飛鳥 歴史と風土を歩く (岩波新書 新赤版850)

  • 岩波書店 (2003年8月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004308508

みんなの感想まとめ

飛鳥時代の歴史と文化を多角的に分析した本書は、読み応えがあり、深い知識を提供します。著者の情緒豊かな文体が、歴史的背景や出来事を鮮やかに描き出し、読者を引き込む魅力があります。特に、宗教が信仰だけでな...

感想・レビュー・書評

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  • 飛鳥
    歴史と風土を歩く
    著:和田 萃
    出版社:岩波書店
    岩波新書 新赤版850

    飛鳥とは、奈良県南部に位置する、地域の名前であり、日本史のある時代でもある

    飛鳥は、あすか、明日香であり、アスカである

    明日香の枕詞は、「飛ぶ鳥の」です。
    7世紀に日本の政治の中心であった飛鳥は、まさに、万葉集の世界です。

    「飛ぶ鳥の」、「明日香」が使われている万葉集の歌は6首

    51 采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く

    78 飛ぶ鳥の明日香の里を置きて去なば君があたりは見えずかもあらむ

    194 飛ぶ鳥の 明日香の川の 上つ瀬に 生ふる玉藻は 下つ瀬に 流れ触らばふ 玉藻なす か寄りかく寄り 靡かひし 夫の命の たたなづく 柔肌すらを 剣大刀 身に添へ寐ねば ぬばたまの 夜床も荒るらむ そこ故に 慰めかねて けだしくも 逢ふやと思ひて 玉垂の 越智の大野の 朝露に 玉裳はひづち 夕霧に 衣は濡れて 草枕 旅寝かもする 逢はぬ君ゆゑ

    196 飛ぶ鳥の 明日香の川の 上つ瀬に 石橋渡し 下つ瀬に 打橋渡す 石橋に 生ひ靡ける 玉藻もぞ 絶ゆれば生ふる 打橋に 生ひををれる 川藻もぞ 枯るれば生ゆる なにしかも 我が大君の 立たせば 玉藻のもころ 臥やせば 川藻のごとく 靡かひし 宜しき君が 朝宮を 忘れたまふや 夕宮を 背きたまふや うつそみと 思ひし時に 春へは 花折りかざし 秋立てば 黄葉かざし 敷栲の 袖たづさはり 鏡なす 見れども飽かず 望月

    2701 明日香川、明日も渡らむ、石橋の、遠き心は、思ほえぬかも

    3791 みどり子の 若子髪には たらちし 母に抱かえ ひむつきの 稚児が髪には 木綿肩衣 純裏に縫ひ着 頚つきの 童髪には 結ひはたの 袖つけ衣 着し我れを 丹よれる 子らがよちには 蜷の腸 か黒し髪を ま櫛持ち ここにかき垂れ 取り束ね 上げても巻きみ 解き乱り 童になしみ さ丹つかふ 色になつける 紫の 大綾の衣 住吉の 遠里小野の ま榛持ち にほほし衣に 高麗錦 紐に縫ひつけ 刺部重部 なみ重ね着て 打麻やし 麻続の子ら あり衣の 財の子らが 打ちし栲 延へて織る布 日さらしの 麻手作りを 信巾裳成者之寸丹取為支屋所経 稲置娘子が 妻どふと 我れにおこせし 彼方の 二綾下沓 飛ぶ鳥 明日香壮士が 長雨禁へ 縫ひし黒沓 さし履きて 庭にたたずみ 退けな立ち 禁娘子が ほの聞きて 我れにおこせし 水縹の 絹の帯を 引き帯なす 韓帯に取らし わたつみの 殿の甍に 飛び翔ける すがるのごとき 腰細に 取り装ほひ まそ鏡 取り並め懸けて おのがなり かへらひ見つつ 春さりて 野辺を廻れば おもしろみ 我れを思へか さ野つ鳥 来鳴き翔らふ 秋さりて 山辺を行けば なつかしと 我れを思へか 天雲も 行きたなびく かへり立ち 道を来れば うちひさす 宮女 さす竹の 舎人壮士も 忍ぶらひ かへらひ見つつ 誰が子ぞとや 思はえてある かくのごと 所為故為 いにしへ ささきし我れや はしきやし 今日やも子らに いさとや 思はえてある かくのごと 所為故為 いにしへの 賢しき人も 後の世の 鑑にせむと 老人を 送りし車 持ち帰りけり 持ち帰りけり

    崇峻5年(592)から、和銅3年(710) が飛鳥に都がおかれた時期です

    乙巳の変(大化の改新)以後は、律令制度が確立し、租税を納めるため人が参集し、諸設備が整えられて飛鳥は、人口が急増していきます
    また、石舞台、酒船石や、亀石などの巨石があり、高松塚古墳など、古代のロマンを彷彿とさせます

    また、近年には、いくつかの大発見により、飛鳥のイメージがかわりつつあります。

    本書は、時代をおって、飛鳥の変遷を追う書です。

    ■年表

    飛鳥前史

    ・飛鳥は河岸段丘が広がる土地であり、耕作が難しいところであった
    ・渡来人たちが、大規模な土木工事をほどこし、飛鳥の開発が進められていく
    ・5世紀の応神天皇の時代に渡来人がやってきて、灌漑設備をふくめて、優れた土木工事を行っていく
    ・中臣氏は、6世紀から台頭してきた新興勢力であった

    ・475 高句麗の攻撃により、百済の漢寺が陥落し、亡命者が、百済から逃亡してくる
    ・522 司馬達止が来日し、仏像をもってくる
    ・538 日本に正式に百済より仏教が伝来される
    ・562 任那日本府陥落
    ・585 用明天皇即位
    ・586 穴穂部皇子、物部大連守屋に命じて、三輪君逆を殺害
    ・587 用明天皇薨去
    ・  蘇我馬子、穴穂部皇子と宅部皇子を殺害
       蘇我馬子、物部大連守屋を滅ぼす
    ・ 崇峻天皇即位
    ・588 蘇我馬子法興寺造営開始

    飛鳥時代 592 - 710

    ・592 崇峻天皇、蘇我馬子に暗殺される
       推古天皇即位 飛鳥に豊浦宮がおかれ、飛鳥時代が始まる
    ・608 推古帝のもの、小野妹子が遣隋使として中国に渡る
    ・603 推古天皇、小墾田宮に移る
    ・622 聖徳太子逝去
    ・629 舒明天皇 飛鳥岡本宮に移る
    ・630 舒明天皇 百済宮に移る
    ・639 百済大寺の造営工事が開始される
    ・642 舒明天皇崩御、皇極天皇即位
    ・643 山背大兄王、蘇我入鹿に殺害される
    ・645 乙巳の変(大化の改新)
    ・660 百済滅亡
    ・663 白村江の戦い
    ・672 壬申の乱
    ・673 天武天皇即位
    ・686 天武天皇崩御
    ・710 平城京へ移転、飛鳥時代は終わる

    ■人物

    崇峻天皇 32 587-592 *倉梯宮
    推古天皇 33 592-628 飛鳥豊浦宮
    舒明天皇 34 629-641 飛鳥岡本宮⇒橿原田中宮⇒飛鳥百済宮
    皇極天皇 35 642-645 飛鳥板蓋宮
    孝徳天皇 36 645-654 難波宮
    斉明天皇 37 655-661 飛鳥川原宮⇒飛鳥後岡本宮⇒飛鳥田中宮⇒朝倉橘広庭宮
    天智天皇 38 668-671 *近江大津宮
    弘文天皇 39 671-672 *近江大津宮
    天武天皇 40 673-686 飛鳥浄御原宮
    持統天皇 41 690-697 飛鳥浄御原宮⇒藤原宮
    文武天皇 42 697-707 藤原京
    元明天皇 43 707-715 藤原京⇒*平城京

    * 飛鳥地方にない宮、京

    ・物部氏も、蘇我氏も結局は、仏教を支持していた
    ・天武天皇も、持統天皇も仏教には手厚かった

    ■史跡

    ・飛鳥寺
    ・橘寺
    ・川原寺
    ・藤原宮

    ・水落遺跡
    ・酒船石遺跡 大規模
    ・飛鳥京跡
    ・川原寺跡
    ・飛鳥池遺跡 実は古代の工房であった、ガラス工房、銭鋳造

    ・ミロク石
    ・猿石4体
    ・酒船石
    ・亀石
    ・石舞台古墳は、蘇我馬子の墓
    ・キトラ古墳
    ・高松塚古墳

    目次

    はじめに 飛鳥川上流を歩く

    第1章 飛鳥を開いた人々
    第2章 蘇我氏の登場
    第3章 飛鳥の春秋―推古朝から蘇我氏の滅亡へ
    第4章 斉明朝の飛鳥―「興事を好みたまふ」女帝
    第5章 飛鳥浄御原宮の歳月―律令制国家の成立へ
    第6章 故郷“飛鳥”

    おわりに 飛鳥をどう受け継ぐか

    あとがき
    参考文献

    ISBN:9784004308508
    判型:新書
    ページ数:224ページ
    定価:800円(本体)
    2003年08月20日第1刷発行
    2003年12月05日第5刷発行

  • 確かに「石の都」の感じがする。それに加えて「水の都」でもあったんだ。漏剋とか昔の人の技術がすごい。
    日本で初めて出家したのが女性だったってことを初めて知った。男女なんてどっちでもいいんだろうけど、なんとなく覚えておきたい。



  • 歴史と風土ということで多方面から飛鳥時代を分析する著書で読み応えがあってとても面白い。著者の文体に情緒があってとても素敵な本だった。
    あと宗教って純粋に信仰としてだけでなく、こんなに早くから政治の道具として使われていたんやなというのを感じた。

  • 単なる学者の学術的な視点で書かれた本ではなく、飛鳥、明日香への愛情が感じられる一冊。
    実際に現地を訪れて、読んで、また訪れてもう一度読んで・・と本に記載のある史跡を訪ねながら読みたい。

    明日香の、そして飛鳥の現在の地図、また昔の地図を広げながら、私自身が訪れたお寺や史跡、甘樫の丘や奥明日香、栢森を思い浮かべながら、歴史に思いをはせることができる、想像力を掻き立てる本だった。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00087573

  • 愛媛などを舞台とした作品です。

  • [ 内容 ]
    新宗教・仏教の受容、相次ぐ激しい権力闘争を経て、律令国家の成立へと向かう七世紀日本。
    その変貌の主要な舞台こそ飛鳥だった。
    今はのどかな田園風景の中に、古代の宮殿跡や古墳、また謎を秘めた数々の巨大な石造物が点在する―そんな飛鳥の景観を愛し、歴史に想いをはせる人びとのための、古代史の研究成果を充分に踏まえた案内書。

    [ 目次 ]
    第1章 飛鳥を開いた人々
    第2章 蘇我氏の登場
    第3章 飛鳥の春秋―推古朝から蘇我氏の滅亡へ
    第4章 斉明朝の飛鳥―「興事を好みたまふ」女帝
    第5章 飛鳥浄御原宮の歳月―律令制国家の成立へ
    第6章 故郷“飛鳥”

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著者プロフィール

1944年 満洲国遼陽市生まれ 1972年 京都大学大学院文学研究科(国史学専攻)博士後期課程単位取得退学 京都教育大学名誉教授 ※2014年10月現在【主な編著書】『飛鳥―歴史と風土を歩く―』(岩波書店、2003年)『歴史の旅 古代大和を歩く』(吉川弘文館、2013年)『古代天皇への旅』(吉川弘文館、2013年)

「2014年 『古事記と太安万侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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