東京遺産―保存から再生・活用へ― (岩波新書)

著者 :
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308584

作品紹介・あらすじ

著者は、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊して以降、同誌の編集や著作のかたわら、東京駅、同潤会アパート、丸ビル、上野の奏楽堂など東京に残るさまざまな歴史的建造物の保存運動にかかわってきた。二〇年にわたるその活動を記録し、再生・活用するためには、どのようにしたらよいかを提言する。都区内の文化財(建造物)一覧等を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 古本で購入。

    地域誌『谷中・根津・千駄木』(のちに『谷根千』)で下町ブームに火を点けた谷根千工房の設立メンバーである著者が、団体の活動の中で関わってきた建物保存運動についてまとめた本。
    「東京」と銘打つものの、活動地盤のある台東区・文京区が中心になっている。

    古い建築物を壊すことに抵抗のない人は、その建築物がもつ文化史的な文脈やそこで繰り広げられた歴史・営みを一顧だにしない。
    あるいは「役割を終えたのだから新しくして有効に使った方がいい」と、スクラップ・アンド・ビルドを「いいこと」と捉える。

    利益・利便性を追求するならそれもいいかもしれないが、そうして“生まれ変わった”街の薄っぺらさと言ったらないのだ。
    古い建物が消えるということは、要はその場所に積み重ねられてきた有形無形の歴史の層が消えるということ。
    いみじくもタモリが言ったように「土地は記憶している」のであり、それは建物であっても同じ。
    記憶を失って薄っぺらくなった街には薄っぺらいヒトと薄っぺらいモノしか集まらない。何よりおもしろくない。おもしろくない街に魅力はない。

    本書で取り上げられる谷根千も上野も職場の周辺。
    何気なく歩いていた街を“知る”ことでその風景の見え方が変わってくるというのは、歴史の醍醐味のひとつに違いない。

  • 2013年2月16日読了。よく知った場所が多く興味深く読ませてもらいました。

  • 社会はいろいろな人の努力で成り立っていることが分る。

    東京の遺産には、江戸時代のものが著名なものが多いが、明治以降の遺産も大事なものがある。

    何を、どういう形で残すかは、東京人の良識が問われると思う。

    パリ、ロンドン、ベルリン、ニューヨーク、北京、モスクワと肩をならべられるかどうか、東京人の運動にかかっているかもしれない。

    これまで東京で時間があると図書館、美術館、博物館に行っていたが、遺産も確認してみたいと思う。

  • 遺産を守りましょう

  • より深い散歩を楽しむために。

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著者プロフィール

【著者情報】森 まゆみ (もり・まゆみ)
1954年、東京都文京区動坂生まれ。作家。1984年に地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊、2009年の終刊まで編集人をつとめる。著書に『鴎外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『「即興詩人」のイタリア』(JTB紀行文学大賞)、『「青鞜」の冒険――女が集まって雑誌をつくるということ』(紫式部文学賞)、近著に『暗い時代の人々』、『子規の音』ほかがある。

「2018年 『お隣りのイスラーム――日本に暮らすムスリムに会いにいく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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