未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)

著者 : 菅谷明子
  • 岩波書店 (2003年9月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308379

作品紹介

「図書館がなかったら今の自分はなかった」。起業や芸術の支援、医療情報などが充実したニューヨーク公共図書館。地域密着の運営、独自のイベントや、ITを活用した情報提供は、どのようにして可能なのか。個人の力を伸ばし、コミュニティを活性化させる活動とその意義を伝え、「市民が主役の情報社会」の方向を探る、示唆に富む報告。

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2003年刊行の本書に描かれた、ニューヨーク公共図書館の姿に驚かされてばかりでした。
    日本の図書館の在り方との違いにも驚きましたが、ニューヨーク市民の図書館に対する信頼度の高さに衝撃を受けました。
    市民が図書館に受けた恩恵を寄附金という形で図書館に還元する文化も日本にはない形だと思います。
    市民と図書館がお互いを成長させる相乗効果が生まれていることに、大きな刺激を受けました。

    図書館の無料インターネットを利用してビジネスを展開している男性についての、図書館側のコメントが奮っています。
    「彼が失業したりホームレスになって社会保障のコストをかけるより、図書館の資源を活用して得意分野で才能を伸ばし、経済的に自立してもらったほうが、市にとっても彼自身にとってもメリットが大きい。」
    とても広い視野を持ってサービスを提供していることが感じられました。

    刊行から10年以上を経ていますが、本書に描かれたニューヨーク公共図書館に、日本の図書館はまだまだ追いつけていないという現実も突きつけられた感じです。

  • アメリカで、図書館を利用したことがあります。
    大学の図書館、公共図書館の両方訪問しました。

    制度がよくわかっていなかったので、本書を読んでいればよかったと思いました。
    ニューヨークへ出かける方は、ぜひ、でかける前に読まれるとよいと思います。

  • ニューヨークの図書館がうらやましい。
    キーワードで司書さんが資料を持ってきてくれるなんて、なんかevernoteみたいだなあ、と思った。

  • 図書館の可能性を感じた。NPOの担当者にも読んでほしい本。

  • 衝撃的で、刺激的。10年前の本なのに、アメリカの図書館とはここまで進んでいるのか、すなわち日本は10年でまだ追いついていないってのを思い知る(進化している館も無論ある)。ビジネスに、芸術に、交流に、学ぶことが多い。

  • ぼくにとって(あるいは多くの日本人にとって)図書館は本を借りる場所であり、静かに勉強する場所であり、どちらかというと情緒的な言葉で語られる場所だが、ニューヨークの図書館はそうではないらしい。
    徹頭徹尾実用的で、ぼくらが調べ物をするときにネットを探しまわるように、ニューヨーカーは図書館を使うようだ。逆に、図書館は有償DBサービスを始めとするネット情報へのアクセス拠点でもあって、情報センターとして機能をしている。情報編成のプロとしての司書の役割も大きい。日本とはずいぶん違う。
    日本流の図書館もそれはそれでいいとぼくは思うが、こういう図書館にも行ってみたいものだ。例えば司書に「食虫植物を上手に育てる方法が知りたい」というと、相談に乗ってくれるのだろうか? これからネットとどう住み分けていくのかな。
    具体的で面白かった。

  • アメリカの図書館事情。10年前なので、今はどうなっているのか気になるところ。でもつい先ごろ雑誌LRGで掲載されてた対談でも同じような話をされてたので、基本変わらないのかも知れない。ここで紹介されているような動きは、日本の図書館でも見られるようになった。ビジネス支援、地域とのつながり、出会いの場…。
    でも圧倒的に違うのは、図書館職員に求められている専門性。あるいは、市民が当たり前に正しい情報を求めていること。もしくは情報の質を求めていること。一般的に、日本で情報がこのように使われているだろうか。日本で、アメリカで展開されているような図書館サービスがはじまったのも、たぶんに図書館側の事情によってる気がしてならない。必要に迫られてサービスを始めた館は問題ないのだろうが、あそこがやってるから、と始めてしまったら、空回りするだろう。使われなくて。大学図書館のラーニングコモンズ導入館の多くが苦労しているように…。
    もちろん、ニーズに合わせてばかりではダメで、新たなニーズを掘り起こし、こんなにも自分にとって便利だったと思えるようなサービスを提供することが絶対に必要だと思う。図書館のためではなくて、人々が豊かに自由に暮らすために。
    そのために、図書館の情報をどう届けてどう使ってもらえるか、うまい仕組みを考え続けたいと思う。

  • 世界の図書館の最先端を行くニューヨーク公共図書館について紹介されている。ビジネス支援や芸術支援、医療情報が充実し、独自のイベントや、ITを活用した情報提供は、2003年時点とは思えないほど先をいっている。なんて理想的な図書館なんだろう。今現在ではさらに進化しているんだろうなあ、どうなっているんだろうと、興味がわいてくる。ニューヨークに行く機会があったら、真っ先に訪れてみたい場所の一つである。日本にもこんな図書館があればいいなあ。

  • ニューヨークに比べ、日本の図書館は何故こんなにもサービスが徹底化されていないのか。それは「やろうとしない」からで、誰かが一言言わないと動かない。日本の図書館は定義や存在意義を見直す必要があると、改めて知らされた。

  • ニューヨークの図書館の状況の紹介。図書館を貸本という機能だけでなく、どのような目的で存在しているのかに注目しているからこその利用のされ方となる構造となっている。
    図書館に足を運ぶかではなく、サービスを受けられるかが大切という言葉にそれが表れている。
    地域情報の核として同時多発テロ直後にホームページを更新。
    起業セミナーを開くなど、幅広い学びの場。
    音声データ、映像データの提供。広告など出版ルート以外のものの収集。
    俳優志望者が朗読や音訳ボランティアをやる。
    テレビ番組の図書館というのも新しいと思う。
    寄付によって成り立っている。

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