絵のある人生―見る楽しみ、描く喜び― (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 113
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308560

作品紹介・あらすじ

いい絵とは何だろうか。名画はどのように生まれ、画家たちはどう生きたのか。プロとアマ、油絵と水彩画、写実と抽象、そして美術的価値と価格などにもふれつつ絵画の豊かな世界へと案内。ブリューゲル、ゴッホらの興味深い逸話や自らの経験を語るとともに、これから絵を描いてみようとする人への具体的な手ほどきも行なう。

感想・レビュー・書評

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  • (2003.11.30読了)(拝借)
    副題「見る楽しみ、描く喜び」
    気持ちのいい自然の風景、気持ちのいい街角、などを描く安野さんの絵についてのあれこれを述べた本です。絵を見るのが好きな人、絵を描くのが好きな人、安野さんが好きな人、いろんな人が読んで楽しめる本です。
    木を描くときは、葉のついていないときに描きなさいといっています。葉が茂っている時は木がどうなっているのか分からない。枝のつき方や全体が分からない。葉の落ちた冬や早春なら枝振りが見える。葉のない状態の木に葉っぱをつける事はできるけど、葉の生い茂った状態の木から三木と枝だけの木を描くことができない。人体のヌードも同じこと。
    ブリューゲルの絵を元に絵の描き方を説明しています。狩人の帰還などの風景画を描いていますが、今のオランダの人なので、山の風景など知らないはずなのですが・・・
    3章では、ゴッホについてあれこれ述べています。ゴッホの描いた絵と、その場所の写真を較べると、ゴッホの絵のほうが強烈です。何故なのでしょうか?ゴッホの感性なのでしょうか?
    6章では、絵を始める人のためにあれこれアドバイス? が書いてあります。ある人の描いた絵が好きだからといってその人の使った画材を探して使ったとしてもその人のような絵を描けるわけではない。というのが結論です。
    7章には、安野さんがどのような風に絵描きになってしまったかが書いてあります。

    著者 安野 光雅
    1926年 島根県津和野町生まれ
     宇部工業学校卒業
     山口県徳山市で小学校教員
    1949年 上京
    1968年 「ふしぎなえ」で絵本作家としてデビュー
    1975年 「ABCの本」「きりがみ桃太郎」で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞
    1977年 「あいうえおの本」でBIB金のりんご賞を受賞
     国際アンデルセン賞、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞、紫綬褒章など多数受賞

    ●関連図書
    「わが友・石頭計算機」安野 光雅著、ダイヤモンド社、1973.06.01

    (「BOOK」データベースより)amazon
    いい絵とは何だろうか。名画はどのように生まれ、画家たちはどう生きたのか。プロとアマ、油絵と水彩画、写実と抽象、そして美術的価値と価格などにもふれつつ絵画の豊かな世界へと案内。ブリューゲル、ゴッホらの興味深い逸話や自らの経験を語るとともに、これから絵を描いてみようとする人への具体的な手ほどきも行なう。

  • 【目次】
    目次 [i-iii]
    口絵クレジット [iv]

    1 絵を見る――心を動かされる満ち足りた時間 001
    看板の花嫁/「美術に上下の区別なし」/「美しい」と「きれい」/絵を見る満ち足りた時間/絵はわたしの道連れ/絵を描く二つの立場/発見と思い入れ

    2 絵を描く――ブリューゲルの作品を手がかりに 019
    「雪中の東方三賢王の礼拝」/描かれた雪の重さ/想像では「自然」に追いつけない/作品の生まれるまで――仕事の手順/遠近法のこと/絵に込められたメッセージ/ルネサンスという時代

    3 絵に生きる――ゴッホの場合、印象派の時代 069
    科学の時代へ/写真機の登場/線の主張/宮廷画家の終焉/印象派の光/洋行の時代/ゴッホの生涯/印象派の遺産

    4 絵を素直に――ナイーヴ派、アマチュアリズムの誇り 115
    映画「スカーレット・ストリート」/ピロスマニと「百万本のバラ」/エミリーおばさんの絵/ナイーヴ派の天使、アンリ・ルソー/ナイーヴ派の誇り

    5 絵が分からない――抽象絵画を見る眼 131
    デッサン力と抽象絵画/抽象絵画と大疑問/バイオリンの実験/芸術的価値と市場価格/ラファエル前派から抽象絵画の部屋へ

    6 絵を始める人のために――テクニックは重要な問題ではない 149
    本当の基礎とは何だろうか/画材などは?/水張りの方法/実験的に一枚描いてみますか/読んでおくといい本

    7 絵のある人生 181
    「きっかけ」などはなかった/好きなものを描いた/思い出の手紙/個展と針のむしろ/絵に託した人生

    あとがき(二〇〇三年七月一日 安野光雅) [199-200]

  • 本の内容
    いいと感じる絵とは一体どのようなものなのか。
    また、画家たちは絵を書きながら人生をどう歩んだのか。描かれた絵は何故、このような表現をしたのか。それらを安野氏が有名な絵画を載せながら詳しく説明しています。

    注目
     第一章では安野氏が子供の頃に見た絵の話やそのときに感じたこと、心に残った絵の話をしています。この章で、他人がいいと感じる絵と自分の感じたものが違うものでもいいと書かれており、安野氏は「人が、美しいものに反応する感覚は、自然から学んで育つことの他に、絵を見ることの経験によっても磨かれるのだと思います。」と話しています。絵を見ている時間は心の中が満たされ、一人で絵を見ながら自分で考える時間は大切だと思いますと話し、そういった時間が絵を見る力を磨かせるのだと書かれていました。

     おすすめ
    読んでいると安野氏とは違う考え方や意見が出るとは思いますが、いま、絵を描いている人もこれから描き始めようと思っている人にも興味深い話がたくさん載っています。
    さらに、本には作品が生まれるまでの流れや、写真機の登場が絵にどのような影響を与えたのか、これから絵を描こうと思っている人に向けた手ほどきも行っています。
    この本は、絵の見方や感じ方を改めて見直し、さらにこれから絵を描いてみたいと思う人へのきっかけになる一冊だと私は思います。 (151219 月の姫)

  • このタイトルに対して、どういう切り口で書かれているのか興味深かったけど、なるほど、自身にとっての絵の見方を、美術史の流れを通して綴っている感じだった。美術の鑑賞の仕方伝授、みたいな感じかと思っていたけど、むしろそういう考え方とは距離をおくスタンス。とにかくたくさんの作品に触れて、興味があれば自分でも手を動かしてみましょう、ってことだと思いました。

  • 高名な画家、絵本作家である著者の絵を見る、絵を描く、絵に生きると
    いう視点から語られている。著者の鑑賞態度などを易しく、難しく感じさせない言葉で書かれている。

  • 難しいところが多かった。ゴッホについての部分は面白かった。

  • 絵に関するつれづれ。とは言え歴史的なことや技術的なことも初心者にわかるように書かれていました。ゴッホに思い入れがあるひとって多いんだなあ。

  • 普段絵にあまり関心のない自分でも、理解しやすい内容だった。絵を様々な視点からみるきっかけになると思う。

  • 「私、絵とか分からないから…」という方にもぜひオススメしたい本でした。美術史を追いながら、素人にも本当に分かりやすく飽きない構成で語られている一冊。

    一番印象的だったのは、絵の見方です。どれが良い絵なのか?なんて美術的価値を判断するのは、本当は絵を見ただけでは不可能であると。たとえば皆が通り過ぎる絵でも、「チンパンジーが描いた」という事実が明かされれば注目に値する絵となる可能性がありますよね。

    そんな中で世間的評価や美術的価値を離れて、自分にとっての良い絵を見つける方法は、美術館などを歩きまわりながら「この中で、1つだけ1万円で売ってあげる」と言われたらどれが欲しいか、と考えてみること。それが、自分にとっての良い絵なんじゃないか、というお話には「うんうん」とうなずきました。恋愛と一緒で、好みは皆それぞれ違っていい。今度、そんなことを妄想しながら歩いてみるのも楽しいなと思います。

    ゴッホについては結構ページがさかれており、「ゴッホの手紙」はイチオシとのことでぜひ読んでみたいと思いました。絵が絡んでくる古い映画の紹介もちらほら。「スカーレット・ストリート」は観たい一本に追加です。

    写実主義が頂点に達し、写真が登場したことで印象派が生まれ、さらに抽象画へ。かつては点描で表現したものでも、現在はCGで思いどおりの絵を簡単に作れるようになっている。さてこれからどうなっていくのか…という大きな流れは非常に興味深いです。これが一つの時代を築き上げるとしたら、まだ今は起承転結の「起」の部分であると。一時代となるかどうかは、時が経たねば分からない。

    写実主義を極めた人たちにとって写真の登場はどれだけのショックだったかと思います、が、CG等の登場はそれに通じるものがあるのでしょうか。CGを芸術作品ととらえたことはあまりなかったので、その点でも新鮮でした。

    終わりのほうには、絵を始めてみたい人へ、こうして描いてみましょうという簡単な手引きがあります。薄い一冊の中にぎっしりと絵への愛情がつまっていて、つくづく見識の広い方だなと思いました。

  • 2012/08/15

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プロフィール

安野 光雅(あんの みつまさ)
1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞、講談社出版文化賞、菊池寛賞などを受賞。1988年紫綬褒章を受章し、2012年文化功労者に選ばれる。
主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全8巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』(朝日出版社)などがある。いまなお『旅の絵本Ⅸ』、『いずれの日にか国に帰らん』など新刊を続々刊行。ほかにも多くの書籍の装丁を手がける。
2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。

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