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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004307747
みんなの感想まとめ
技術官僚の権力構造や生態系を深く探る本書は、技術官僚が直面する冷遇の実態や制度的な無責任性、さらには行政官としての役割の変化を明らかにしています。技術官僚は、かつてのように専門性を活かすことが難しくな...
感想・レビュー・書評
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735円購入2010-07-06
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テクノクラート、技官について関心を持ち本書を手に取った。本書は技術官僚の権力構造を省庁ごとに見た後、過去の問題事案を題材に改善点を提案している。私の関心は前者を理解することが第一だった。
先行研究によれば、明治中期の技術官僚は、留学組・国内養成組のいずれもインフラを担うポジションで重用されていた。その後20世紀初頭から「冷遇」が見られるようになったという。「銓衡」により官吏ではなく「嘱託」として採用されたことも一つの要因だとする。しかし戦時中は軍部と技官の連携により、前述の法制度の改善はなかったが、次第に権力を得ていった。こうしたことは、科学動員とその波長が似ているようにも感じた。
戦後の高度経済成長と科学技術の著しい進展は、技術官僚の指導できることではなくなり、技術官僚は技術の衣をまとった行政官に過ぎなくなった。行政官としてのコントロールと進捗状況監視・プロジェクト管理が主な役割となっている。ただ以前からの風土は残っており、勤務する部署が事務官と異なり特定のセクションになる。また当然人事の発令系統も別のルートになる。かつ入省段階で決められたキャリア歩んでゆく。
本書後半では、技官の分野別の閉鎖性と強固なセクショナリズムの指摘がある。一方、種々の組織においても、技術畑、営業畑、管理畑及び教学畑等といった括りや同族意識が自然と形成されている。これは一般的な理解といっていいだろう。他方さらには今日の大学界隈では、高度専門職や専門的職員に係る議論が展開されている。若干テクノクラートの香りがするこうした職種が、将来、教員と職員以外の新たなセクショナリズムに発展しないよう留意されることを望みたい。各人の心がけ次第だと思うが。 -
事務官と技官の"助け合い"による省益確保、行政官の業務の制度的(体系的)"無責任性"、"技術の衣をまとった行政官"という今日の技官の姿、省ごとの採用や天下りによる"帰属意識"の涵養、…といった問題群が指摘される。
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「技術官僚」に焦点を当て、日本の官僚制に切り込んでいる。技官と事務官の相互依存的な関係により、「技官の王国」が築かれ、日本の官僚制の無責任体質につながっているという論旨。
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ななめ読み。技術系をメインとした官僚機構の歴史について詳細に書かれていた。農林水産・国土交通・厚生労働について特に詳しい。
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これはいい.こんなに多くの法的根拠のない組織慣例が自家中毒を起こしていたとは.しかしこうも構造的問題があると,組織自己変革やヌルい政治介入ぐらいじゃどうにもならぬ気がしてくる.
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歴史の変遷、文献の整理。
問題の一側面、根本理由の不明。
・行政組織法と行政作用法の整合
→所掌の抽象的規定と自らの判断権限
・不明確な責任の所在
・~1885年 内閣制度導入、一応の定着
外務、内務、大蔵、陸軍、海軍、司法、文部、農商務、逓信、9省+宮内省
公共事業官庁:内務(土木局)、農商務、逓信、内閣(鉄道局)
・技術重視→社会基盤整備事業の完了→冷遇 -
技術完了ははじめからある特定専門分野における専門知識と技術の必要性に応じてリクルートされてきた。
逓信省の技術者は花形技術官僚だった。 -
『技術官僚―その権力と病理』(新藤宗幸、2002年、岩波新書)
省庁の中でどのように意思決定がなされているのかがよくわかる。
省庁ではキャリア行政官(国家1種)が出世の道を歩んでいくが、
実際の業務はノンキャリ行政官(国家2種)がスペシャリストとして担っている点や、
事務官(文系キャリア)と技術官僚(技官;理系キャリア)とのすみわけや役割分担の点がおもしろい。
ただ2002年出版の本なので、政権交代によって官僚組織がどのように変わるのか等については触れられていない。
薬害問題はなぜ起きたのか、公共事業がなぜなくならないないのか、
という点について、技官と事務官の関係から解き明かそうとしている。
たいへん参考になる。
(2009年10月2日)
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技術官僚の生態系を追った作品。
一般的にいわゆる文系採用の官僚と比較して冷遇されがちと呼ばれる技術官僚であるが、その実態はどうなんだろうかと考え読んでみた。
確かに技術官僚は人事制度上は上のほうのポストが少ないため、冷遇されているように感じるが、その実、業界団体とのつながりが深く、これらの団体の意向を受けた制度なり実務なりを行うことで「天下り」という見返りを受けている。これは技術官僚に限ったことではなく、事務官僚もその恩恵を受けているようだ。すなわち技術官僚の問題は単に技術官僚がその専門性を生かせないことが問題なのではなく、技術官僚がその専門性をタテにその他の官僚の権力行使を妨げていることが問題なのである。 -
注目されるキャリア・ノンキャリの視点とは異なる法制官僚・技術官僚という視点が、日本の行政機構の硬直の原因を映し出しているように思えた。
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