一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))

著者 : 高橋源一郎
  • 岩波書店 (2002年6月20日発売)
3.72
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  • 本棚登録 :786
  • レビュー :109
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307860

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))の感想・レビュー・書評

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  • NHKの「ようこそ先輩」で小学生に「小説を書くこと」を教えたことに肉付けした本らしい。
    たくさんの引用文がとても面白くて、楽しんで読めた。
    ハウツー本というより本が好き、言葉が好きっていう随筆のよう。

    「すべての傑作といわれる小説は、その小説家が、最後にたったひとりでたどり着いた道、その道を歩いて行った果てにあります。そんなのを書く方法なんか、だれも教えられるわけがない。」
    って最初に言っちゃうし。

    ・小説と遊ぶ
    書いてはダメらしい。
    降ってくるまでじっと待つ。
    そういえば、村上春樹が書こうと思ったのはヤクルト戦を球場でみていた時だったような。
    大好きな「フィールド・オブ・ドリームス」を思い出す。

    「飛んでくる、たくさんのボールの中に、あなたの恋人を見つけてください。好きにならずにいられないものを見つけてください。」

    ・まねる
    「なにかをもっと知りたいと思う時、いちばんいいやり方は、それをまねすることだ」
    「まねることは、その間、それを生きること、でもあるのです。」

    「あらゆるものを、(それが、わからない言葉で書かれているものなら)、わかることばに翻訳して、死んだことばを生きていることばにして、運んでくれるのが、小説、とわたしは考えるのです。
    小説はいう、生きろ、と」

    「自分のことを書きなさい。ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて」

  • 小説とは「人間はミジメで愚かである」という告白であり、その告白を聞いて何を感じるか?なんだが、他人の告白なんてものは退屈なものであり、正直に自分を語るというのは難しいものだ。結果、駄作が増えた。と小林秀雄が言っているが、だからこそ、上手い人の真似をした上で、
    「自分のことを書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて」
    という事になるのかと。
    但し、本著での小説は純文学をさしており、エンタメ小説に関心のある人にはピンとこないところが多々あるかもしれない。

  • この本では小説をいわゆる小説や純文学だけにとどまらず言葉を使った面白いものというように取り扱っている。
    小説を楽しむことをキャッチボールに例える筆者が引用して投げてくるボールは、本屋で小説として売られているものだけではない。そして躊躇わず変化球や剛速球を投げてくる。私はくらくらした。この本を、投げられたボールを放り捨てようかと思った。しかし真摯に貪欲に小説と向き合う筆者の言葉にどんどん先が読みたくなった。この人の言葉を最後まで読んでみたかった。そして、私も彼のように小説を心から楽しみたい。そう思った。
    読んでいくうちにこの小説こそが小説ではないのかと私思わずにいられなかった。

  • 高橋源一郎の誠実さがとても好きなんだけれども、だからこうして何冊も著作を読んでいるのだけれども、だんだん、あまりにも誠実過ぎるのではないかと思い始めた。高橋源一郎の求めるものは純粋すぎて、わたしは人間や社会はそれだけではいられないところがあると思っていて、そういうぐちゃぐちゃもやもやの中で求めるからこそ意味があるのだと思うんだけど、高橋源一郎の目指すもの評価するもの見ているものはあまりにも純粋すぎる、誠実すぎて、逆にうそっぽく思えてしまう。妬み嫉み、なのかなあ。ゲンちゃんとわたしのあいだに齟齬が生じ始めている。あいかわらず、小説やら文学やらに対するこどものように無垢な、ひたすらな愛情はひしひしと伝わってきました。そういうところ、大好きなんだけど。どうしてこんなにもやもやするのかうまく言語化できないのがもどかしい。

  • 「書けるのは本当に知ってることだけ」「知ってることを書くんじゃなくて、つかんだものを、本当に知ってることを書く」→西尾維新物語シリーズ「何でもは知らない。知ってることだけ」以下略

  • 物語を綴る、ってことに興味がない訳ではない。色んな個人的名作に出会う度、“こういうの、自分で書いてみたいな”とか思うことはしきり。ただ、次の瞬間には諦めてるんだけど。もちろん、才能がものをいう世界だと思うし、努力で報われる部分はほんの僅かしかないと思うから、これを読んだところでベストセラー作家になれるとは思わない。でもいつか機会があれば、この本とか参考にしながら、自分なりに何らかの作品が残せたらな、っていう気分にはさせられました。

  • 小説を読んでいるかのように読める小説入門。

    ウィリアム・サローヤンを初めて読んだときのような
    優しさとユーモアを感じました...って
    サローヤンの引用も入ってる。

    「(16)小説を、あかんぼうがははおやのしゃべることばをまねするように、まねる」で、盗作ではないオマージュの例が出てます。
    へーこうなってるんだ。これ、よく見つけられますね。

  • すごく面白かった。
    とにかく回りをよく見ること。あらゆる球を受け止めること。受け止める、とは、面白がること。歩み寄ること、一緒に軽い気持ちででも遊ぶこと。考えること。
    そして、赤ちゃんのようにまねること。さらに深くかかわる。
    そうすると、本当にわかることが増えていって、いつか書ける内容をつかまえられるようになる。

    実践的な話としては、書き出しをまずは借りてみるとか、書く前の沈黙を大事にするとか、頭の中のわだかまりをできるだけ発散してしまうとか、自分が知っていることに少しだけウソを混ぜ込んでみるとか。
    さっと読んでこれぐらい受け取りました。

  • 同僚であり友人である人からのプレゼント。あらためて、言葉や小説というものの魅力を思い起こさせてくれた本。人生や世界を理解するには、小説が必要だ、と感じる。

  • 物書きになりたいわけでは無かったのだが、
    小説の書き方・作家入門と題するような本は十冊くらい読んでいるような気がする。
    その中でわれわれ凡人が唯一物書きになれる手引きになり得る一冊だと思う。

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