地震と噴火の日本史 (岩波新書 新赤版 798)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307983

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  • (^▽^)/

  • 国内で,歴史上の文献に記載のある地震・火山災害を取りまとめた一冊.文献が豊富ということもあり,特に江戸時代の災害についての内容が充実している.全体を通してみると中国地方は目立った火山もなく,地震災害も起きていないが,これ以外の地域では,何らかの地震もしくは火山災害が過去に発生しており,また今後も発生する可能性の高いことが分かる.また,地震や火山が引き起こす二次的な災害について,防災意識が依然として向けられていないと感じた.具体的には,火山活動・地震活動による山体崩壊で生じた土砂がもたらす堰止め湖の決壊や津波,或いは地震動で山体に亀裂を生じて地盤が不安定となることにより,豪雨時に土石流が発生するといったものが挙げられる.こうした災害は数十年のスパンで発生することもあるため,継続的な防災措置が求められる.

  • 資料が多い20世紀の災害は割愛した…にもかかわらず、これだけの記述がある。

    明治の三陸の大津波の記事も、もちろんある。
    その中に、ここには家を建てるなという警告の碑より下に、家が建ってしまっているという指摘がある。
    この本が出たのは2002年。
    3・11を知っている、現在の私たちには改めて教訓としなければならないくだりとなってしまった。

  • 火山の噴火と地震の過去の歴史が史書から解説されていて、参考になった。災害が発生した時の状況が生々しく描かれている。河岸段丘が過去の大地震の痕跡となっていることは驚きだった。

  • 最近やたらTVCMや駅貼りポスターで地震保険の加入を政府が進めているのを見るにつけ、実は近日中に巨大地震が発生するのを予知しているのではないか。正式に発表するとパニックになるので判る人には判るようなサインとして広報を始めたのではないかと穿った見方をしてしまう。
    しかし本書を読むと日本が火山・地震国である認識が根本的に低いことに気づかされる。意識だけで、その意識に具現化された備えがあるかというとそういったものはなく、何となく自分は助かる、何とかなるくらいにしか思っていない自分に愕然とした。怯えて暮らす必要はないが、その時が来た時には泰然と事に当たれる物質的、精神的備えを備えなければならないと感じる。

  • 一般向け啓蒙読物風.それにしても,過去に日本を襲った多くの巨大地震にM8.9などと言う破天荒な例は見当たらぬので,何やらみな小物に見えてしまうあたりが……いやこれは錯覚である.

    たとえば,1703年に相模トラフで起きた元禄地震(M8.2)で,南房総を襲った津波の最大波高:10.5m,地盤隆起:最大5.5mとある.M8.2でも震源が近ければこうなる.
    たぶんこの元禄地震てのは,大正の関東大震災と似て,一回り大物だと思うが,ここ伊東でも「波高10m以上,河口から遡上して2km余の広域で冠水,犠牲者163人」.鎌倉でも同等規模の津波が来たようなので,震源は相模湾の奥側だったのかも.
    相模トラフで起きた超巨大地震は,元禄地震以前は資料に見えぬらしい.が,地質調査によると,およそ1500年毎に起きているようである.それにしては元禄地震と関東大震災の間が短すぎるが,関東大震災は小物のうちということだろうかな.1500年毎に超大物が来るとすると,あと千年余りは猶予がありそうだが,あいにくその間は南海トラフの方が絶賛大活躍なので,それほど安心は出来ぬのであった.

  • 4004307988 212p 2002・8・20 1刷

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