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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004307808
感想・レビュー・書評
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自然哲学(物理学)発祥の地、古代ギリシャの都市国家あちこちの遺跡を理論物理学者である著者自ら探訪した紀行文。著者の撮影した写真多数、感動もの。
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三葛館新書 293.1||TA
ソクラテス以前の哲学者たちの生地を起点に、ギリシア本土とその周辺の島々やシチリア島など、東地中海をめぐる旅のガイドブック。自然哲学を概観しながら、それを培った土地の風土と歴史にも目配りがなされている。たとえば「ピタゴラスの定理」でおなじみのピタゴラスはサモス島出身なので、この島の大女神ヘーラーの聖数10(=1+2+3+4)を重視したというような興味深い話が記されている。イタリア・ギリシア旅行の機内で読むのに最適。
【レビュー:保健看護学部 西村賀子先生】
和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=43380 -
(2011.09.22読了)(2011.09.18購入)
まえがきに次のように書いてあります。
「哲学史、科学史の跡に立ち、その場の雰囲気に包まれて、時間を超え、彼らの創造の秘儀をかいま見ることができたならば、それにまさるよろこびはありますまい。感性の世界、そして理性の世界を超えたところにあるもの、創造のはたらきを担うデモーニッシュなもの、その影にでも接することはできないでしょうか。これが私たちの古代ギリシアへの旅なのです。」
なお、あとがきには、「自然哲学ゆかりの地については、拙著『古代ギリシア科学史の旅』もあわせてお読みいただければ幸いです。」とありますので、科学史については、この本ではあまり触れていないということのようです。
章立ては以下の通りです。
1、哲学のふるさとミーレートス
2、ピタゴラス学派の聖なる数10
3、万物の根源を求めて
4、古典文化の花咲く都市アテーナイ
5、時計回りにめぐるペロポンネーソス
6、悲劇の舞台
●万物の根源は水(12頁) タレース
万物の根源をなすただ一つのものを水と考えたのは、自然界におけるその量の莫大さ、その変化の多様性によるものでありましょう。とりわけ、日々の気象の移り変わりはさまざまな水の営みにほかならず、動植物の生育にも欠くことができないのは水なのです。
●空気(16頁) アナクシメネース
アナクシメネースは、万物の根源、無限なるものは空気であり、その運動は永遠で、変化もこれによって生じるとしました。
空気が薄くなれば火になり、濃くなれば水に、さらに、土になるとしたのです。
●数(52頁) ピュータゴラース
ピュータゴラース学派は、宇宙は数的な調和によって秩序づけられていると考えましたが、さらに、万物は数から成るとして、数を素材のようにも考えていたようです。点は一で、広がりをもち、線は二、面は三、立体は四でした。十は聖なる数でありました。それは、十=一+二+三+四、すなわち、点、線、面、立体のすべてを含む、完全な数であり、また、長さが一対二、二対三、三対四の比をなす弦は、それぞれ、八度(一オクターヴ)、五度、四度の音程を生じるではありませんか。そして、十個の点を正三角形に並べたものが、テトラクテュスと呼ばれ、ピュータゴラース教団のシンボルとなりました。
●バビロニアの聖数は七(76頁)
バビロニアの聖数は七で、その神話にもしばしばあらわれます。これは、空を動く星が七つ、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月であることに由来しています。現代の私たちの暦でも、七日を一週間にしているのは、遠いバビロニアの影響なのです。
●アーリア語族の聖数は三(77頁)
アーリア語族の聖数は三です。ギリシアでは、ゼウス、ポセイドーン、ハーデースが、それぞれ、空、海、冥府を支配していました。三柱の女神ヘーラー、アテーナー、アプロディーテーが美を競いました。
●仏教の聖数は四(77頁)
仏教の聖数は四であるように思われます。生老病死の四苦、四聖諦、八正道、十二因縁、百八煩悩など、すべて四の倍数になっています。
●中国の聖数は五(78頁)
中国の聖数は五、しかも、四+一であるように思われます。五行説はこれをあらわすものに他ならないでしょう。すべてのものは木火、土、金水からなり、方向は東南、中央、西北、季節は春夏、土用、秋冬、色は青赤、黄、白黒です。
●火(84頁) ヘーラクレイトス
ヘーラクレイトスによれば、万物の根源は火であり、すべてのものは火から生じ、また、火に帰る。火は濃厚になって空気となり、さらに、水、土となる。そして逆に、希薄になって、土から水、空気へ、さらに火に帰る。
●本は知識の産婆(119頁)
本は読者に知識を与えるのではなくて、読者が本に触発され、自分自身の知識を生み出すのを助けるのです。それまでぼんやりしていたものが、本と対話することによって、はっきりした形を取り、確実な知識となって生れ出る。
●テアイテートス(120頁)
ソークラテースの産婆術は、弟子のプラトーンの著した対話篇『テアイテートス』に出ていて、ソークラテースが、少年テアイテートスと、知識について話し合っているように書かれています。
●オリンピック競技(162頁)
競技の種目は、最初は一スタディオン(192.3メートル)のと競争だけで、期間も一日だけでしたが、一スタディオンの往復、十二往復、五種競技(徒競争、幅跳び、円盤投げ、槍投げ、レスリング)などの種目もしだいに加わり、期間も五日間になりました。
競技の優勝者へは、その栄誉をたたえて、オリーヴの小枝の冠が授けられました。けっして物質的な実益が与えられることはなかったのです。
☆関連図書(既読)
「世界の歴史(2) ギリシアとローマ」村川堅太郎著、中公文庫、1974.11.10
「古代エーゲ・ギリシアの謎」田名部昭著、光文社文庫、1987.08.20
「古代への情熱」シュリーマン著・村田数之亮訳、岩波文庫、1954.11.25
「アトランティスの発見」竹内均著、ごま書房、1978.02.10
「ソクラテス」田中美知太郎著、岩波新書、1957.01.17
「プラトンの哲学」藤沢令夫著、岩波新書、1998.01.20
「ビザンチンの光芒―聖域行」那谷敏郎著、平凡社カラー新書、1976.05.08
「カラー版 ギリシャを巡る」萩野矢慶記著、中公新書、2004.05.25
(2011年9月24日・記)
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