豊かさの条件 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.42
  • (15)
  • (17)
  • (60)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 248
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308362

作品紹介・あらすじ

効率と競争の追求によって泥沼の不況から抜け出そうとする日本社会。だが、リストラ、失業、長時間労働、年金破綻など、暮らしの不安は暮るばかりだ。子どもの世界も閉塞をきわめている。著者のNGO活動の経験をふまえて、真に豊かな社会をもたらす互助の関係性をいかにして作るかを考える。前著『豊かさとは何か』の続篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『豊かさとは何か』(岩波新書)の続編。

    前著で著者は、経済成長に邁進してきた日本が本当の「豊かさ」を置き去りにしてきたことを批判していました。本書でも、前著刊行以後の日本においてそれらの問題が一向に解決されることなく、むしろ新自由主義的な政策を望む声が高まるなかでますますひどくなってきていることが、やはり批判的な観点から論じられています。

    また本書の後半では、著者自身がかかわったNGO活動と、そこでおこなわれた日本とユーゴスラビアの子どもたちの交流が紹介されており、未来における「共生」への希望が語られています。

  • うーんなんか納得できなかった

  • 競争ではなく、助け合う世界、社会にしていく。
    日本の教育はこれを実現するためのシステムにはなっていないし、社会そのものが、競争を煽る仕組みになっている。
    見習うべきものの、一つは、筆者が知るドイツにおける教育である。

  • 結局豊かさとは何なのか。
    互助の先にあるというのもちょっと違う気がする。
    もちろん助け合うこと自体は大事だと思うが。

  • ユーゴの子どもたちとの交流の話しが心に残った。
    実現に向けて多くのハードルを越えたことが感じられ、尊いと思った。

  • 誰もが感じている経済と豊かさは別物だということ。何で本当の豊かさを訴える政治家が出てこないのか不思議です。

  • 今さら再読シリーズ
    2003年初版ですから、10年以上も前ですね。

    貧困、自殺、いじめ等さまざまな社会問題に切り込みつつ、これからの社会には互助が必要と締めています。

    個人的な体験のお話も多く、エッセイのような読みやすさでした。

    経済的自由≠人間的自由とゆうのが印象に残ったかな。

  • ○経済成長目覚ましいバブル期に「”豊かさ”とは何か」という問題を提起した著者が、バブル崩壊後にふたたび豊かさについて問いかけます。それまでは、競争原理こそが社会の原動力であり、その力で社会が最適化効率化してゆくと信じられてきたのに対して、著者はそこに潜む人間の商品化(失業者、非正規雇用者問題など)、荒んだ子ども同士の関係(いじめ、不登校問題など)といった負の側面を描き出します。

    ○著者によれば、いま人々にとって必要なのは、競争に代わる社会原理、つまり、互助・互恵や連帯といった助け合いの原理です。就業者と失業者、正規社員と非正規社員、出来る生徒と出来ない生徒。競争は人びとの二極分化をもたらし、他者への想像力を奪います。なぜなら、こうした競争システムは、企業や国家といった組織にとって都合のよい選別の仕組みなのであって、「人間関係に不可欠な助け合いや共感能力、個性を認め合うこと、地球市民としての責任などは軽視されている(p. 86)」からです。

    ○そこで著者はこの競争原理に代わるものとして「助け合いの原理」を唱えます。助け合いとは、人びとの連帯であり、互助や互恵であり、共感(他者への想像力といってもよいでしょう)という、人間としての相互作用があると言うことです。例えば、失業者同士が連帯することで、解決の糸口を探ったり、社会問題として声を上げることが出来ます。また、「社会には人びとの助け合いが存在している」と人びとが社会を信用できることが安心感をもたらすといいます。その点、教育において道徳を科目化したり「心のノート」を導入して道徳を教えるというのはどこか違和感を覚えますし、正答主義を基軸にしたままの短絡的な解決方法のようにも思えます。このような点から、「根本的な視点を新たにする必要がある」というのが、この本の言いたいことなのではないでしょうか。つまり、連帯や共同、助け合いに「豊かさ」の条件の手がかりを見出しながらも、「それだけで全て解決する」とは言っていない点に注意する必要があると思います。


    * 疑問 *
    ○日本のゆとり教育とは、時間的なゆとりに過ぎなかったのではないか。ドイツの教育カリキュラム、大学の入学、転校制度との比較。

    ○協同組合(生協、労協など)は、当初はその理念と活動が一致していたが、現在はどうなのか、現在の存在意義とはなにか(生協のスーパー化、労協の弱体化)。

    ○「公開された中で多様な意見が交わされれば、人々の考え方も豊かになり、よりよい結論に到達できる(p. 231)」とありますが、多様な意見が増えることで、実際上の問題として合意を得るのが難しくなるのではないか(もちろん情報公開は大切ですが)。

  • 安易な教育批判、官僚批判や、愛に溢れただけの保守主義(郷愁主義)が多く、岩波新書にしては学術性に欠けている気がする。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:304//Te77

全20件中 1 - 10件を表示

豊かさの条件 (岩波新書)のその他の作品

豊かさの条件 (岩波新書) Kindle版 豊かさの条件 (岩波新書) 暉峻淑子

暉峻淑子の作品

豊かさの条件 (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする