰である。… 1970年代後半には先は西側諸国から1様に、「プラグマティックで有能な若手文民政治家」と期待をかけられたのである。この石油収入の急増は、それまでの親ソ社会主義共和制たるイラクと、湾岸の保守的王政・首長制諸国とを経済構造上似通ったものにする、と言う結果をもたらした。88p

  • 大学時代に読んだ本の再読。未来予想が概ね当たっていて、さすが。

  • 借りた本、二冊目。

    こちらの方が非常に分かりやすかった。

    「イスラム原理主義」や「テロリズム」という言葉の魔術が生み出したアメリカの正当性と、イスラム•キリストの「文明の衝突」観。

    その底流に流れる歴史的背景と利害関係なくして、イスラム世界は語れない。

    「9.11」は、私の無関心に対して鋭く斬り込んできた一つの事件であった。
    血を流す現場から遠く離れた地が、一瞬にして惨状と化すその光景。国対国ではない、もっと複雑に国々を飛び交う人々と、その思いの礎。

    これをきっかけとし、世界が見つめる中で、イスラム世界は大きくパワーバランスを変えることとなった。
    『100年予想』のフリードマンが、なぜテロという言葉に固執し、アメリカの報復方法を談じたか、ようやく分かってきたように思う。

    あらゆる政治的暴力を批判する姿勢。

    巻末に書かれた今後の在り方は、もっともであるが、さて今、アメリカはどう動くべきなのか。

    考えの基盤となる一冊になった。

  • アラブ地域を取り巻く情勢や歴史背景については包括的に述べられているけれど、逆に背景知識がかなりしっかり無ければついていけない内容。

  • 半分ほど読んでところどころ飛ばし読み。世界史的な知識があまりなかったが、テロなどの根源にあるものをすこし汲み取れた。イスラムの一元的な考え(防衛ジハードなど)も危険だが、イスラム主義=悪とみなし正当化するアメリカの考えも危険だと思う。

  • [ 内容 ]
    アメリカ同時多発テロと「対テロ戦争」について、われわれはどこまで理解しているか。第一線で活躍する中東地域研究者たちが、事件の実像に迫るために、「テロ」の論理やアフガニスタン周辺の状況を丹念に分析。
    歴史的文脈や米国の中東政策のみならず、パレスチナ・湾岸・アフリカ・東南アジアなどイスラム世界全域の動向にも目を配る。

    [ 目次 ]
    序 「対テロ戦争」とイスラム世界
    第1章 「イスラム原理主義」とジハードの論理
    第2章 タリバーン時代のアフガニスタン
    第3章 中央ユーラシアの再イスラム化
    第4章 イラク・湾岸諸国―冷戦と湾岸戦争の遺産
    第5章 パレスチナ問題
    第6章 定点観測/界面観察
    第7章 世界は変貌する―テロリズムとイスラム世界

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