シラクのフランス (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308539

作品紹介・あらすじ

高い失業率、極右の台頭、深刻化する移民問題-。グローバル化の進展と欧州統合の拡大という歴史的な転換の中で、フランスはどう変わろうとしているのか。また、国際的な反発のもと核実験を遂行し、その一方でイラク戦争に強固に反対したその真意は。一九九五年以降のシラク時代に焦点を当て、現代フランス社会の激動の軌跡を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年フランス大統領決選投票を前に、サルコジ現大統領ではなく、シラク元大統領の時代についてのルポルタージュを再読しました。
    シラク元大統領の時代、欧州統合の目的が、平和の構築という意味合いを失い、欧州全体の経済的な繁栄に大きく舵を切った時期にあたる、という著者の指摘はまさにその通りである、と現時点で同意できますが、ほぼ同時代にこのような大局観を提示した本書は、今読んでも大変示唆に富む内容を含んでいます。
    個人的には、通貨統合へとまい進するドイツとフランスが、首脳が変わってもその欧州政策で協調してきたこと(それ以外の選択肢はない。。。)が確認できました。
    「はじめに」に記されているように、「フランスは何よりビジョンを示す国である。(中略)構想力と理念が、フランスをしばしば世界の中で際立った存在にする」なか、大統領選挙、国民議会選挙を経て、債務問題がくすぶり続けるEUの中核国として、同国がどこへ向かうのか、注目していきたいと思います。

  • 2003年刊行。著者は共同通信社編集局外信部所属、元パリ支局員。仏国シラク政権下の実情を解説。多面的解説だが、簡明に要約すれば、経済面では市場主義・グローバリズムに翻弄される一方、歴史的な負の清算、つまりナチス荷担の黒歴史、ドゴール再評価、さらには植民地支配の結果としての仏国内の多民族化とこれに対する極右台頭などの論を展開。また仏からみたイラク戦争開戦経緯は新奇。他、本書からの発展テーマとして、現実主義に根差すものの欧州統合の理想主義的理念と、ユーロ導入等、欧州自立化を米国がいかに見ているかも気になる。

  • 2015/12/30 読了

  • 六甲アイランドのブックオフで購入し、フェリーで読む。読みやすい本でした。著者は、元共同通信のパリ特派員です。テーマは、シラク時代のフランスです。政権を支える左右のエリートの同質化を指摘しています。

  • イラク戦争に反対したフランスについて少し知ることができた。
    しかし、表面的な理解ではない情報提供のはずが、情報量と質が少なすぎて、
    素人にはわからない。
    参考文献も、日本語のものは、歴史的視点以外の資料性が乏しいように見受けられる。
    イラク戦争にもっと切り込んで欲しかった。

  • フランスの国家体制、国民性をわかりやすく解説した良書。ストライキが「メンバーが趣旨に賛同した職場」ごとに始まるところは面白い。
    また、核ミサイル基地を訪問したくだりは圧巻。

  • シラクは相当の親日家で相撲が大好きらしい。こういう人が大統領だと日本との関係もよくなるから良いね。
    フランスは現在でもなお、ナチス時代のユダヤ人問題を抱えている。

  • フランスという国について初めて知った本。
    政治、文化、社会…
    いろんな側面が濃縮して語られています。

    歴代の大統領すら全く無知だったけれど
    ドゴール時代から詳しく説明してくれているので
    だいぶわかり…やすい?!
    勉強し始めてから読み直すとだいぶわかりやすい◎

    サルコジ版もでたのかな?
    でたなら読んでみたい。

  • フランスの政治を勉強するとき少しだけ役立った。関係ないが、旅先でフランス人と友達になると政治の話ばかりするので正直辟易してしまう。フランス革命万歳です。

  • シラクがフランス大統領になったとき購入。おもしろかった。

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