- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004308348
作品紹介・あらすじ
高まる失業率、熾烈な人べらしリストラ、職場ではサービス残業と長時間労働、そして低賃金のパートタイマー。こうした企業社会の現実を綿密に分析し、打開策としてのワークシェアリングを、"一律型"と"個人選択型"モデルを設定して論じる。日本での厳しい条件を考慮に入れながら、実現の必要と可能性について真摯に検討、提言していく。
感想・レビュー・書評
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働き方改革ってこういうことだと思う。100年計画な感じがする。
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7冊目です。
本書はタイトル通りワーキングシェアを中心として現在の日本の労働のありようを述べた本です。
ワークシェアというとただ単に労働時間を分け合うという感じがしますが実際には様々なタイプがあります。
例えば正社員の労働時間を非正社員と分け合うというのも一種のワークシェアですがこれは理想的ではありません。
というのはこれだと現在の日本の労働状況となんら変わらず非正規の人の給与も低い上に正社員も
サービス残業など過酷な労働状況のままということになってしまうわけです。
ではどうするのがいいかというと非正社員を正社員にする形で労働を分け合うというのが良いようです。
これであれば非正社員が正社員となることにより雇用が安定し、正社員の方も労働時間が減ることにより
負担が減ります。
ただし、注意しなければいけないのが給料が確実に減るということです。上の例でいえば非正社員は正社員になることに
より途中で契約を切られたりといった不安定性はなくなりますが、単純に労働時間が減少した場合は給与が減るか変わらない
可能性があります。これは正社員も同様でたしかに労働時間は減りますが給与が減る可能性は否定できません。
とはいってもやはりワークシェアは魅力的です。確かに正規の労働時間内で分け合った場合は給与が減りますが
サービス残業などの給与が支払われない部分を分け合えばその部分で新たな雇用が生まれますし、もともと
給与が支払われないような無駄な労働が減りますから正社員も労働時間が減るうえに給与も変わりません。
これがもっとも理想的な形かもしれません。
ただやはり企業側としては当然拒否感を示すでしょう。いかに企業側を説得するかということが最も
重要かもしれません。
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市立図書館貸し出し 2009.0309から0326まで
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使える新書 教養インストール
授業でも使う -
図書館で借りた。
主にワークシェアリングについて述べている。
ワークシェアリングにもただ仕事を分け合うだけではなく
色々なやり方があるのだと勉強になる。
外国の実践事例や日本での実例も紹介されている。
リストラされそうになっている人を職場の仲間が
自分たちの働く時間を減らしてでも救おうとする話があり
職能が明確になっているとそのようなサポートの方法が
あるのかと思った。
ワークシェアリングに対して反対する意見に、使えない
人が残っても意味がない、としているのもいくつかあり
救おうとしている人たちとは大分差がある。
労働時間について以下2つの統計があることを初めて知った。
『毎月勤労統計要覧』(厚生労働省)・・・給料の支払われた労働時間の統計
『労働力調査』(総務省)・・・労働者の報告に基づく実際に働いた時間の統計